【堺からのアピール】教育基本条例を撤回せよ

カテゴリ : 湯浅誠 を含む記事

(湯浅誠さんのfacebookへの投稿を転載させていただきました)

死に物狂いで一票を奪い合うのが選挙というものだと言えば、そうなんだろうと思う。

だから、複数の候補が当落線上で競っているとなれば、いかに相手がひどいヤツかというネガティブキャンペーンが展開されても、それに一々うんざりしていては、「選挙というものがわかっていない、ナイーブなヤツ」と一蹴されるのかもしれない。

しかし、やれあいつは情報を隠蔽しただの、あいつは中核派だのと、相手を貶めるための情報が錯綜し、
...
あげくの果てに、おまえはどっちの味方なんだという非難がましいメッセージが来るに及んでは、

正直、何やってんだよ、その外から見たら、どう見えるか、考えてみようよ、と思わざるをえない。

鈴木寛が、文科行政において、他の議員ではできない業績を残したことは尊敬すべきだし、
山本太郎が、原発事故以降、それまでのキャリアをなげうってやっている姿も尊敬すべきだと思う。

私が東京選挙区で5人を選べるなら、この2人は入れるだろう。
ただ、埼玉県民である私に東京選挙区の選挙権はない。
だから、オススメすることしかできない。
そして、鈴木寛からは依頼があり、山本太郎からは依頼がなかった

その2人が当落線上で競っていると伝えられている。
双方の支持者は、支持する者をなんとか受からせたいと思い、それがゆえに他方に国会議員の資格はないと喧伝する。

それは選挙戦術上は、正しい戦術なんだと思う。
すでに固まった票はあきらめる。迷っている票を取り込みたい。そのためには、相手がダメなヤツだと証明したい。
なんとかこの人に国会に行って欲しいと思えば思うほど、その行動は「正義」だ。

しかし他方、私たちはそういう足の引っ張り合いみたいな政治にうんざりして、「別の政治」を求めているのではなかったか。
その「別の政治」を実現するために、同じようなことを選挙戦で繰り広げる。
それは「別の政治」を実現することになるんだろうか?
うんざりしている当の者に、自分がなってしまってはいないか。

有為な人材が、これだから選挙になんか出たくない、と思うようになればなるほど、日本の政治は劣化していく。
その責任は誰がとるんだろう?
また、「それはおれのせいじゃない。あいつのせいだ」と、また犯人探しをするんだろうか。
いつまでそれを続けるんだろう?

いま、野球で言えば、右中間から左中間までが広く空いている。
そこを占める政治勢力が、それを求める人々の「受け皿」として希求されている。
そのためには、幅広い人材が必要だ。
先の衆院選でも、今回の参院選でも、同じような問題意識が語られ、そして実現しなかった。
それが誰を利するのか、結果はもうあらゆる世論調査で示唆されている。

それは、私も含め、願いながら実現できなかったすべての人間の責任だ。

せめて、結果が出た後は、しこりを残さず、より大きな文脈を見据えてもらいたい。
せめて、せめて、と願う。
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フライヤーのダウンロードはこちらから

“生きる”ことがとてもつらい社会。格差が拡がり、貧困が深刻さを増し、結婚や子育てもままならない。だのに、いや、だからこそ人びとは、民主主義の面倒くささをスッ飛ばす政治に期待を寄せ始めているように見えます。そんなきわどい状況に私たちはどう向き合っていくのか。七夕の日、湯浅誠さんに“生きる”むずかしさと憲法について語ってもらいます。
 
 この講座を成功させるための協力者を募っています。
 フライヤーを周りの知り合いに配って参加を呼びかけたり、参加協力チケットを事前に販売していただくことです。1枚からでも結構です。
 ご連絡をお待ちしています。
 FAX:072-242-6315
 Mail:QYD04504@nifty.com
9条第14回_湯浅誠OL[4]




































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生活保護減:一般低所得者に影響 就学援助打ち切りも
毎日新聞 2013年01月27日 21時54分(最終更新 01月28日 01時36分)
http://mainichi.jp/select/news/20130128k0000m010058000c.html

 日常生活費分の生活保護費「生活扶助」が、3年で7.3%減らされることが決まった。影響は受給者だけでなく、一般低所得層にも及ぶ。各種給付金や負担軽減を受けられる所得基準は、多くが生活保護の水準を参考に決められているからだ。田村憲久厚生労働相は27日、他制度への影響を和らげる意向を示したものの、内容はまだ見えてこない。【遠藤拓、鈴木直】

 ◇最低賃金上げ、難しく 「整合性」の大義失われ

 「生活保護の切り下げが影響するなんて」。東京都内に住む40歳代の女性は、中学3年生の次男分として受けている年十数万円の就学援助がなくなるかもしれないと知り、ため息をついた。家計は次男の週1500円程度の交通費にも圧迫されるのに「もっと切り詰めることになるのか」との不安が頭をよぎる。


 就学援助は家計の苦しい世帯に小中学校の学用品代などを支給する制度だ。11年度の受給者は95年度(約77万人)の2倍、156万人超。対象者について多くの自治体は「所得が生活保護の基準より10%多い世帯まで」など生活保護を基準に決めている。つまり、生活保護が下がると打ち切られる世帯が出てくる。民主党政権で内閣府参与を務めた湯浅誠氏によると、生活扶助の1割減で3万〜7万人が就学援助を受けられなくなるという。


 困窮者の子どもが再び貧困に陥る「貧困の連鎖」も指摘される。「全国学校事務職員制度研究会」代表の竹山トシエさん(66)は「就学援助を受けずに親が借金を重ね、子供が不登校になることもある」と懸念する。


 生活保護基準の引き下げは最低賃金にも影響する。最低賃金法は「生活保護との整合性に配慮する」と定めているからだ。本来は最低賃金が生活保護費より低い地域の賃上げを促すための規定だが、生活保護費が下がれば賃上げの「大義名分」が失われかねない。


 時給換算で849円の最低賃金に対し、保護費は854円−−。最低賃金より保護費が高い「逆転」が生じている6都道府県の一つ、神奈川県。横浜市でアルバイトをかけもちする女性(25)は「今は若さで乗り切っているが、10年後も続ける自信はない」。収入は月15万円前後で蓄えもない。最低賃金を1000円以上にするよう国に求める訴訟を起こした原告の一人だ。


 昭和女子大の木下武男特任教授(労働社会学)は「非正規雇用労働者の多くは収入が生活保護と同水準かそれ以下。生活保護を切り下げて最低賃金との整合性を取るのはおかしい」と話す。


 04年度の保護費減額時は住民税を払わねばならない世帯の所得基準も下がった。非課税世帯は推計約3100万人おり、税の免除を受けられなくなる人が多数出かねない。


 さらに、各種保険料、医療費などの負担軽減措置の多くは課税基準に連動している。新たに課税され、医療費や保育料も増える人が出てくる。ただし、市町村の国民健康保険は課税基準と連動させないことを決めたため、「影響はない」(厚労省国民健康保険課)という。

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■□■市民社会フォーラム第93回例会のご案内■□■
    シリーズ企画《橋下旋風》考⑧
    保守思想から“橋下旋風”を観る

日 時 12月4日(火)18:30~20:30(開場18:00)
会 場 伊藤塾大阪梅田校4階401教室
講 師 中島 岳志さん(北海道大学准教授)
ゲスト 湯浅 誠さん(社会運動家)
参加協力費(資料代等) 1,000円/無職・非正規・学生500円

1130
 橋下徹氏こそ「保守派の敵である」と、保守思想の立場から批判的論陣をはっている中島岳志さんに、“橋下旋風”をどのように観てどのように克服するかについてお話しいただきます。
 ゲストの湯浅誠さんには、NPO「AIBO」の取り組みについて報告いただきます。

中島岳志(なかじま たけし)さん
 1975年生まれ。北海道大学准教授。専門は、南アジア地域研究、近代政治思想史。
「表現者」と「週刊金曜日」の編集委員を務めるなど、
思想を超えて幅広い論者やメディアとの交流を行なっている。

