【NQNニューヨーク=古江敦子】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、3営業日ぶりに過去最高値を更新した。終値は前日比22ドル19セント(0.1%)高の1万5567ドル74セント。朝方に四半期決算を発表した航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズが上昇し、指数を押し上げた。ただ、相場が高値圏にあることから一段と買い進む投資家は乏しく、上値は重かった。
ユナイテッド・テクノロジーズの4~6月期決算は本業の好調が奏功し、増収増益となった。明るい収益見通しを示したこともあり、株価は約3%上昇。1銘柄でダウ平均を約23ドル押し上げた。
ただ、相場全体の上昇の勢いは限られた。今週は航空機のボーイングや建設機械のキャタピラーなど有力企業の決算発表が続く。内容を見極めたいとして買い手控えムードが一部で漂った。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比21.12ポイント(0.6%)安の3579.27で終了した。機関投資家が運用指標として重視するS&P500種株価指数は5営業日ぶりに反落し、同3.14ポイント(0.2%)安の1692.39で終えた。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「電気通信サービス」や「公益事業」など4業種が上昇し、「IT(情報技術)」や「ヘルスケア」などが下落した。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約6億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約15億7000万株(同)だった。
個別銘柄では小売り世界最大手のウォルマート・ストアーズや航空機のボーイング、ITのヒューレット・パッカード(HP)などが上昇した。業績見通しが楽観的と受け止められた半導体のテキサス・インスツルメンツ(TI)も上げた。
一方、デュポンが小幅に下げた。四半期決算は特別項目を除く1株利益が市場予想を上回り、買いが先行したが、13年ぶりの高値圏にあったため利益確定目的の売りに押された。
保険のトラベラーズは大幅安。決算は大幅な増益となったが、個人向け部門が振るわなかったことが嫌気された。ネットワーク機器のシスコシステムズも安い。セキュリティー対策ソフトを手掛ける企業の買収を発表したが、株価の反応は乏しかった。減益決算を発表した物流大手のUPSも下げた。
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