週現スペシャル 大研究 第1部 第2部 どこまで難しい?東大理Ⅲのテスト 東大医学部(理Ⅲ)に合格した人たち 日本でトップ0・01%の「頭脳」でも彼らは本当に幸せなの?

2013年04月10日(水) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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 では東大医学部生のキャンパスライフとはどのようなものなのだろうか。

 まず、理Ⅲ生の多くは、意外にも講義にはあまり出ないという。

「理Ⅲに入って驚いたのは、講義に出席しなくても許されることですね。試験さえ通れば単位はとれるので、ほとんど学校に行かなくていい。みんな講義にはあまり出ていませんでしたよ。私の場合、解剖実習は出席点があったのでさすがに出ましたが、3年に上がってからの4年間で、講義は3回しか受けていません」(東大医学部卒の精神科医・和田秀樹氏)

 講義に出ないからと言って、それくらいでついていけなくなるレベルの学生は理Ⅲにはいない。彼らは要領よく単位を稼ぎ、その空いた時間をバイトに充て、金銭も効率的に稼ぐ。和田氏が続ける。

「理Ⅲ生というだけで、家庭教師の時給が抜群にいいんです。8000円や1万円はザラ。1泊2日で20万もらったという友人もいました」

「鉄門」に入部できる人

 勉強はできるわ、要領はいいわ、カネはあるわ、理Ⅲ生は東大のなかでもあらゆる面で、図抜けた存在だが、なにより理Ⅲ生は東大の学内で圧倒的にモテる。

「東大女子はずっと成績の優秀さで生きてきた偏差値の生き物。だから自分より偏差値が高い人間には逆らえないし、無条件に尊敬してしまう。そういう意味では医学部生は偏差値の頂点ですから、東大女子にモテるのは当然。

 理Ⅲの彼氏がいる、と言ったら自慢できるし、東大内ヒエラルキーの底辺である文Ⅲ(文学部、教育学部コース)の女子が、理Ⅲの男子を捕まえようものなら、ちょっとした事件ですよ」(教育学部4年女子)

 あまり知られていないが、東大には医学部生しか入れない部活がある。「鉄門サッカー部」「鉄門水泳部」など、その名に東大医学部正門である「鉄門」を冠する部がそうだ。表向きは「長くても4年で引退を迫られる全学の運動部と違って6年生までいられるから便利」という理由で、理Ⅲ生の5割程度がこの部に入る。

 実はこの一見排他的な組織が、理Ⅲ生が学外女子にモテる源泉なのである。というのも、鉄門部は他大の女子には広く門戸を開いているからだ。その結果、鉄門部にはマネージャー志望の女子大生が殺到する。

「ろくに勧誘もしないのに、自分から調べて連絡を取ってくるんです。鉄門サッカー部や鉄門バスケ部は特に多くて、男子部員は20人程度なのに、女子マネージャーが30人近くいて、人数が逆転してしまったこともあったようです」(医学部3年)

 当然、マネージャーはそんなに必要ない。本当にマネージャーの仕事をするのは、各部2~3名程度で、あとはコンパ(飲み会)や合宿にだけ参加する。多いのは聖心女子大、白百合女子大、東京女子大、日本女子大といった大学。彼女たちの目的はもちろん「東大医学部卒」というブランドへの永久就職だ。

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