【名物アナ山下末則のスポーツ末広がり】V奪回を目指すソフトバンクは前半戦を終えて40勝42敗1分け。チーム打率はリーグ1位、防御率も3・35で同3位と健闘しているが、2年連続となる負け越しターン。秋山監督にとっては、誤算続きの83試合だったのではないだろうか。
開幕前には、先発ローテの6人枠に入るのもシ烈を極めた。しかし、シーズンが始まると大隣をはじめとして故障者が続出。比較的コンスタントにローテーションを守ったのは、摂津と帆足の2人だけだった。
ブルペンもしかり。千賀の台頭こそあったものの、森福の不調に五十嵐の出遅れ。ファルケンボーグは度重なる故障で計算が立たなかった。勝利の方程式の一角を担っていた岩崎も7月に入って先発に回り、台所事情は火の車となった。1点差ゲームでリーグワーストの7勝14敗という数字がチーム事情を如実に表している。
前半戦終盤には、守備の乱れも目に付いた。実際に失策数はオリックスと並んでリーグワーストの51個。これでは競り勝てるはずもなかった。
元巨人の篠塚和典氏は「プロ野球選手がレギュラーポジションを獲得する第一歩は守りです。守りが安定しないと監督は使いません。守って球際に強くなることが勝利に結びつく」という持論を持っている。それに当てはまるのが今年のロッテだ。
開幕前の下馬評は決して高くなかったが、ゴールデンウイーク明けの5月9日に首位に立つと、そのまま快走。ここへきて、へばりが見えてきたものの、首位の楽天とはわずか2ゲーム差だ。1点差試合では16勝6敗と圧倒的な強さを誇り、逆転勝ちもリーグでダントツの20試合。伊東監督は「いつもギリギリ、いっぱいいっぱいですよ」と謙遜するが、粘り強い全員野球ができている間は大崩れすることもないだろう。
ロッテに完敗した前半戦の最終戦後、秋山監督は後半戦に向けて「もう1回、プロに入った時の気持ちを思い出せ!」とミーティングで語った。私には「これまで以上に必死に球に食らいつき、粘り強く守り、球際の勝負に挑め」とのゲキに聞こえた。
☆やました・すえのり=1948年3月14日生まれ。福岡県北九州市出身。宮崎放送を経て、81年に日本テレビ入社。巨人戦実況を中心に、スポーツアナウンサーとして活躍。テレビ野球中継初の槙原投手の完全試合を実況したことでも有名。箱根駅伝のメーンアナウンサーを8年間務め、陸上競技にも精通している。08年に日テレを退社。現在はフリーアナウンサーとしてソフトバンク戦や海外ゴルフの実況で活躍するかたわら、ビジネスマン研修会社を経営している。
東京スポーツ新聞社が運営する携帯サイト「東スポ芸能」で、AKB48の研究生・峯岸みなみ(20)が連載コラム「AKB48峯岸みなみの研究生じろじろリポート(略称じろリポ)」を担当。昇格を目指す研究生たちの素顔を紹介します。