Updated: Tokyo  2013/07/24 17:45  |  New York  2013/07/24 04:45  |  London  2013/07/24 09:45
 

尾道造船、安価な韓国製鋼材の調達拡大へ-ポスコ価格交渉決着

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  7月24日(ブルームバーグ):尾道造船 は韓国鉄鋼メーカー最大手のポスコ との造船用鋼板の価格交渉で、7-9月期に前期比で1トン当たり5000円値上げすることで合意した。値上げ率は10%未満にとどまり、相対的に安価な韓国製鋼材の調達拡大でコスト削減を図る考えだ。

中部隆社長がブルームバーグの取材で明らかにした。同社の鋼材使用量に占めるポスコ製の割合は、4-6月期の10%から7-9月期に15%程度に拡大する。国内のJFEスチール との7月以降の鋼材価格については、値上げ幅をめぐる交渉を継続しているという。鉄鋼メーカ側は原料高や円安を理由に造船会社など顧客に対し値上げを要請。中部氏は、値上げがないに越したことはないが、値上げがあっても5000円以内にとどめたいとの考えを示した。

鉄鋼メーカーと自動車会社では、新日鉄住金トヨタ自動車 は2013年度上期の価格交渉が12年度下期に対し1トン当たり1万円の値上げで合意したと、23日付の日本経済新聞が報じた。造船業界などからは鉄鋼メーカーの値上げ幅について反発もあり、この値上げが他の業界にも浸透するかは不透明だ。

中部氏は「今後の海外ミル(鉄鋼メーカー)との競争をもっと真剣に国内ミルにも考えてもらいたい」と述べ、「日本のミルも海外に輸出するときの値段が明らかに国内より安い状況が続いている」と述べ、内外価格差の是正に理解を求めた。

尾道造船の月間の鋼材使用量は7000-8000トン程度。ポスコ広報担当のキム・ジヨン氏はコメントを控えた。

尾道造船のホームページによると、本社は神戸市、造船拠点は広島県東部の尾道市。12年度の売上高は515億円。工場敷地単位面積当たり生産高世界一を目指している。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 菅磨澄 msuga@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Iain Wilson iwilson2@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/24 15:38 JST

 
 
 
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