バルサルタンの医師主導臨床研究に関する調査への協力について

2013年7月17日

バルサルタンの医師主導臨床研究の件におきましては、弊社元社員がかかわり、かつ、研究論文に弊社社員としての開示が適切になされなかったことにより、日本の医師主導臨床研究の信頼性を揺るがしかねない事態を生じさせたことを深く反省し、患者の皆様やそのご家族、および医療従事者の皆様をはじめ、多くの方々にご心配をおかけしておりますことを改めまして心よりお詫び申し上げます。

現在、各大学でこれらの臨床研究について調査が行われておりますが、弊社もデータの信頼性を含めた真相解明を強く望んでおり、各大学で行われている調査などに、より一層真摯に協力して参りたいと考えております。

その一環として、弊社は、2013年7月16日、バルサルタンの医師主導臨床研究の一つであるKyoto Heart Study(以下KHS)に関し、京都府立医科大学(以下同大学)に対し真相解明のために、弊社が所有する情報を提供するとの調査協力を申し出ました。

7月11日の同大学による調査結果の記者会見を受け、KHSの主目的である心血管複合イベント(心筋梗塞、脳卒中、狭心症など)について、あたかも弊社の元社員の関与により、データに不正操作や改ざんがあったかのように報道されています。これらは弊社の見解とは異なるものであり、深く憂慮しております。

弊社の社内調査によりますと、元社員は、データの解析にかかわっていたことは判明していますが、データの意図的な操作や改ざんに関与したことを示す事実はありませんでした。

ノバルティスは、真相解明のためにもKHSの信頼性の評価にできる限りの協力を行いたいと考えております。同大学に申し入れた内容は以下のとおりです。

元社員に関する弊社からの情報提供の協力:
ノバルティスは、同大学が元社員に対する事情聴取を望まれていることを理解しており、同大学からの要請を元社員に責任を持って伝えました。しかしながら、元社員自身の強い意志により、今のところ実現できておりません。退職した社員に弊社が対応を強制することはできませんが、真相解明に協力するために、同大学が希望されている元社員への質問に対して、弊社が社内調査にて知りえた内容をお伝えします。

また、弊社は真相究明に全面的に協力するために、京都府立医科大学をはじめ、バルサルタンの医師主導臨床研究が実施された大学からの元社員への聞き取り調査について、要請があった場合には、引き続き協力して参ります。

バルサルタンは、高血圧の治療薬として2000年に厚生労働省から承認された薬剤で、その有効性と安全性は立証されています。バルサルタンの降圧効果(血圧を下げる効果)に関しましては、今回の同大学の調査結果からも問題がなかったとの発表がありました。

バルサルタンを服用されている患者の皆様やそのご家族、および医療従事者の皆様方には大変、ご心配とご迷惑をおかけしておりますことを重ねてお詫びいたしますとともに、本剤の降圧効果に問題がないことをご理解賜りますようお願いいたします。

また、高血圧の治療薬は服薬を中止すると血圧のコントロールができなくなるため、必ず医師の判断に従い、個人の判断で中止することのないようお願いいたします。

これまでのお知らせ

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