山口5人殺害:父親死後、住民らとトラブル目立ち…容疑者
毎日新聞 2013年07月27日 01時19分(最終更新 07月27日 01時52分)
山口県周南市金峰(みたけ)で住民5人が殺害された連続殺人・放火事件で、山口県警が26日、山本ミヤ子さん(79)に対する殺人、非現住建造物等放火容疑で逮捕した近くの無職、保見光成(ほみ・こうせい)容疑者(63)は山本さん殺害と放火容疑を認め、他の4人の殺害についても「私がやりました」と供述しているという。事件発生6日目の容疑者逮捕で、焦点は凄惨(せいさん)な事件の動機解明に移る。【蒲原明佳、柴山雄太、杉山雄飛、井川加菜美、尾垣和幸、高橋直純】
逮捕容疑は、21日ごろ、山本さんの自宅で、山本さんを鈍器のようなもので殴って殺害し、火をつけたとしている。
事件の背後に何があったのか−−。住民らによると、保見容疑者は事件現場の金峰地区郷集落の出身。約7キロ離れた中学校を卒業後に地元を出た。
成人後の保見容疑者にはトラブル話がつきまとう。1996年ごろまで10年ほど、川崎市多摩区のアパートで暮らし左官の仕事をしていたという。保見容疑者と同じ駐車場を利用していた近所の男性(67)は、車に関するトラブルで保見容疑者に怒られたのを覚えている。アパートの住民とのいさかいも多かったといい「息子も投げ飛ばされたことがあると言っていた」と話した。
父親の介護で古里に戻ったころは、トラブルはなかった。介護を手伝っていた元ホームヘルパーの女性(65)によるとむしろ「いつもありがとうございます」と丁寧にあいさつし、献身的だった。
だが、7年前に父親が亡くなって以降、評価は変わる。「目つきが変わり、近寄りがたくなった」。自宅に上半身だけのマネキンを置くなどの“奇行”が目立つようになった。
このころから住民とのトラブルが目立ち始めた。同級生の男性は「向こうから段々離れていった」と話す。2003年には、今回の事件で殺害された被害者の一人が酒席で保見容疑者を刃物で刺したこともあった。