東大論文不正:元教授、研究者同士競わせる
毎日新聞 2013年07月26日 00時20分(最終更新 07月26日 00時28分)
−−不正が起きた原因をどう考えるか。
研究室は3〜5のグループに分かれ、良い意味の競争があった一方で、他グループよりも成果を出さなければいけないという焦りもあったのではないか。
−−論文はどのように仕上げたのか。
筆頭著者が何を解明したいかを考え、そのために必要な実験は複数に割り振った。論文の図は、基本的に実験の担当者が作った。その時に不正が行われていたらしい。私が主導して研究室ぐるみでやったことではない。
−−教授の役割は。
出てきた実験結果を確認し、他に必要なデータなどについてアドバイスをした。筆頭著者が書いた文章の修正も私の役目だった。しかし、コンピューターが苦手なので図の作成はメンバーに任せた。
−−不正を指示したことは。
全くない。既に教授になっていたし(不正をする)理由がない。
−−どうすれば防げたのか。
実験結果の報告は全て信用したが、“性善説”に立ったやり方はだめだったのかもしれない。チェックし合うことが必要だった。実務的な細かい所は任せていた。丸投げと言われればその通りだ。