【伊藤塾大阪梅田校】
http://www.itojuku.co.jp/keitai/umeda/access/index.html
 530-0017 大阪市北区角田町1-12 阪急ファイブアネックス4F
阪急梅田駅2分、JR大阪駅・地下鉄御堂筋線梅田駅5分
橋下旋風
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(「堺からのアピール」賛同人で、高校教員・航薫平わたり・くんぺい〕さんから論考が寄せられましたので、ご紹介します)

維新公約「最低賃金制の廃止」
――ただでさえ違法横行なのに、法律まで守ってくれなくなったら。



  どうすれば高校生たちに 「オオカミの群れ(=社会)に裸で放り込まないで、肌着1枚身につけさせ(by湯浅誠さん)」られるか、ということで、法律家の方々とコラボで「使える労働法」を教えています。

航薫平『えーっ!バイト高校生も有給休暇とれるンだって!』
(発行 フォーラム・A 1200円(税込み))













 


  このたび、維新の公約に「最低賃金制の廃止」が盛り込まれました。

これ、目的は「雇用を増やすため」としているが、「ブラック企業を増やす」ことになりかねない。

 


 今でさえ、高校生バイトの世界では、

 


「研修・試用期間だから」

「ウチの会社はいまは赤字だから」

 


  などと言った理由で、最低賃金以下の労働がまかり通っています。

ひどいところでは、堂々と「ウチは労基法適用外の会社だ」と言って違法状態でバイトを雇っている(もちろん、雇用契約書などなしで)。

 


  高校生たちからききとりをすると、時給800円(=現在の大阪府の最低賃金)の職場の多いこと多いこと。

いまはかろうじて法に守られているけど、最低賃金制が廃止になると、おそらくこのうち多くの会社では時給が下がるだろう。

 


  高校生たちは「ウチの会社はこうなってる」「不況だから今はこうなってる」と言われれば、「そういうものなんだ」と思わされてしまいます。


  「パート・アルバイトでも有休が取れる」ことは、経営者だけでなく、「知識人」と呼ばれる方でもご存じない方も多くおられます。

(「時給で働いてるのに有給休暇なんてあるはずないやろ!」が通用している)

 


 「最低賃金以下は違法」「バイトでも有給休暇は取れる」「変だと思ったら組合がある」「労基署に行くにはどうすれば?」など、弱い立場のなか、強弁されてムチャクチャな条件で働いている高校生たちの諸権利を、当の高校生だけでなくすべての方に――これからも微力ですが、できることをやりたいと思っています。

 


 「負の所得税」制度も含めた維新公約を議論のきっかけとして、逆に、いまも知られていない現行労働法やバイト高校生の実態を広める機会にできないか、と思案中です。

 


(PS)高校生たちと「できるだけ人間関係を崩さずに職場で法律を通用させるか」に取り組んできた内容を、「実話をもとにしたノベライズ&コミック」本にしました。

自著紹介で恐縮ですが、ご笑覧いただければありがたいです。

 


(各紙で紹介いただきました。ありがとうございます)



○大阪日日新聞

法律知り労働者救おう 府内の高校教師が新刊



 労働法で保障された正当な権利が無視される現況に警鐘を鳴らそうと、府内の高校教師で作家の航薫平(わたりくんぺい)さん=旭区新森2=が新刊書『えーっ!バイト高校生も有給休暇とれるンだって!』を発行した。大阪府内の高校で社会科や総合学習などの時間で学んだ労働法を、実話をもとにしたコミック小説。法律を武器に労働問題を解決するストーリーにまとめている。

有給休暇編「バイトのヒーロー」▽最低賃金編「竹まっちゃんを救え」▽名ばかり管理職編「店長さんってどうよ」の3章で構成。(以下下記)



http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/120908/20120908041.html




○産経新聞

志ある若者へのエール



「ええっ!このお店休んでもお給料もらえるの!」「半年働いたらとかいくつか条件はあるけどね」――。

 店長と学生アルバイトのこんな会話で始まる学生向けの労働問題解決本「えーっ!バイト高校生も有給休暇取れるンだって!」(四六版 1200円)を出版。実話がベースでリアリティあふれる内容が学生らに共感を呼んでいる。(以下下記)

http://foruma.co.jp/wp-content/uploads/2012/11/375e2670cea62b73634e99fac3532719.jpg





○朝日新聞

バイトの権利、マンガで解説 府立高教諭が手引書 



えーっ! バイト高校生も有給休暇とれるンだって!――こんなタイトルの本を、府立高校の先生が出版した。雇用契約書の詳しい見方や職場での理不尽な要求への対処法などを、漫画を織り交ぜて易しく解説。すべて、実話をモデルにした内容だ。(以下下記)

http://book.asahi.com/booknews/update/2012110800012.html



 



 


 


 


 


 


 



 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

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おばちゃん党
おばちゃん党ura
おばちゃん

全日本おばちゃん党:オッサン政治にツッコミ ネットで賛同800人「しっかり監視」
毎日新聞 2012年11月22日 大阪夕刊
http://mainichi.jp/area/news/20121122ddf001040009000c.html


 台所事情を圧迫する消費増税や山積する福祉の課題−−。衆院選に向け、大阪のおばちゃんたちで作るグループがネット上で「政党」を立ち上げ、動き始めた。その名も「全日本おばちゃん党」。23日に大阪市内で始動式を開き、おばちゃん目線で政治に活を入れる。


 「オッサンくさい政治はもう飽きた。おばちゃん党でも作ったろか」

 今年9月、民主党代表選と自民党総裁選に立った顔ぶれを見て、大阪国際大准教授の谷口真由美さん(37)=国際人権法=が交流サイト「フェイスブック」でつぶやいた。「ええやん」「おもしろいやん」。すぐに反響が寄せられ、「全日本おばちゃん党」をフェイスブック上に「シャレで」(谷口さん)作ったところ、約2カ月間で800人近い賛同者が集まった。


 主婦や会社員、ジャーナリストから医者まで職業はさまざまだが、「党員」は全員女性。消費増税に対しては「景気が疲弊している今せなあかん?」「社会保障はどこいったん?」。保育や介護は「誰がしんどい思いしてんねん。おばちゃんばっかりや」と手厳しい。3児の母で「党員」の大前ちなみさん(41)=大阪市都島区=は「3年前は民主党に期待したが、生活が良くなった実感はない。家計を預かるおばちゃんの声が政治に届いていない」と話す。フェイスブック上での議論は、女性の社会進出や原発問題にまで及ぶ。


 谷口さんは現在の政治状況を「マッチョ的で旧来の古い体質に回帰している」とみる。政治家が公然とナショナリズムをあおり、近隣諸国からは「日本の右傾化」を警戒する声も。徴兵制導入を懸念し、「子どもを戦争に行かせたくない」と不安視する声も寄せられたという。谷口さんは「『難しいからよう分からん』ではなく、当事者意識を持って政治に参加しないとだめ。勉強会などでおばちゃんのボトムアップを図り、政治家をしっかりと監視していきたい」と話す。


 始動式は23日午後2時、大阪市浪速区稲荷2の区民センターで。元内閣府参与の湯浅誠氏が総合司会を務め、谷口さんらが政治や福祉の課題を討論。入場無料。来場者に「アメちゃん」のプレゼントも。問い合わせはメールで同党(ajop.oba@gmail.com)へ。【重石岳史】

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(元大阪市教育委員長の池田知隆さんから寄せられたご案内を紹介させていただきます)


湯浅誠サロン01

会場の地図は


Wikipediaから

湯浅 誠(ゆあさ まこと、1969年 - )は、日本の社会運動家である。自立生活サポートセンター・もやい事務局長・反貧困ネットワーク事務局長。元内閣府参与(緊急雇用対策本部貧困・困窮者支援チーム事務局長、内閣官房震災ボランティア連携室長、内閣官房社会的包摂推進室長)。
2008年(平成20年)末に東京・日比谷公園で行われたイベント、『年越し派遣村』の”村長”としても知られる。


