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汚染水海洋流出に漁業者怒り噴出 いわきで東電が説明会
 | 東電の説明に漁業者の批判が相次いだ説明会=23日、いわき市 |
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福島第1原発の井戸水から高濃度放射性物質が検出された問題で、東京電力は23日、汚染水が海に流れ出たことを漁業者に報告する説明会をいわき市で開いた。海洋流出を否定し続けた姿勢を一転させ、流出を認めた。漁業者から「不誠実で信用できない」と批判や怒りが噴き出た。 「前から知っていたのではないか」「発表と実態が懸け離れている」。説明会で事情説明する東電の新妻常正常務に、出席した漁業者が怒りをあらわにした。 原発事故で福島県沖は休漁が続く。福島県いわき市漁協は9月、試験操業を始める予定だった。矢吹正一組合長は「汚染水の海洋流出は操業の壁になる。今の状態なら99%やらない方がいい」と述べ、見直す考えを示唆した。 東電は原子力規制委員会から10日に汚染水の海洋流出を疑う指摘を受けたにもかかわらず、流出を認めなかった。社内の情報共有が不十分だったせいで事実誤認だったことが分かり、22日に流出を認めた。 県漁連の野崎哲会長は「これまでの説明と違い、ショックだ。原発事故収束宣言の撤回を国に要請するかどうかを検討する」と危機感を示した。 福島県相馬市の相馬双葉漁協は先行的に試験操業を実施している。「汚染水の海洋流出の可能性」が報じられた今月中旬から風評被害を受け、1キロ約1000円だった県外出荷の煮ダコが一部で半値近くに値崩れした。中京圏の流通業界の反応が厳しく、「福島県産のタコは半値でも売れない」と言われている。 相馬原釜魚市場買受人協同組合(相馬市)の佐藤喜成組合長は「消費者の不安が広がれば、販売が立ちゆかなくなる。国と東電は対策に全力を挙げてほしい」と注文する。 県は23日、緊急幹部会議を開いた。佐藤雄平知事は「原発事故から2年4カ月、東電に何度も汚染水対策の徹底を申し入れたが、周知されずがっかりしている」と表情を曇らせた。 内堀雅雄副知事は「最悪を予測して先手先手で対応するのが原子力事故の基本なのに、実行されていない」と批判した。
2013年07月24日水曜日
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