韓国の中学生「ストレスを感じると他人を殴りたい」

■知識はあっても実践しない生徒たち

 今回の研究で韓国の児童・生徒たちは年齢に関係なく、道徳性や社会性に関する知識は高い一方、その実践についてはまだまだ不十分であることも分かった。例えば中学生は「両親に親孝行するのは大切だ(3.43点)」「友人をいじめるのは悪いことだ(3.42点)」など、道徳的な知識についての点数は高かったが「道にお金が落ちていれば、それを拾って買いたいものを買う(2.43点」「宿題をするとき、友人のものを書き写したり、インターネットの情報をそのまま書き写したりしたことがある(2.30点)」など、実践に関しての点数は低かった。

 情緒領域に限ってみると、小学生、中学生、高校生のいずれも怒りやストレスへの対応に難しさを感じていることが分かった。情緒領域の17項目の質問で最も点数が低かったのは「怒りを感じたときに自分を抑えられない(小学生2.90点)」「ストレスを感じると他の人に悪口を言ったり殴りたくなったりする(中学生2.80点)」「ストレスを感じると自分にできることは何もないと考えてしまう(高校生2.82点)」など、いずれもストレスへの対応に関連する項目ばかりだった。

 チ教授は「複数の先行研究によると、韓国の児童・生徒たちは海外の子どもたちに比べ、成長するほど他人や公共機関、メディアに対する信頼が低下し、ストレスのレベルが上がる傾向がある」「他人が信じられないので『正直に生きると自分だけが損をする』という考え方も強くなる」と述べた。

 教育部人性体育芸術教育課のユ・ウンジョン課長は「校内暴力対策の一環として、これまで人性教育にも力を入れてきたが、韓国の子どもたちが実際に精神面のどの部分に問題があるのかについては把握が難しかった。今回の研究結果については、今後の政策開発などに活用していきたい」とコメントした。

キム・ヨンジュ記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 韓国の中学生「ストレスを感じると他人を殴りたい」

right

関連ニュース