日本政府が、旧日本軍従軍慰安婦の碑の除幕式を7月末に予定している米カリフォルニア州グレンデール市関係者に「碑の設置は日本の立場と相いれない」と不快感を伝える申し入れをしていたことが分かった。複数の日米外交筋が24日、明らかにした。碑には慰安婦問題をめぐる対日批判が込められているとみて、黙認できないと判断した。
申し入れをめぐり、政府内には「米国や国際社会から『過去を反省しようとしない日本が過剰反応している』と思われる恐れがある」(政府筋)との声もある。ただ外務省には「日本の名誉が著しく傷つけられる」などと対処を求めるメールが相次いでおり、同省は神経をとがらせている。日本国内と米韓両国の世論動向をにらんだ難しいかじ取りを迫られそうだ。
政府関係者は、申し入れに関し「慰安婦問題を外交問題にしないのが日本の立場だ。撤去までは求めていない」と説明した。