【クアラルンプール=都留悦史】マレーシアのナジブ首相は24日、朝日新聞のインタビューに応じ、自国も参加する環太平洋経済連携協定(TPP)の年内妥結の可能性について「極めて難しいだろう」との見通しを示した。早期の合意に期待を寄せる一方で、国益よりもマイナス面が大きいと判断した場合は「(交渉離脱も)一つの選択肢にはなる」と述べた。
ナジブ首相への一問一答トピックス:TPPナジブ氏は2020年までの先進国入りを目標に掲げ、TPPを経済成長を加速させる重要な手段に位置づけてきた。ただ、マレーシア国内では、TPP合意で市場を開放すれば、マレー系を優遇する「ブミプトラ(土地の子)」政策が形骸化するとの懸念がマレー系企業を中心に強まっている。
これについてナジブ氏は「ブミプトラの保護は優先させるべきことの一つだが、国内外で競争できるマレー系企業を育てていく方がもっと大事だ」と指摘。「TPP交渉に参加すれば国内産業の保護と市場開放のバランスをとることが避けて通れない。多少のマイナス面は覚悟しなければならないだろう」と語った。
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朝日新聞国際報道部