東京都小平市出身。私立武蔵高等学校を経て、東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科修了。
2008年(平成20年)には『年越し派遣村』の「村長」として、さらに民主党が政権を得た後の2010年(平成22年)には内閣参与に就任してマスメディアに取り上げられ、広く知られるようになった。一方、湯浅本人や諸活動に対する評価は別れ、湯浅らは激しいバッシングを受けているとしている[1]。


生い立ち

1969年(昭和44年)、新聞社勤務の父と小学校教諭の母の間に生まれる[2]。私立武蔵高等学校を卒業し、一浪後の1989年(平成元年)、東京大学教養学部文科I類に入学した。
児童養護施設のボランティアや映画鑑賞にのめりこんで授業にはあまり出席していなかったが、5回生の夏に一念発起し学者を志して勉学に集中、一時的にボランティア活動から離れた。1995年(平成7年)に東京大学法学部を卒業すると、いったんは他大学の大学院に籍を置いた。

大学院時代
1996年(平成8年)、東京大学大学院の法学政治学研究科に入学、日本思想史の研究を行った。
大学院在学中の2000年(平成12年)、炊き出しの米を集める「フードバンク」を設立。翌2002年(平成14年)には、ホームレスを支援する「自立生活サポートセンター・もやい」設立した。
この間湯浅は社会活動と大学院での研究を並行して行っていたが、父の死などをきっかけに、2003年(平成15年)に単位取得退学より社会活動に専念するようになった。「もやい」事務局長職は無給であり、大学院を辞めてからは毎月数万円で生活していたが、『貧困襲来』発表後、講演会などの収入で多少は持ち直したという[3]。

大学院退学後から年越し派遣村まで

2003年(平成15年)、便利屋「アジア・ワーカーズ・ネットワーク」設立。
2007年(平成19年)、「反貧困ネットワーク」結成を呼びかける。時の特命担当大臣・竹中平蔵の発言「日本に絶対的な意味での貧困は存在しない」に反論する論文を雑誌「賃金と社会保障」に掲載したことがきっかけで編集者に声をかけられ、同年7月山吹書店から『貧困襲来』を著す。
2008年(平成20年)10月、当時の首相・麻生太郎が、「30万円のスーツを着用している」、「趣味の射撃で大卒初任給の2倍の弾を使う」ことなどを理由に、東京都渋谷区にある麻生の自宅を見学するとして、ツアーと称した無許可デモを主催したが[4][5]、これは三人の逮捕者を出す事件となった。
同年12月、著書『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』により平和・協同ジャーナリスト基金賞大賞、大佛次郎論壇賞受賞。同月31日には、社会問題化したいわゆる「派遣切り」への緊急対策として、他のNPOと協力の上で日比谷公園に「年越し派遣村」を開設。“村長”として運営を取り仕切った。

民主党政権下での活動 [編集]
2009年(平成21年)10月、副総理兼国家戦略担当大臣(当時)菅直人に要請され、10月26日内閣府参与・緊急雇用対策本部貧困・困窮者支援チーム事務局長に就任[6][7]。
翌年2月には、内閣府参与を辞任したことが報じられたが[8]、実際にはこの時点では辞表は提出していたものの受理されておらず、慰留中という状態であった[9]。同年3月、辞表が受理されたことから、3月5日内閣府参与を正式に辞任[10]。しかしながら湯浅は直後の同年5月10日、内閣府参与として再任されている[11]。
湯浅は同年10月28日、京都市がホームレスが回収前の資源ごみから空き缶を持ち去って転売する行為を禁止する条例を可決すると、「野宿者が生活の糧とする空き缶回収の禁止は時代に逆行する動き。住民と野宿者の双方が納得できる形をつくることが行政の仕事」と条例の撤回を求めた[12]。
2011年(平成23年)3月16日、東北地方太平洋沖地震を受けて、被災地で活動するボランティアと連携し情報提供などを行う内閣官房震災ボランティア連携室長に就任[13]。
4月3日、内閣官房社会的包摂推進室が設置され、社会的包摂推進室長を併任となる。
2012年(平成24年)3月7日、関わった事業の実施にめどがついたため、内閣府参与を辞任[14]。

思想 - 理念と主張 - [編集]


「五重の排除」 [編集]
湯浅は自身の活動経験から、「元首相小泉純一郎による『聖域なき構造改革』以降の日本社会で顕在化した貧困に
おいて、個々の人間が貧困状況に追い込まれるプロセスには5つの排除構造が存在する」と主張している[15]。
教育課程からの排除
親世代が貧困状態である場合、その子供たちは多くの場合中卒あるいは高校中退で社会に出なければならず、社会的階層上昇(貧困脱出)のための技術や知識・学歴を獲得することが極めて難しい。この背景には、日本がOECD加盟諸国の中でも、学校教育費への公的支出のGDP比が下から2番目という、教育関係への公的支出が極端に少ない国であるという問題がある[16]。
企業福祉からの排除
非正規雇用の人々は、正規雇用の人々に与えられている雇用保険や社会保険、企業による福利厚生、安定した雇用などから排除されており、容易に貧困状態に滑り落ちてしまう。
家族福祉からの排除
低負担・低福祉である日本社会では、親族間の相互扶助が社会的転落を防ぐセーフティーネットとしての重要な役割を果たしているが、貧困状態に陥る人々はもともと頼れる家族・親族がいない(たとえば家族・親族もワーキングプアであるなど)ことが多い。
公的福祉からの排除
「ヤミの北九州方式(水際作戦)」に代表されるように、現在の日本では生活保護担当の公務員は、申請者をあれこれ理由を付けて追い返し、門前払いにすることばかりに力を入れており、いよいよ追い詰められた状況でも生活保護受給にたどりつけない者が非常に多い。湯浅は現在、生活保護受給資格があるにもかかわらず「水際作戦」などによって生活保護から排除されている人々(漏給と呼ばれる)を600万人から850万人と見積もっている[17](生活保護問題#水際作戦も参照)。
自分自身からの排除
上に述べた4つの社会的排除に直面した結果、自分自身の存在価値や将来への希望を見つけられなくなってしまう状態を言う。

「自己責任の過剰」 [編集]
湯浅は日本社会に特徴的な病理として「自己責任」論を厳しく批判する。湯浅によると、日本社会に蔓延する自己責任論は、自他の持つ社会資本の格差(親の所得格差、人脈の有無など本人の努力以外の部分で社会における有利不利を決定づけるもの)を見落としているという。またこうした自己責任論はいわゆる「負け組」の人々においても内面化されてしまっており、所持金が底を突きどうにもならなくなるまで「自己責任」で頑張り過ぎる者が非常に多いと湯浅は指摘している。「負け組」におけるこのような自己責任論の内面化の弊害として、より早い段階で各種の支援事業にアクセスすれば防げる事態の悪化(自己破産や一家離散、自殺、無理心中など)を湯浅は挙げている[18]。

自著
『あなたにもできる! 本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』 同文舘出版, 2005年8月, ISBN 4495568612
『貧困襲来』 山吹書店, 2007年7月, ISBN 4903295109
『反貧困 -「すべり台社会」からの脱出』 岩波新書/岩波書店, 2008年4月, ISBN 4004311241
『どんとこい、貧困!』 理論社, 2009年6月, ISBN 978-4652078464
『岩盤を穿つ』文藝春秋, 2009年11月, ISBN 978-4163719405
共著
『もうガマンできない! 広がる貧困』 宇都宮健児、猪股正共著, 明石書店, 2007年7月、ISBN 4750325848
『働けません。「働けません。」6つの“奥の手”』 日向咲嗣、吉田猫次郎、李尚昭、春日部蒼、しんぐるまざあず・ふぉーらむ共著, 三五館, 2007年12月, ISBN 4883204073
『1995年 未了の問題圏』 中西新太郎編, 雨宮処凛, 中島岳志, 栗田隆子, 杉田俊介共著, 大月書店, 2008年9月, ISBN 427233056X
『反貧困と派遣切り 派遣村がめざすもの』 福島みずほ共著, 七つ森書館, 2009年
『正社員が没落する -「貧困スパイラル」を止めろ!』 堤未果との共著, 角川oneテーマ21/角川書店, 2009年3月, ISBN 978-4-04-710179-1


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(ブログ『湯浅誠よりのお知らせ』より転載させていただきました)

