【NQNニューヨーク=横内理恵】(NYSE、コード@UPS/U)物流大手の米UPSが23日発表した2013年4~6月期決算は純利益が前年同期比4%減の10億7100万ドル(約1060億円)だった。売上高は増えたが、顧客が低料金のサービスに流れたため利益率が低下。コスト増を補えなかった。
売上高は1%増の135億700万ドル。貨物の取扱数量は2%増えた。主力の米国の国内輸送部門の売上高は2%増。インターネット通販拡大が陸上輸送の増加に貢献したものの、急送便は不調だった。労使交渉の遅れが輸送量の伸びを抑えた面もあった。海外部門の売上高は2%弱増えた。取扱量は5%増えたが、価格の高い国際配送などが振るわなかった。企業間の物流が減少したため、法人向けサプライチェーン部門も不振だった。
スコット・デービス最高経営責任者(CEO)は「市場環境や顧客による(低価格サービスの)選択が物流や国際配送の業績に影響した」と指摘した。
年金関連費用の計上もあり、売上高営業利益率が13.4%から12.9%に低下。1株利益は1.13ドルと市場予想に一致した。
2013年12月期通期の1株利益見通しは4.65~4.85ドル、12年12月期と比べて3~7%の増益になるとの見通しを据え置いた。
同社はすでに12日、4~6月期や12月期通期の業績下方修正を発表していた。顧客が低価格のサービスに流れているほか米景気の成長鈍化などが背景。年後半にかけても4~6月期と同様の事業環境が続くとみている。
23日のUPS株は小動き。低調な業績はすでに織り込まれていたといい、売りは膨らまなかった。悪材料出尽くし感からの買いで小幅高に転じる場面もあった。前日比0.10ドル(0.1%)安の87.51ドルで通常取引を終えた。
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