日本車への米市場開放、TPP交渉で厳しいルールを=下院議員
[ワシントン 23日 ロイター] - 米下院歳入委員会の民主党トップであるサンダー・レビン議員は23日、環太平洋連携協定(TPP)交渉に関連し、日本の自動車メーカーに米市場を一段と開放する場合は厳しいルールを設けるようオバマ政権に要求し、為替操作に関しては厳格な姿勢で取り組むよう求めた。
こうした厳しい要請は、オバマ大統領がTPP交渉を進めるにあたり、民主党内に出ている懸念に対応しない限り、同協定批准に向けた議会承認を勝ち得るのは困難となる可能性があることを示している。
米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車政策会議(AAPC)と全米自動車労組(UAW)は共同声明を発表し、フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラー・グループの8万人以上の労働者が、日本側が米国車の輸入を増やし、為替操作に対する規制に合意しない限り日本のTPP参加に反対する嘆願書に署名したことを明らかにした。
レビン議員はピーターソン国際経済研究所での講演で、日本との交渉について、自動車で2.5%、トラックでは25%の関税を、30年をかけて段階的に廃止することにこだわるべきだとの見方を示した。
米国は韓国との自由貿易協定では、自動車で2.5%の関税が4年後に、トラックで25%の関税が10年後に廃止されることになっていた。
デトロイト市に本社を置くビッグスリーは、日本は自動車輸入に関税は設けていないものの、税制などの非関税障壁により米メーカーが市場から閉め出されていると主張している。
レビン議員は、日本が本当の意味で自国市場を開放することを確認するため、関税の長期間をかけた段階的な廃止が必要だとの見方を示した。
「日本の自動車市場全体に輸入車が占める割合は6%に過ぎず、先進国のなかで日本の自動車市場が最も閉鎖的だ」と指摘している。
そのうえで、日本の自動車メーカーは政府の円高抑制策の恩恵を受けているとし、TPPに為替操作に対し強制力のある規制を盛り込む必要があると提言。「国際通貨基金(IMF)が築いた規律を盛り込み、紛争解決にあたり強制力のある規律として実施する必要がある」と述べた。
米国はこれまでに締結した貿易協定に為替問題に関するルールは盛り込んでおらず、政府はTPP交渉を通して同問題に対処するとのコミットメントは示していない。
*内容を追加して再送します。
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