■湯浅からのおしらせ

都知事選についてのコメント
(11月4日執筆、6日火曜日発行)

http://yuasamakoto.blogspot.com/

  この間、多くの方から、都知事選についてお問合せなどいただきました。ご推薦いただいた方もおられて光栄かつ恐縮でした。率直に申し上げて、今回の都知事選で私が「勝てる候補」などと言われるのは、ほとんど身の丈に合わない話と思わざるを得ないので、わざわざ態度表明するのもどうかと思っていました。しかし、新聞紙上でも取り沙汰されるようになり、沈黙していることによる不利益も生じかねない情勢になってきたことから、コメントしておきたいと思います。結論から申し上げると、出馬はしません。

  以下、この間の経緯や考えたことを書きます。


  1)大きな社会状況として、すでに数多くのご指摘があるように、橋下維新、石原新党とつづく世の中の流れには、私も危機感を持っています。石原さんが事実上の後継者として指名した猪瀬直樹さんが石原都政路線を引き継ぐのだとすると、また、出馬を取り沙汰されている東国原さんが橋下さんとの連携を示唆されているのだとすると、この間の流れも踏まえつつ、それに違和感を抱いている人たちの思いを集結させられる対抗馬の擁立(オルタナティブの提示)は必要だと、私も思います。

  2)ただし、1000万人を超える有権者を抱える巨大都市・東京都の知事は、広範な人々の利害を調整する官僚機構と良好な関係を保ち、企業から生活者を含めた多様な人々に共感を得る必要があります。イメージとしては、1000万人有権者を自分から近い順に一列に並べたときに、真ん中(500万人目)からちょっと先くらいの人たちに言葉を届けられるくらいの幅の広い陣容を組めるかどうかが重要に思います。

  3)では、それは誰か、となるのが選挙です。固有名が出ないことには選挙になりません。ただし、その前段階では「こういう人」というイメージが必要です。私のイメージは以下のようなものでした。


  ①原発事故以降、飛散する放射能や食の安全に対する不安は高まっています。それは社会運動や市民活動に参加したことのなかった人たちも抱いています。人によっては濃淡があって、人によっては漠然としてもいる不安感を抱く人たちが共感できる人が望ましい。上から降ろしたような脱原発・反原発ではなく、重要なのは「生活者としての共感でしょう。したがって生活者目線を(「生活者目線!」と訴えるだけでなく)体現している人が望ましい。
 
  ②加えて、グローバル化が進行する中、グローバルな競争関係にいかに対処するか、という知見も必要です。とりわけ巨大都市で一人勝ち状態の東京では、「東京が牽引役」と漠然と感じている人が多いと思われます。直線的なグローバル批判よりも、多様性(ダイバーシティ)、普遍性(ユニバーサル)をキーワードに、「グローバルとは競争の激烈化とイコールではない」「多様性と普遍性の尊重が発展と成長につながる」という主張を説得的に展開でき、それを体現するグローバルなキャリアを持った人が望ましい。

  ③石原新党や橋下維新の諸政策を「新自由主義」と断じる人たちは、どんな対抗馬でも票を入れる。しかしそれだけでは数十万票規模にしか達しないだろう。むしろ問題は「あのマッチョな感じについていけない」と肌感覚で違和感を抱いている人たちの共感を得られるかどうか。ソフト・柔軟・親しみといった対極的な諸要素を併せ持つ人が望ましい。

  ④知名度や実績は高ければ高いほどいい。ただ、仮にそれほどの高い実績や知名度がなくても、諸分野の専門家のバックアップや候補者に欠けているものを補う態勢の担保を選挙戦中から示すことで、知名度不足からくる不安感、不信感をできるかぎり払拭することは不可能ではない。
  その他、政党人でないことなど、さまざまな要素がありますが、ここでは割愛します。


  4)そのようなイメージから、私は今回、都知事選には「生活者としての立ち位置とグローバルなキャリアを併せ持ち、猪瀬さんや東国原さんとは対極的なキャラクターを持つ女性」が望ましいのではないかと考え、それに当たる人を探しました。幸い、お一人おられたので、11月頭に急遽お会いしてお話してみましたが、残念ながらお子さんが小さいことなどから固辞されました。この時点で、私にとってベストの候補はいなくなり、あとは誰がベターかという話に移りました。

  5)「勝つ」ことが困難でも、「勝てない可能性が高いが、オルタナティブを提示し、一定の票を獲得することで、異なる民意を示す価値のある選挙戦ができるか」という次元もあり得ます。理想的な形は作れなくても、意味のある選挙戦ができれば、それは都知事選に続く衆議院選挙、都議会議員選挙に向けて、オルタナティブを望む少なからぬ都民の存在を可視化できる(それは、都知事選を、次の総選挙で自分の政党の得票数増加に結びつけようといった個々の政党の思惑とは別のレベルの話として)。そのラインは、過去2回の選挙で次点候補が獲得した169万票だろうと思います。対戦候補によってはそれだけ取っても勝てないかもしれない。しかし、次点候補がそれ以上の票数を獲得したのは1975年以来ありません。オルタナティブを提示しつつ、それだけの票を獲得したとしたら、仮に選挙で勝つことができなくても、一定の民意を示したと言えるのではないか、と思います(もちろん「選挙なんだから勝たなくては意味がない」という言い方もありますが…)。

  6)そのためには、いわゆる「左派」系の政党を支持している人の数では到底足りません。それ以外の100万人近い人たちが支持してくれないと、その数には至りません。これは、投票する人たちの5人に1人という気の遠くなるような数です。現在の社会運動の広がり具合、浸透具合を冷静に見るかぎり、その人たちが仮に現在の石原新党、橋下維新といった流れに何らかの違和感を抱いているとしても、同時に社会運動や市民活動にも違和感や拒否感を抱いている可能性は少なくない。「どちらを選ぶか」と問われれば「まあ、どっちもどっちだろうけど、まだ前者のほうに実績と勢いと展望があるのではないか」「後者では、東京がどうなってしまうかわからず不安だ」と感じる人も少なくないのではないかと推測します。危ないのは「石原新党、橋下維新に違和感を抱いている人は少なくないはずだ」という点に重きを置きすぎて、「自分たちに違和感を抱いている人も少なくない」という点を軽視したり忘れてしまうことです。

  7)そうだとすると、目指すべき戦略は、①社会運動や市民活動に対する不安や不信感をいかに払拭し、②相手候補に対する違和感にいかに明確な言葉を提供できるか、ということになります。②は社会運動や市民活動が比較的ふだんからやっていることで、相対的な得意分野と言えるかもしれません。①は比較的ふだんから忘
れられがちなことで、相対的な不得意分野です。しかも①と②はバーター関係にあり、どちらかに偏りすぎると他方を失いますから(先鋭化すれば広がりを失い、広げすぎれば無原則となる)、両者が得票数最大化に向けて絶妙のバランスを取るように工夫する必要があります。それは容易なことではありません。選挙の事務局内でも「ここが均衡点」の判断は分かれるでしょう。容易ではないから、今まで勝てませんでした。そして、①が不得手で②が得意なのだとすれば、当面力を入れるべきは、当然不得意分野である必要があります。

  8)そのためには、自分たちにないものを補っていく布陣が必要です。実績不足については実績のある人を、不安に対しては安心感を与えられる人を、不信感に対しては自分たちと対極にいるような人でチームを構成し、応援団に配置できることが望ましい。もちろんそれも容易なことではありません。ないものを補ってくれるような人たちが、社会運動や市民活動に不安や不信感を抱いている可能性も少なくないからです。だからこそ、対話と調整の技法が必要です。それができなければ、結局選挙戦も広がりを欠くものになります。そして選挙が組織戦でもある以上、社会運動や市民活動に携わる一人ひとりがそれを身につけていかなければ、候補者だけにその広がりの獲得を期待しても、無理な話です。結局、草の根ベースで一人ひとりがそれをできるかどうかが、選挙でも問われることになります。その点は、社会運動や市民活動の日々の現場と変わりません。『ヒーローを待っていても世界は変わらない』ゆえんです。タテに突き抜けるような一点突破型の手法だけでいけるなら、そもそも苦労はありません。

