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住宅ローン(その3)〜家を守りきった人の実例集HEADLINE


今回は実例をいくつか紹介しましょう。
いずれも借金を大幅に減らし、自宅を守り切った実話です。


◆Tさん。

 平成元年に4000万のマンションを購入した女性です。
 経営している小売店が以前は絶好調でしたが、最近はかなり業績不振気味のため、 2年ほど前から住宅ローンが滞りはじめました。ローンを組んだのは住宅金融公庫です。
 住宅ローンの残債は2500万。
 一方、近所の不動産屋さんで無料査定してもらった結果、自宅マンションの実勢価格は1200万いくかどうかでした。
 1200万の価値しかないマンションを、苦しい思いをしてあと2500万も返していくのは 不合理極まりないと考え、マンションへの執着を捨てて、今はローンの返済を止めて今後の身の振り方を考えている最中です。
 もう腹をくくったので、いつ競売にかけられても構わないという覚悟を、住宅金融公庫 さんにも伝えています。(形式上、一括請求通知や督促状が定期的に来ています)
 しかし、返済をストップしてもうかれこれ2年近くなりますが、いまだに競売申立て されません。住宅金融公庫さんはしきりに任意売却を勧めており、Tさんもそれに従って 任意売却のアクションを起こしていますが、なかなか買い手がみつかりません。
 その間、住宅金融公庫さんは、競売の手続きに入らずに様子を見てくれています。



◆勉強会常連のKさん。

 昭和の終わりに4500万程度の一戸建てを買った女性です。
 彼女もやはり本業の経営不振で、12ヶ月以上も住宅ローンを滞っていました(地銀)。  住宅ローンの残債はあと2700万程度。
 彼女の場合、他の多くの方と違って、家の実勢価格がかなり高く、売れば現金がタップリ 残ることが予想されました。(近所の不動産屋さんの査定では時価4000万) 12ヶ月延滞後、地銀は競売を申し立てました。
 もうダメかと思いましたが、冷静に考えたら、彼女の家には担保余力が十分にあるので、 借り換えが可能でした。但し問題は、彼女自身名義での借り換えは(信用力低下などで) 非常に難しいこと。
 しかし、運良く、彼女にはサラリーマンの婚約者がいました。
 彼に「ローンを組んで私の家を買ってくれない?」と頼んだところ、彼は承諾してくれ、 いくつかの銀行を当たりました。
  3つの銀行で断られましたが、4つ目に申し込んだ銀行で審査OKとなり、彼名義で住宅ローンを組んで、形式上、彼に売却した形となりました。
 競売は取り下げられました。
 結局、彼女はその家に婚約者と住み続けることができ、しかも彼女自身の所有不動産が 無くなったので、もう何かを失う心配は無くなりました。
 そうなればこっちのもの。
 その後は猛烈な勢いで全ての借金を法的に整理し、今ではだいぶスッキリして、 余裕の姿勢で本来の事業を継続しています。借金も激減中です。




◆首都圏在住のSさん。

 個人経営の美容院を営む男性です。
 買って5年以内のマンション(頭金700万、ローン残債2200万、実勢価格2200万) のほか、運転資金で借りた国民生活金融公庫500万(無担保)、運転資金不足で 徐々に増えていったクレジットカードのキャッシング400万、消費者金融400万。
 合計で、住宅ローン2200万円+その他の借金1300万円=3500万円の借金がありました。
 日々返済に追われ、しだいに精神的に不安定になり、金策と疲れで美容院も 休みがちになり、それによって売上がさらに低下するという、まさに悪循環、 蟻地獄のような状態でした。
家に帰っても酒ばかり飲んで不機嫌になり、しだいに奥さんにも見放され、
 離婚話が何度も持ち上がって、子供まで情緒不安定になっていきました・・・。
 ウチに相談にお見えになった時は、目はうつろで、顔色も悪く、それはもう ひどい状態でした。
 私はこの方に「小規模個人再生」という、民事再生法の個人版の手続きを勧めました。
 そして、この手続きは弁護士(または一部の司法書士)にしかできないので、 弁護士会主催のクレジット・サラ金法律相談センターを紹介しました。
 そこで彼は運良く相性の良い弁護士さんに巡り会うことができ、 裁判所で「小規模個人再生」をすぐに申し立て、手続きは着々と進んでいきました。
 結果・・・、彼は個人再生の計画案が認可され、住宅ローンは現状維持(家は守れる)、 その他の計1300万円の債務は350万円程度(4分の1)にまで減額され、 それを毎月7万円x約4年間の分割払いで払えばよいということになりました。
 今では負担が激減し、住宅ローンも滞りなく払えるようになりました。
 精神的にもすっかり落ち着きを取り戻し、本業の美容師業にも精が出て、 売上も徐々に回復していきました。
 家庭も一時は崩壊寸前でしたが、まず子供が明るくなり、それがきっかけで夫婦関係も 修復しつつあるそうです。めでたしめでたし。(涙)



(メルマガ 2004年12月21日 第86号より抜粋)



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