参院選:ネット選挙 批判合戦やネガティブキャンペーンも

毎日新聞 2013年07月22日 10時05分(最終更新 07月22日 12時07分)

 参院選ではインターネットを使った選挙運動が初めて解禁された。中には支持者も巻き込んだ批判合戦や、ネガティブキャンペーンとみられる運動も展開されたが、どれだけ得票に結びついたかは不明だ。

 ◇批判合戦

 20人が乱立した東京選挙区(改選数5)では、IT通として知られる民主の鈴木寛氏(49)と、ツイッターなどの積極活用で支持を広げた無所属の山本太郎氏(38)の陣営や支持者が、ネット上で激しい批判合戦を繰り広げた。

 きっかけは選挙戦中盤の14日に鈴木氏が演説中に殴られた事件。鈴木氏はフェイスブックで経緯を公表したが、この中で鈴木氏の副文部科学相時代の震災対応などを攻撃していた山本氏の街頭演説を示唆し「つくり話」「人として悲しい」などと書き込んだ。支持者も同調するような書き込みをした。

 一方、山本氏側は「勝手連」を名乗る人物らが鈴木氏が殴られた事件を「狂言か自作自演の類い」などとツイッターに投稿し、互いの批判が拡散。終盤はネット掲示板に山本氏への「殺害予告」も書き込まれる事態に発展した。

 選挙結果は明暗が分かれ、初当選した山本氏はネットについて「後押しはしてくれたが、それがすべてではない。(鈴木氏陣営とは)普通の論争の規模は超えていたと思うけれど、特別なものではない」と語った。3選を阻まれた鈴木氏は選挙のネット解禁を「国民が社会や将来を議論するきっかけになった」と肯定的に振り返った。【竹内良和、神足俊輔】

 ◇フォロワー激増

 緑の党の比例代表候補で音楽家の三宅洋平氏(34)はネットを活用した独自の選挙戦を展開、ネット上で話題になったが議席獲得はならなかった。

 街頭演説はほとんど行わず、ネットで告知した街頭ライブ「選挙フェス」を全国約20カ所で開催。若者を中心に支持が広がり、ツイッターのフォロワーは選挙期間中に約1万2000人から約3万7500人に増えた。

 21日夜は東京・代官山のクラブでファンや支持者数十人と結果を待った。会場は終始お祭りムードとなり、三宅氏は「当選するしないに関わらず、既存政党に対抗できる政治勢力ができた。僕らの政治活動は始まったばかり」と話した。【袴田貴行】

 ◇再生回数3万回

 千葉選挙区で初当選した自民新人で前八千代市長の豊田俊郎氏(60)は動画サイト「ユーチューブ」に独自制作した寸劇や歌などを投稿し、若年層へのアピールを狙った。

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