  9)諸般の事情から、今回の都知事選で私自身がそれを担うことは不可能になりました。当初から自分自身についてはきわめて消極的でしたが、現在では完全にゼロです。「諸般の事情」については、いずれご説明する機会も来るかもしれませんが、いま詳細を述べることは差し控えます。ご了承いただければ幸いです。


  最後に、蛇足ながら一つだけ。11月4日の朝日新聞紙上(東京都版)で、私のことについて以下のように報じられています。「『失敗した。石原氏がここで辞めるなら、東京にいた』。10月末、立候補を求めにきた脱原発運動の関係者に漏らしたという」。これは事実無根か、またはかなりの歪曲があると思います。そもそもカギ括弧付の一人称で紹介されていますが、朝日新聞からこの発言を確認されたことはありません。「脱原発運動の関係者」という匿名の者からの伝聞を私の第一人称の発言として紹介するのは初歩的なルール違反ではないかと思います。そもそも大阪でも活動を始めた目的は、私にとっては上述した都知事選で焦点化されている課題と同根であり、石原氏が辞任するまで、このタイミングで辞任する可能性があることを予期していなかったことはうかつだったと思っていますが、大阪に来たことを「失敗だった」とは考えていません。この点、当日のシンポジウムの記録が残っているようですので、自分自身の正確な発言内容を確認した上で、朝日新聞に対して、しかるべき対応を取りたいと思います。

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10月31日、湯浅誠さんのAIBO事務局で、
大阪維新の会・府会議員の紀田馨さん、
ノンフィクションライター・北村年子さん、
大阪高生研・佐藤功さん
の3人の参加で
『学校協議会を考える』シンポが行われました。



【動画】AIBO チャンネルO

http://www.ustream.tv/recorded/26562377

で見られます(1時間32分17秒)。

このなかで、紀田さんが、

「学校協議会委員に生徒の代表を加えることは可能だ」
「委員の任命を校長が行うのなら、確かに校長の腹心ばかりで固めてしまうことが考えられる」

と語っておられます。



 


 


 


 


 


 

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安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』 中止に対する
ニコンへの抗議と呼びかけ
By shiori On 2012年10月24日
http://juju-project.net/1005kogiseimei/

10月5日に発表された抗議声明文を転載します。多くの方が賛同してくださいました。
皆様のご賛同に感謝致します。
安世鴻・重重プロジェクトメンバー

 

抗議声明
2012年10月5日

安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』中止に対するニコンへの抗議と呼びかけ


  2012年9月13日から19日まで、大阪ニコンサロンで開催される予定だった安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』が、ニコン側の一方的な通告によって中止となりました。

  これに対して、私たちは強く抗議の意思を表明します。


  ニコンサロンの選考委員会が審議した結果を受けて、開催することを承諾・決定・告知していた安世鴻氏の写真展示を、ニコン側が突如、一方的に中止した経緯は、写真家に対する写真展示はく奪行為であり、憲法で保障された「表現の自由」「言論の自由」を損なうものです。

  同写真展を中止する理由として、ニコン側が対外的に説明している「諸般の事情」「総合的な判断」等の理由は、同写真展主催者の安氏はもちろんのこと、あらゆる表現活動に携わる者としても、受け入れられるものではありません。

   一方、東京地裁へ提出したニコン側の答弁書の方では、安氏の写真展に対して、「同写真展が政治活動の一環」『政治性』を有することが明らか」など、ニコンは展示中止理由を主張しています。しかし、これらの主張は、突然の一方的な開催中止を説明する理由として、社会的に通用するものではありません。


 同じく中止通告された新宿ニコンサロンでの安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』は、東京地裁の仮処分決定(契約に基づく施設使用命令)によって開催されました(2012年6月26日~7月9日)。

 しかしニコン側は、「裁判所の決定に基づき、写真展会場を仮に使用させた」のみであり、それ以外の協力や対応はほとんど何も行いませんでした。

 ニコンは同写真展の告知も行わず、写真展会場ではニコン側は過度の警備を貫き、来場者は身体検査などの人権を侵害され、予定されていた安氏のトークなども中止しました。弁護士やニコンサロン職員を動員し、撮影・録音・監視を行っています。安氏自身もギャラリーでの撮影が許可されないほど、一切の取材・撮影をニコン側は禁止しました。

 写真展示史上、例を見ないこのような展示を終え、ニコンから通知・予定されていた大阪ニコンサロンでの同じ写真展(=アンコール展)を安氏は準備してきました。新宿ニコンサロンのような法的な拘束力でなく、ニコン自らが考えを改め自発的に正常な写真展を予定通り行ってほしいという思いで、安氏は仮処分を申し立てず、ニコンに対してこれまで要請し続けてきました。

 しかし、ニコンは回答を何度も拒否し、最終的に中止措置を強行しました。安世鴻氏に対する、ニコン側の突然の一方的な中止通告・措置は、世界的に著名な写真機器メーカー「Nikon」の名に背く行為です。写真家たちの表現の自由を抑圧し、写真を愛する人々に失望を与えています。ニコンサロン公式ホームページに記載された「写真文化の普及・向上を目的とする写真展示場」「多くの写真家・写真愛好家の方々に写真活動の場を提供してきました」ニコンの歴史と社会的責任を鑑みても、今回のような一方的な中止通告・措置は極めて不
当な行為と言わざるを得ません。


 安氏はニコン側に対して、中止を決めた本当の理由と経緯を明らかにすること、日時をあらためて同写真展を開催し、そして新宿ニコンサロンと大阪ニコンサロンでの対応や措置に対する公式な謝罪と損害賠償を行うこと、そして今回のような理由でもって、写真展を中止することが二度とないように努めることなどをこれまで要求しています。

 安氏に対してのみならず、社会的な責任ある対応と説明をニコン側が自発的に取ることを求めます。


 言うまでもなく、「言論・表現の自由」は民主主義社会の基盤です。多様な意見や主張を認めて、それぞれの表現行為への自由な批判・意見・論評が社会で流通されるためには、その表現をするための場と環境が不可欠です。これまでのニコン側の対応だけではなく、表現の場と環境を担う人たちが、いかなる圧力にも屈することのないように、様々な表現空間を守ることを強く望みます。

 また、暴力的や脅迫的な言動・行為や嫌がらせなどの“力”でもって、表現活動と機会を自粛や中止に追い込むような風潮を許容することはできません。この抗議声明は、ニコンに対してだけではなく、あらゆる主義・思想・信条・立場を超えて、この国で暮らすすべての人々にも呼びかけるものです。


【問い合わせ】アジアプレス大阪事務所
 電話 06-6224-3226   osaka@asiapress.org

【呼びかけ人代表】石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)樋口健二(写真家)原一男(映画監督・大阪芸術大学教授)篠田博之(月刊『創』編集長)綿井健陽(ジャーナリスト)


