当時、クルーは山内議員から十数メートル離れた場所で、通行人に対して選挙に関するインタビューを行っていた。「候補者の演説を聞いて、どう感じましたか」――といったものだ。そのインタビューの「邪魔」になるので、「ちょっと静かにしてくれ」ということらしい。山内議員はあきれた様子でこう語る。
「別の取材で来たならとにかく、我々の演説しているところを撮りに来たのに――ましてや選挙期間中ですよ。それに、わざわざそんな近くで撮影しなくとも、ちょっと離れて静かなところに行けば済む話ではないですか」
「奢るにもほどがある」の声
住宅街などならともかく、今回のような大通り、しかも正式な許可を受けての演説でこうした「要求」を受けたのは、「政治家を8年間やっていて初めて」だという。
「上着も脱いで普通に喋ってたからそうは思われなかったのかもしれませんが、一応党幹部なんですけどね」と、山内議員は苦笑いだ。もちろんその場で抗議を行い、直後に上司と見られる取材スタッフから謝罪を受けたという。ただ、この一件で気力がなえてしまったとのことで、山内議員は結局演説を止めてしまった。
参院選に関しては、日本維新の会の橋下徹・大阪市長が、街頭演説中に朝日新聞記者が「俺を誰様だと思ってる、朝日新聞の政治部の記者だぞ」などと同党スタッフに暴言を吐いた、と20日にウェブ動画で話し、記者に対し「横暴」との声が上がったことが記憶に新しい。今回の山内議員のブログにもツイッターなどで、「どちらの局なのだろうかね? 奢るにもほどがある」「テレビ局に抗議していい話だと思うな」と、テレビ局を批判する声が相次いでいる。