京の味「衣笠丼」全国区へ なか卯メニュー、女性ターゲットに
油揚げとネギを卵でとじた「衣笠丼」がご当地の京都を飛び出し、全国に広がっている。牛丼チェーン大手のなか卯(東京都)が26日をメドに全店舗で、女性向けの新商品として通常メニューに加える。京都市内を中心に親しまれてきた庶民の味が、全国区になる日も近そうだ。
衣笠丼は、金閣寺近くの衣笠山(北区)の伝説にちなむ。平安時代、宇多天皇が衣笠山に白い絹をかけ、雪山に見立てた景色を夏に楽しんだという言い伝えで、この時の様と卵でとじた状態が似ていることから名付けられたとされる。
京都市内では明治時代にはそば屋のメニューに並んでいた記録が残り、人気の丼物として定着している。
なか卯では看板商品の和風牛丼とうどんのほか、親子丼やカツ丼もそろえている。卵とじの丼のバリエーションを増やす際、発祥の関西でなじみのある衣笠丼に着目した。油揚げと青ネギというシンプルな具材で作る京都伝承の丼は、並390円。6月26日から順次、全国482店舗(6月末現在)の通常メニューに加えている。同社を傘下に持つゼンショーホールディングス(東京都)は「肉が苦手な女性をターゲットにした商品。和風にこだわったファストフードとして、親子丼に次ぐ丼メニューにしていきたい」(広報室)としている。
【 2013年07月23日 09時31分 】