【呼びかけ人】
(50音順。2012年10月4日現在)
合田創(自由ジャーナリストクラブ事務局)/芥川仁(写真家)/飯田基晴(映画監督)/五十嵐二葉(弁護士)/池田香代子(翻訳家)/石井彰(放送作家)/石坂啓(漫画家)/石原秀子(アムネスティ会員)/伊田浩之(『週刊金曜日』企画委員)/井部正之(ジャーナリスト/アジアプレス)/岩崎貞明(『放送レポート』編集長)/宇井眞紀子(写真家)/魚住由紀(フリーアナウンサー)/宇田有三(フォトジャーナリスト)/大山一行(同時代ギャラリー主宰)/太田昌国(編集者)/大原雄(ジャーナリスト/日本ペンクラブ理事)/岡本厚(雑誌『世界』前編集長)/奥平康弘(憲法研究者)/郭辰雄(コリアNGOセンター代表理事)/小田桐誠(ジャーナリスト)/片山通夫(フォトジャーナリスト)/桂敬一(メディア研究者)/加藤武史(アンプラグド代表取締役/映画『ザ・コーヴ』配給)/香山リカ(精神科医)/川村潤(月刊『自然と人間』編集長)/北村肇(『週刊金曜日』発行人)/木野龍逸(ジャーナリスト)/ギャラリー古藤(田島和夫・大崎文子)/艸場よしみ(編集者)/粂川麻里生(慶應義塾大学教授)/栗原佳子(ジャーナリスト/新聞うずみ火副代表)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/坂上香(ドキュメンタリー映像作家)/坂田雅子(映画監督)/猿田佐世(弁護士)/柴田鉄治(ジャーナリスト)/ジャン・ユカーマン(映画監督)/張雲暉(映画『靖国』プロデューサー)/辛淑玉(人材育成コンサルタント)/鈴木邦男(一水会顧問)/鈴木祐太(市民)/砂川浩慶(大学教員)/高柳俊男(法政大学教員)/田島泰彦(上智大学教授)
/刀川和也(ドキュメンタリー映画監督)/谷上嶐(強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム事務局長)/谷野隆(アジェンダ・プロジェクト)/田場暁生(弁護士)/田原総一朗(ジャーナリスト)/田平正子(世界エスペラント協会代議員)/玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)/津田正夫(立命館大学教員)/戸田桂太(武蔵大学名誉教授)/永田浩三(ジャーナリスト)/中村梧郎(フォトジャーナリスト)/中村高寛(映画監督)/西村秀樹(近畿大人権問題研究所教員)/日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA=佐藤文則・国森康弘・綿井健陽・森住卓・古居みずえ・土井敏邦・山本宗補・豊田直巳・林克明・桃井和馬・野田雅也・権徹・小林正典)/野中章弘(アジアプレス代表)/服部孝章(立教大学社会学部教授)/原寿雄(ジャーナリスト)/原村政樹(記録映画監督)/韓興鉄(翻訳・編集業)/日比野敏陽(日本マスコミ文化情報労組会議議長)/藤井幸之助(コリアン・マイノリティ研究会世話人)/福本高大(鹿砦社)/藤岡朝子(山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局ディレクター)/二木啓孝(ジャーナリスト)/ホソノシュータロー(編集者)/水島宏明(ジャーナリスト・法政大学教授)/水野浩重(DAYS JAPAN関西サポーターズクラブ)/向井徹(毎日新聞出版部)/諸橋泰樹(フェリス女学院大学教員)/安田浩一(ジャーナリスト)/矢野宏(ジャーナリスト/新聞うずみ火代表)/山上徹二郎(映画プロデューサー/シグロ代表)/山口正紀(ジャーナリスト)/湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)/米澤清恵(韓国語講師)/李敬宰(高槻むくげの会)/劉永昇(風媒社編集長)/渡辺武達(同志社大学社会学部教授)
以上


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■9月17日(月・祝)13:30〜

フォーラム「堺市の未来と大阪都構想」vol.4

 

9月17日(月・祝)に「堺市の未来と大阪都構想」と題したフォーラムの

第4回目が開催されます。

 

今回は、内閣府元参与・反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏を

メインゲストに迎え、「閉塞感が深まる日本社会において、大阪を取り巻く現状は

何を示すのか?」、「国政を巻き込んだ大阪都構想とその中で、堺市の進むべき

道とは?」などについて、堺市に生きる地域の方々とのパネルトークもあり。

堺市民云々関係なく、広い範囲でご参加いただければと思います。

【日程】 9月17日(月・祝)
【場所】 堺市民会館 4F(公式サイト) 大集会室
     大阪府堺市堺区翁橋町2丁1−1 TEL:072-238-1481

【参加費】無料
【タイムテーブル】
13:30   開始
13:40   森 裕之 氏        「大阪都構想と堺市」
14:00   地域のくらしからパネルトーク
14:40   生田 武志 氏        「子どもの家事業と西成特区構想」
15:00   湯浅 誠 氏        「グレートリセットと日本社会」
16:00   フロア発言
16:30   終了 
 チラシ表面※クリックで拡大

チラシ裏面※クリックで拡大
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印刷用のチラシは
こちらから
20120917_sakai2.pdf
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「たね蒔きジャーナル」存続を求めて
改めて9月7日(金)19時@MBS本社前にあつまろう!!

19時からMBSとの意見交換の上、20時から本社前で呼びかけ人らによる報告の予定です。参加者:小出裕章さん、石井彰さん、今西憲之さん、石丸次郎さん、山本太郎さん、湯浅誠さん他

ぜひご一緒してください。

たね蒔きジャーナル存続お願い、呼びかけ人のお一人である放送作家の石井彰さんからです。

たね蒔きジャーナル存続の声は、日増しに大きく広がっています。
ネット上の存続署名運動(署名TV参照)は、4725人に増え(6日午前9時現在)
番組の市民スポンサーになろう!という呼びかけには、907万9469円もの寄金が
寄せられています。(4日現在)郵便振替口座の場合、加入者への振り込み連絡は数日間かかりますので、さらに額は増えていると予測されます。

こうした幅広い人たちからの番組存続の声を携えて、明日7日に再び毎日放送へ
小出裕章さん、山本太郎さんらとともに、番組存続のお願いに行ってきます。

同時に考えられるあらゆる方法を使って、存続の要望を毎日放送には伝えていますが、
社内では着々と、番組の打ち切りと新番組の準備が進んでいるようです。

そんな中、昨日の朝日新聞夕刊「窓」に、番組存続の運動が取り上げられました。

またジャーナリストで法政大学教授の水島宏明さんが、自らの放送局での体験も踏まえて、今回の番組打ち切りと、存続運動の意味を考える論考を書かれています。
こちらは有料ですが、ぜひご一読いただけると幸いです。
ともかく、毎日放送へ行ってきます。
報告は追って、取り急ぎご連絡まで。

石井彰

9月5日朝日新聞夕刊「窓」欄
窓・・・論説委員室から

 一つのラジオ番組を存続させてほしいと、これほど多くの人が声をあげる例は聞いたことがない。毎日放送(大阪)が2009年から始めた「たね蒔きジャーナル」である。

  「ニュースの種を見逃さない」という狙いで、旬の問題についてゲストの専門家らが1時間、論評する。

 存在が広く知られたのは福島第一原発後だ。京都大原子炉実験所の小出裕章助教らが出演し、事故の状況をわかりやすく伝えた。

 今春、この時の原発報道で関西の優れた報道に贈られる坂田記念ジャーナリズム賞特別賞を受賞した。

 毎日放送は打ち切りを発表していない。が、10月の番組改編で終わるという話が流れ、存続運動に火がついた。8月27目、小出さんや反貧困ネットワークの湯浅誠さんらが同社を訪れ、「市民スポンサーとして支えたい」と申し入れた。同社は幹部が対応し、要請を聞きおいた。

 社の前に集まった数十人を前に、小出さんは「原発事故でマスメディアは権力側の情報を流したが、この番組は全く違った」と語った。

 生の言葉をじっくり伝えるラジオの利点を生かした番組づくりが、支持を広げた一因だろう。熱い思いを受けとめつつ中立を守る放送局の立場もわかる。ネット時代、オールドメディアの役割はまだまだ大きいと自戒をこめて思う。  〈前田史郎〉
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(堺からのアピール賛同人でもある、永岡浩一さんからの報告文を紹介します)

8月27日(月曜日)のたね蒔き打ち切らないで行動ご報告からです。

 永岡です、本日18時より、秋での打ち切りの噂の出ているたね蒔きジャーナル(今録音して聴いています)の存続を求めて、市民による打ち切りを止めてくれとの申し入れを行い、会議の席には数名でて、支援の市民は100人くらい集まりました。

 派遣村の仕事をされた湯浅誠さんが事務局長となり、たね蒔きの存続を求めて署名、カンパを求め、カンパは200万円以上集まりました

 交渉の席には小出先生、湯浅さん、ジャーナリストの西谷文和さん、今西憲之さん、放送作家の石井彰さんが毎日放送と交渉し、毎日放送では打ち切りの具体的なことは言えないものの、たね蒔きの存続を求めて考慮するとの言質を得ました

 小出先生、今西さん、西谷さん、石井さんも発言され、石井さんのお話で、毎日放送ラジオは阪神タイガースの中継をしており、ここでは同じ放送をしている朝日放送が聴取率で勝っているのですが、たね蒔きが始まるや毎日放送が大逆転し、高い聴取率を誇っています。すごいです。

