7月23日の米国マーケットサマリー:S&P500種とドルは下落
7月23日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3225 1.3186 ドル/円 99.45 99.67 ユーロ/円 131.52 131.42 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,567.74 +22.19 +.1% S&P500種 1,692.39 -3.14 -.2% ナスダック総合指数 3,579.27 -21.12 -.6% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .31% +.01 米国債10年物 2.50% +.02 米国債30年物 3.58% +.03 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,335.20 -2.10 -.16% 原油先物 (ドル/バレル) 107.13 +.19 +.18%◎NY外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨の過半数に対して下落。リッチモンド地区の製造業景況指数が市場予想に反して低下したことで、当局が債券購入プログラム縮小を先送りするとの見方が強まった。
円は対ドルで下げていたが、上昇に転じた。米住宅価格指数の伸びが市場予想を下回ったことが手掛かり。5日に発表された雇用統計で予想を上回る雇用者の伸びが示されたものの、その後公表された住宅着工件数や中古住宅販売は市場予想に反し減少している。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は先週、上院銀行委員会の公聴会で発言し、9月に緩和縮小が開始されるのかどうか「判断するのは時期尚早だ」と述べた。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の為替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は電話取材で、「雇用関連を除き、指標は経済活動の弱さを示唆している」とし、「データの軟化がやや目に付くことや、緩和縮小観測の後退から、短期的に重要なのはポジションの解消だ」と述べた。
ニューヨーク時間午後3時16分現在、ドルは対ユーロで0.3%安の1ユーロ1.3226ドル。一時1.3239ドルと、6月21日以来の安値を付けた。また0.2%上げる場面もあった。対円では0.2%下げて1ドル=99円46銭。一時0.5%高の100円18銭を付ける場面もあった。円は対ユーロで0.1%下げて1ユーロ=131円54銭。
◎米国株式市場23日の米国株市場ではS&P500種 株価指数が反落。前日までは4営業日連続で上昇していた。この日は米金融当局による緩和策縮小時期の観測のほか企業決算も材料視された。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比0.2%安の1692.39。ダウ工業株30種平均は24.79ドル(0.2%)高の15567.74ドル。
ワッデル・アンド・リード・インベストメント・マネジメントのハンク・ハーマン最高経営責任者(CEO)は「企業の売上高が精彩を欠き、利益も売上高に比べれば若干良好という程度のようだ」と述べ、「市場は米金融当局の緩和策縮小をめぐる混乱期を乗り越えた。今は企業のファンダメンタルズに注目している」と続けた。
◎米国債市場米国債相場は3営業日ぶりに下落。この日行われた2年債入札(350億ドル)では応札倍率が過去10回の平均に満たなかった。米金融当局による資産購入プログラムが終了に近づきつつあるとの見方が背景にある。
投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.08倍。過去10回の平均値3.54倍を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が月850億ドル(約8兆4600億円)の債券購入 規模を9月に縮小し始めると予想するエコノミストが増えている。ブルームバーグの調査で明らかになった。米財務省は24日に5年債350億ドル、7年債290億ドルの入札を予定している。
三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏は「緩和は縮小されるという事実を市場はあらためて受け入れつつある」と指摘。「10年債利回りで2.50%は納得のいく水準だと市場は判断した」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時19分現在、10年債 利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.51%。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は7/32下げて93 14/32。
既発2年債の利回りは1bp上昇の0.31%。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は反落。世界最大の金消費国であるインドが金の輸入規制を強化したことが背景。前日は一時1カ月ぶり高値をつけていた。
インド準備銀行(中央銀行)は前日、過去最高水準にある経常赤字を抑制するため輸入した金の20%を宝飾品として輸出することを業者に義務付ける新規則を発表した。インドは今年に入って金の輸入関税を2倍の8%に引き上げている。同国の宝飾業団体によれば、今年下期の金輸入は63%減の175トンとなる可能性がある。
スタンダード・バンクの商品ストラテジスト、マーク・グラウンド氏は電話インタビューで、「インドの輸入規制は現物需要に新たな一撃を加えた」と指摘。「金は下落しやすい状況が続いている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.2%安の1オンス=1335.20ドルで終了。前日は一時3.6%高の1340.50ドルと、中心限月としては6月20日以来の高値をつけた。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は上昇。中国政府が7%以上の成長を達成させる意向を示唆したとの報道や、ドルの対ユーロでの値下がりが手掛かりとなった。
李克強首相率いる中国政府は7%成長を景気減速下で容認できる最低ラインと見なしている、と複数の中国メディアが報じた。ドルは対ユーロで1カ月ぶり安値に下落。またブルームバーグの調査では、24日発表される原油在庫は半年ぶり低水準への減少が予想されている。
プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケットアナリスト、フィル・フリン氏は「中国は7%成長を確実に達成する見通しで、原油相場には支援材料だ」としたほか、「現在は多くの取引がドルに関連しているように思われる」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比29セント(0.27%)高の1バレル=107.23ドルで終了。相場は今月に入ってから11%、年初来では17%値上がりしている。
更新日時: 2013/07/24 05:42 JST