自分でいうと恥かしいのですが多分僕は生まれつき「正直」な性分だと思います。もちろん周囲からはその前に馬鹿が付いていると言われてきました。そしてまさにそのとおり、いままでいっぱい馬鹿を見てきたのです。そういう意味では僕は長年自分にもっとも相応しくない仕事をしてきたのだとおもっています。なぜならマスコミはもっぱら「嘘」をつくのが商売ですから。

嘘をストレートに「これから嘘をつきます」と言ってつく人はいません。巧妙にさりげなく誤魔化して、自らの意図どおり相手の意思を誘導することが出来ないとマスコミは勤まらないことを今頃知りました。「後悔先に立たず」と申しますが、気がついた時はすでに晩年を向かえ「階前梧葉已秋聲」でありトホホ状態、今後はひたすらぼけ老人の道をまっしぐらということになりました。

しかしながら、ここで僕は自分自身の「ある阿呆の一生」を語るつもりは毛頭ありません。此処二、三日の放射能報道の馬鹿騒ぎの裏に隠れた淫靡な意図を摘発したと思っているから、馬鹿正直だった僕を引き合いに出しているだけなのです。正直はマスコミには不適合だったのです。

app_full_proxy世田谷区弦巻五丁目○○番地で起きた茶番劇は
都市新伝説として、ＵＦＯ騒ぎやミステリー・サークルのようにオドロオドロシイ物語として見事な起承転結を迎えたのであります。

当然このことは二つの効果を生むことが期待されています。一つは放射能に「過度に」神経質にならないように。そしてもう一つは横浜や船橋や長野での事件を沈静化させ霧消させるという効果です。これは大本営発表によるメディアコントロールを業務としているテレビ・新聞としては至極当然のことでありましょう。そうでしょうが、僕はこんなやり方に到底ついていけません。だからこそ不適格だったのでしょうけれど。

問題はそうであるなら、そうであると断ってから「報道」して欲しいと思うのです。「これから申し上げることは嘘ではありません。ただ福島原発の影響を余り広げないでほしいという政府とスポンサー（東電）の希望により焦点を誤魔化してこれからお伝えいたします」と僕がディレクターならアナウンス原稿をそうかくだろうと思います。

エンターテイメントは重要です。それはテレビ局の収益を上げるだけでなく歌舞音曲だけでない、娯楽は多くの国民の心を癒す広義の福利厚生であるとおもいます。だからマスコミもそれをみるひとも、そうであることをきちんと認識して欲しいのです。

これはマスコミを批判しているのではありません。自分自身の反省を述べているのです。たとえば麻薬患者や犯罪者が
自戒を込めて、一般のひとに手を染めないように注意を促しているように、マスコミは娯楽であるのですから、空手チョップもＵＦＯも川口探検隊も現実ではありませんというべきでした。僕は現実に社会で起きていることの鋭く迫れると「思い違いをして」マスコミで働いていたのです。あさはかでした。

関が原の戦いや桶狭間の戦いを中継したりスタジオで解説したりしている番組がありますが、これは嘘ではありません
なるべく史実に基づいて構成されているのです。ただ見ている人はこれが今現実に起きている事件だと思ってみている人はおそらくいないでしょう。

なのになぜニュースだとか「報道」とか銘打った番組を信用するのでしょうか。

もちろんある程度の知能を持った人は相手にしてませんが、僕みたいな馬鹿はマスコミで正直に発信したり、僕みたいな馬鹿は新聞に載っていることは今起きている事実だと長いこと信じていたのです。

それが的外れだということを、馬鹿は知らなかったのです。昔の諺が正しいことが身に染みてよく分かりました。

「馬鹿は死ななきゃなおらない」

どうか馬鹿でない方はこれ以上放射能まみれにならないで欲しいとおもいます。政府やマスコミの口車に乗らないように改めて警告いたします。