 ジャーナリストの今井一さん(今は東京が根拠地とか)、作家の雨宮処凛さん他、多数の方が来てくださいました。

 たね蒔きの打ち切りは予断を許さず(最終決定は9月19日)、今後も活動を続けていくということです。

 私も多くのジャーナリスト、マスコミ関係者と会えて、本当に良かったです。

 新潟で原発の住民投票が決定した模様で、これで柏崎・刈羽はお釈迦でしょう。線香を上げますから原発さん、迷わず成仏してください(笑)。
 本日、行動に参加された皆様に敬意を表します。

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湯浅誠さん:「ヒーロー」に委ねてはダメ 市民活動仕掛け人、動く 大阪に拠点
毎日新聞 2012年08月20日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/area/news/20120820ddn041040007000c.html


AIBOの事務所で会議をする湯浅誠さん=大阪市北区で

◇変えたいのは有権者心理
 反貧困運動の活動家で元内閣府参与の湯浅誠さん(43)が、主な活動拠点を東京から大阪に移し、市民活動の仕掛け人として活躍している。21日発売の著書「ヒーローを待っていても世界は変わらない」(朝日新聞出版)で、強いリーダーシップを発揮する政治家の人気など「大阪で顕在化していることは、もはや日本全体の傾向」だと分析し、大阪発で「民主主義を活性化させたい」と、初めて東京以外で活動する理由を明かしている。【鈴木英生】


 湯浅さんは、東京都出身。東京大大学院法学政治学研究科在学中から、ホームレス支援などにかかわってきた。08年末~09年年頭の年越し派遣村村長として知られた。政権交代後に務めた内閣府参与を今年3月に辞め、動向が注目されていた。


 同書は、近年、有権者が自ら政治を考える余裕を失い既得権益層を敵と名指しして成敗する「ヒーロー」型政治家が人気を集めているとする。代表格が小泉純一郎元首相や橋下徹大阪市長という。ヒーローに政治を委ねる心理は、民主主義の空洞化や格差・貧困の深刻化と連動していると見る。


 湯浅さんは、会議の公開など橋下市長の一部施策を評価し、「意見交換したい」。変えたいのは、橋下市政というより有権者心理だ。


 そこで、大阪で以前から社会問題に取り組む人たちと市民団体AIBO(あいぼう)を作り、先月、同市北区に事務所を開いた。


 AIBOが目指すのは、市民活動のお手伝い役。社会の課題について何かしたいが具体的なやり方が分からないという市民に、アイデアやノウハウを提供する。課題は教育や貧困、地域再生など自由。政治参加のハードルを下げて、人々がヒーロー頼みではなく、自らの創造性を発揮する基盤を作りたいという。


 湯浅さんは、東京と大阪の二重生活をしている。一部に「活動は大阪市長選出馬の下準備?」との見方もあるが、本人は強く否定。


 湯浅さんは「人々が自分で考えて意見を調整し、合意形成ができる世の中を、大阪の皆さんと一緒に作りたい」と話している。

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大阪市で導入が検討されている学校選択制について、
橋下市長は「保護者の7割が賛成している」と話しています。
これに対し、十分な議論が尽くされていないと考えるある主婦が、
市民による話し合いの場を作ろうと動き出しました。

【橋下徹 大阪市長】
「基本的には保護者・子どもの選択です。選択した以上は責任をとってもらう。
学校運営・教育行政についても主体的に関与してもらいます」

 橋下市長が実現にこだわる学校選択制は、小中学校の校区を超えて行きたい学校を選べる制度で、
大阪市は2年後の導入を目指しています。
すでに大阪市内全ての区で説明会が終了。
あとは、大学の教授や小中学校の校長などの専門家を交えた「熟議」とよばれる会議での議論を受け、
新しく就任した公募区長が選択制を導入するかどうかを、この秋決定します。
 
【橋下市長】
「W選挙を受けて大きな方向性では“学校選択制は支持を受けている”と思っています。
住民に判断してもらって決定します」
 
大前ちなみさん(40)は、小学校や保育園に通う3人の子どもを育てる主婦。
橋下市長の言う学校選択制の背景に、生徒が減った大阪市内の3分の1の学校を統廃合させる目的があることを懸念しています。

橋下市長が実現にこだわる学校選択制は、小中学校の校区を超えて行きたい学校を選べる制度で、
大阪市は2年後の導入を目指しています。
すでに大阪市内全ての区で説明会が終了。
あとは、大学の教授や小中学校の校長などの専門家を交えた「熟議」とよばれる会議での議論を受け、
新しく就任した公募区長が選択制を導入するかどうかを、この秋決定します。
 
【橋下市長】
「W選挙を受けて大きな方向性では“学校選択制は支持を受けている”と思っています。
住民に判断してもらって決定します」
 
大前ちなみさん(40)は、小学校や保育園に通う3人の子どもを育てる主婦。
橋下市長の言う学校選択制の背景に、生徒が減った大阪市内の3分の1の学校を統廃合させる目的があることを懸念しています。

【大前ちなみさん】
「学校選択制について大阪市教育委員会は熟議を開いているが、それが形骸化しそうな感じなので、それに対抗する形で市民の間での本当の熟議をやろうと企画しました」
 
学校選択制の問題点を市民による「熟議」で話し合いたいという大前さんに対し、湯浅さんから返ってきたのは厳しい言葉でした。
 
【湯浅誠さん】
「このトーンだったら絶対(選択制の)反対派しか来ないと思います」
 
指摘されたのは「賛成・反対ではなく中立を意識する」ことでした。
 
【湯浅誠さん】
「組織に属していない人が一人一人自分の意見を表明したり、展開したりする機会が増えるのは、民主主義と社会の活性化という意味で重要だと思います」
 
多くの意見を取り入れることが重要だと気づかされた大前さん。
選択制反対に偏らないように心掛けて作った1万枚あまりのチラシを大阪市内の全ての小中学校に配りました。その結果、これまで声をあげなかった主婦や教育関係者から協力の申し出があり、徐々に活動にうねりが出てきました。
 
【大前ちなみさん】
「学校選択制が賛成・反対とかいう前に、学校が自分達にとってどういうものなのかを一緒に考えられたらと思います。」

市民熟議の本番。保護者を中心に定員を超える120人もの人が集まりました。
今月就任した27歳の天王寺区長の姿も見えます。
 
【反対市民】
「今回大津の(いじめ)事件があって、もし学校選択制という前提であの学校に入学していたら、『あなたがこの学校を選択したんでしょ』と返された時に『でもね』と言えるかどうか。すごい弱い立場に親が置かれると思う」
【賛成市民】
「私は選択制あってもいいと思う。今、親が『責任は誰のせい!』という流れになるから子供もそうなる。だからダメ。選択制にしたら親がもうちょっと責任持つだろうと思う」
 
意見はぶつかりあいますが、今後自主的に熟議を開こうと考える人も生まれ、
天王寺区長も、この会を参考に天王寺区版の熟議の場をつくることを約束しました。

【水谷翔太 天王寺区長】
「どうしても行政が説明会をすると一方通行になるが、私は市民・PTAがお互いに学校選択制・教育はどうあるべきかと自由自在に話し合うことがとても大切だと思います」
【大前ちなみさん】
「市民熟議自体が体験型民主主義。一つのテーブル色んな方の立場で意見を聞いて、自分も意見を持つのが普通の生活にあるようでない。政治が難しいと言うものがあるが、本当は生活に関わる身近な問題だと思うので、小さなことから参加できる民主主義になればいいと思います」
 
「導入ありき」で話が進んでいるようにも見える学校選択制。
間もなく迎える導入の判断の時までに、こういった市民による「熟議」は、どこまで広がりを見せるでしょうか。
 

2012年8月10日放送

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ヒ-ロ-を待っていても世界は変わらない

ISBN:978-4-02-251012-9
本体価格:1,300円+税
判型:四六 Cコード:C0036
 湯浅誠 :著(朝日新聞出版)
Amazonはこちらから

