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米軍嘉手納基地跡の沖縄市サッカー場からドラム缶が見つかった問題で、沖縄防衛局は24日、ドラム缶の付着物と付近の水たまりからダイオキシン類のうち最も毒性が強い物質が検出されたと発表した。米軍が枯れ葉剤としてベトナム戦争で使った除草剤に高濃度で含まれ、奇形などの深刻な被害をもたらした物質。研究者は「枯れ葉剤があった証明だ」と断定するが、防衛局は「否定も肯定もできない」と説明している。
物質は「2・3・7・8-TCDD」と呼ばれるダイオキシン類で、「最強の毒物」といわれる。除草剤「2・4・5-T」(現在は販売・使用禁止)を作る時に副産物としてできる。米軍はこうした除草剤を組み合わせ、さまざまな種類の枯れ葉剤を作ってベトナムでまいた。
「2・3・7・8」は他の除草剤を作る過程やごみ焼却でも発生するが、その場合の濃度は低い。今回は、防衛局が調査したドラム缶22本全てと水たまりから検出され、最大で71%の高濃度だった。
ダイオキシン類の分析と処理が専門で、ベトナムで被害調査をした愛媛大学の本田克久教授は「ベトナムと沖縄市のデータは共通点が多い。「2・3・7・8」の高濃度汚染は枯れ葉剤被害の典型。通常の除草剤ではこれほどの濃度にならない」と指摘した。
一方、防衛局は成分が似ている除草剤のPCP(現在は販売・使用禁止)が由来だと推定している。枯れ葉剤の一種エージェント・オレンジ(オレンジ剤)に特有の成分「2・4-D」が全ての検体で検出されなかったことを理由に挙げた。
調査ではこのほか、ダイオキシン類の総量がドラム缶22本のうち1本で、土壌の環境基準を超えた。付近の水たまりからは環境基準の28倍のダイオキシン類を検出。周辺土壌からも、環境基準を超えるヒ素とフッ素が見つかった。
沖縄市の同様の調査は30日、県の水質調査は26日にそれぞれ公表される予定。防衛局は、市・県の結果と照合しつつ、今後サッカー場全体の調査の必要性を含め、3者で詳細な追加調査の方法を検討する。
[ことば]
枯れ葉剤 ベトナム戦争中、南ベトナム解放民族戦線の拠点となった密林を枯らすため、米軍が散布した除草剤の総称。最も被害が大きかったエージェント・オレンジ(オレンジ剤)のほか、配合によってホワイト、パープル、ブルーなどの種類があった。