これは面白い記事!木暮太一さんの指摘です。
誠 Biz.ID:ずっと「安月給」の人の思考法:会社が「社員食堂をタダ」にする本当の理由 (2/2)
成果=給料、ではない
日本企業のサラリーマンの給料体系について。
「がんばって成果を上げれば給料が上がる」というのは幻想です。「成果を上げても、どうせ無駄」ということではなく、「成果を上げる=給料が上がる」という仕組みではないことを知ってほしいのです。
現実に、日本企業において給料の金額を決める要素の中で「個々の従業員が出した成果」はわずか4.1%しかありません。単純計算で、社内で最も成果を上げている人が+4.1%、最も成果を上げていない人が-4.1%と考えると、できる人とできない人とでは、8.2%しか給料が変わらないことになります。
仮にその会社の平均月収を40万円とするならば、一番できる人が41万6400円、一番できない人が38万3600円です。差額はわずか3万2800円。この金額を見ると、感覚的にも合っているのではないでしょうか? これが給料のルールなのです。
まさに、これは大変実感と合っています。ぼくが在籍していた大企業では、賃金テーブルがかなり固定化されていたので、成果よりも、むしろ年齢の方が影響が大きかったですね。頑張っている社員より、年上の社員の方が給料が高い。それが普通。
ぼくがいた当時、20代で年収500万円もらっている社員は、1,000人以上いる社員のなかで、誰もいなかったのではないかと思われます。早いと30前半で「担当」から「主任」になり、年収500万円程度に上がりますが、それまでは年収300万円程度、昇給はほとんどありません。
今はどうなっているかわかりませんが、誇張ではなく、20代のうちは「どれだけ頑張っても給料が上がらない」仕組みになっていました。入社して賃金テーブルを見て、「あと10年以上、この年収なのか…」と絶望した気分になったことを覚えています。
その後、社員規模20人程度のベンチャーに転職しましたが、そこでもやはり「頑張っただけ給料が上がる」というわけではありませんでした。1,000万円の仕事を一人でこなしても、入ってくるのは年俸で決まった300万円のみ。ボーナスで多少反映されますが、数十万円の話です。ぶっちゃけると、「これだったら自分でクライアント見つけて、小規模でやった方が収入よくないか…?」と思ってしまったのも、フリーランスになった理由の一つです(実際、収入と利益率はかなり改善されました)。
というわけで、個人的経験から言っても、サラリーマンという仕組みに乗っている以上、まさに「がんばって成果を上げれば給料が上がる」というのは幻想です。外資系の会社についてはわかりませんが、特に日本的な大企業においては、これは間違いなくいえることでしょう。20代でいくら頑張っても、給料上がらないですよ。
その点、フリーランスは文字通り「がんばって成果を上げれば給料が上がる」ので、実に気持ちがいいです。
もっとも裏を返せば「いくら頑張っても成果が上がらなければ食っていけない」「サボったらサボった分だけ、収入が下がる」ので、サラリーマンに比べるとかなり厳しいのも事実です。
サラリーマンというのは、「月給と安定した雇用」の代わりに、「成果報酬」を捨てる働き方ともいえるでしょう。なかなか気づけないかもしれませんが、「がんばって成果を上げても、給料が上がらない」代わりに、サラリーマンたちはしっかりと「安定」というメリットを得ているのです。まぁ、成果が給料に反映されないのは仕方ないことでしょう。
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