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ラジオ「たね蒔きジャーナル」打ち切り!?
京大・小出裕章氏らがノーギャラ出演宣言&カンパ呼びかけ
2012.08.16 日刊SPA!
http://nikkan-spa.jp/272308


 昨年3・11以降、原発事故報道で全国に名を馳せたラジオ番組「たね蒔きジャーナル」(大阪・MBS、月~金・夜9時~)。当時メディアから干されていた小出裕章・京大原子炉実験研究所助教の解説をほぼ毎日放送した「たね蒔き~」は、YouTubeにアップされて、全国の人が聴き入ったものだ。だが、いま、番組は存亡の危機に立たされている。

たね蒔きジャーナル

2009年に始まった「たね蒔きジャーナル」は
硬軟とりまぜた報道番組で、聴取率は悪くないという


 昨年3・11以降、原発事故報道で全国に名を馳せたラジオ番組「たね蒔きジャーナル」(大阪・MBS、月~金・夜9時~)。当時メディアから干されていた小出裕章・京大原子炉実験研究所助教の解説をほぼ毎日放送した「たね蒔き~」は、YouTubeにアップされて、全国の人が聴き入ったものだ。だが、いま、番組は存亡の危機に立たされている。

「たね蒔き~」が「今年10月の改編で打ち切り」との関係者談を報じたのは、8月4日の東京新聞。実は7月下旬からネット上では噂が流れ、存続祈願のプラカードを持ってMBS前に押しかけるファンや、MBSに電凸(電話突撃)をする人も現れていた。MBS側は9月中旬の改編発表までノーコメントだが、「社内上層部は事実上、打ち切りを決めている」(関係者)との声もある。

 そんななか、8月16日に本格的な動きが立ち上がった。


「『たね蒔きジャーナル』存続のため、私たちは無料ボランティア出演で経費削減に協力します。番組を支えるために多くの人々にカンパを呼びかけます」


小出裕章,たね蒔きジャーナル

呼びかけ人のひとり、小出裕章氏
 そう宣言した「呼びかけ人」は、小出裕章助教、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)、原口一博衆院議員、原一男氏(映画監督) 、山本太郎氏など。事務局は有志がつくった「すきすきたねまきの会」で、湯浅誠氏(反貧困ネットワーク事務局長)ら。いかにもネトウヨが活気づきそうなメンツだが、どんな“活動”をするのか。湯浅誠氏に話を聞いた。

――どういう経緯で今回の動きになったのでしょうか。

「私が打ち切りの話を聞いたのは8月3日。小出さんたちと話をして、急遽、会を立ち上げました。私も『たね蒔き~』の前身の番組に出たことがあるし、3・11以降にYouTubeで小出さんの放送をずっと聞いていました。こういう良質な番組がなくなるのはとても惜しいですから」

――呼びかけの中身は?

メディア出演経験がある方で『無料ボランティア出演してもいい』という賛同者や、一般の人からの『たねまきカンパ』を募っています。カンパ目標は1000万円。平日夜間60分の番組の1年間のスポンサー料を想定したのですが、金額が明かされないので1000万円としました。それをもとに、8月末~9月上旬にはMBSに番組存続のお願いにいく予定です」

――打ち切りの理由は「関西電力からの圧力」という説もありますね。

湯浅誠,たね蒔きジャーナル
事務局の湯浅誠氏(Photo by 中川賢俊)
「可能性はゼロではないですが、それよりも経営全体の理由だと思います。メディアの広告収入が減るなか、特にラジオは本当に苦しい。だからMBSを責める気はないんです。そこでカンパを集めてMBSに渡す、いわば市民がスポンサーになって番組を存続してもらおうと。結果的に、MBSが交渉のテーブルに乗ってくれなかった場合、お金は東北被災地のコミュニティFM局に寄付したり、良質な報道番組を支えるために活用する予定です。だからカンパがムダになることはありません」

――そうまでして、この番組を支援する理由は?

「いまメディアへの不信が広がって、誰を信じていいのかわからない状況です。そんななかで、『たね蒔き~』はマスメディアに対する信頼を繋ぎ止めていた番組の一つだと感じます。その番組のピンチに対して、『自分たちが支えよう』といって市民が参加するのは、意味があるんじゃないかと思います」

MBSが番組改編を発表するのは9月中旬。それまでに寄付を集めて交渉が成立するか? 残された時間は1か月を切っている。

※賛同・カンパの詳細は「すきすきたねまきの会」HPを参照(小出氏のビデオメッセージもあり)
http://www.tanemakifan.net/


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┃【緊急トークセッション】
┃これから、どんな社会を選ぶ?つくる?
┃~湯浅誠さん×社会課題にとりくむ若者たちが語り合う!~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

なーんかこの社会って生きづらいな・・・
いじめに自殺に失業に貧困・・・って問題山積すぎじゃない?
このままじゃちょっとマズイんちゃうん?

そんなふうにちょっとでも感じてるあなた、この企画に来てみませんか?

派遣村で有名な反貧困ネットワークの湯浅誠さんをお招きし、
講演と箕面で社会課題に取り組む2人の若者とのトークセッションから、
今起きていることを学び、これから自分たちにできることを考えます。

別に普段社会的な活動してるわけじゃないんだけど・・・という方も
「私が行って大丈夫?」なんて思わなくて大丈夫!
むしろそんな方こそウェルカムです。
どなたもお気軽にお越しください!

■イベント概要
【日時】2012年8月4日(土) 10:30~12:30(受付10:15~)
【会場】らいとぴあ21 3階視聴覚室
 (大阪府箕面市萱野1-19-4)
  http://www.raipi.org/access/#tab2
【参加費】無料
【定員】80名

■プログラム
10:30 主催者挨拶
10:40 湯浅誠さん講演
   「どうなってる?どうしていく?私たちの社会」
11:10 パネルディスカッション ※
12:00 参加者も参加してのディスカッション
12:30 終了

※パネリスト
講演:湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長 元内閣府参与

パネリスト:なかじま三四郎 箕面市議会議員
パネリスト:竹田一成 1人親支援NPO あっとすくーる
コーディネーター:武田緑 暮らしづくりネットワーク北芝

【お申し込み・お問い合わせ】
こちらの申し込みフォームからお申し込みください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【主催】これからの社会をつくる!若者ネットワークMINOH
【共催】Action Incubation Box Osaka
    NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝
    1人親家庭支援NPOあっとすくーる
【お問い合わせ】
TEL 072-722-7400 (らいとぴあ21内/平日9:00~18:00)
E-MAIL info@raipi.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お申込みはこちら
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(内田樹さんのブログ「内田樹の研究室」から転載させて頂きました)

同一労働最低賃金の法則について
2012年07月26日 15:59
http://blog.tatsuru.com/2012/07/26_1559.php

   自治労のセミナーで「橋下政治について」のシンポジウムに招かれた。コーディネイターはTBSの金平茂紀さん。パネラーは香山リカ、湯浅誠のご両人と私。
個別的な政策の適否や政治手法については、もう多くの人が語っているので、屋上屋を重ねることもない。
まだ、この政治現象について「誰も言っていないこと」を言わないと、せっかく日帰り東京ツァーに出た甲斐がない。私は「海外メディアは橋下徹と大阪維新の会をどう見ているか」というところから始めた。
私はフランスの『リベラシオン』の電子版で定期的に「フランスのメディアは日本での出来事をどう見ているか」をチェックしているが、『リベラシオン』にはキーワード「hashimoto」でも「maire d’Osaka」でも記事は存在しなかった。
『ル・モンド』には「大阪のポピュリスト市長が既成政党と官僚に全方位的に攻撃を加えている」という記事があったが、日本におけるこの政治的潮流の出現の政治的意味についての分析はなかった。
(帰宅後にThe Guardian を読んだら、ここにはかなり詳しい橋下現象解説記事があった。興味深い記事だったので、終わりの方を採録する。
「日本は民主制では、決定することができない」と彼は記者会見で語った。
「我々は終わりのない議論を行い、全員の意見をテーブルに載せるが、何も決められない。」
これを変革するために、彼は法律制定を妨げている参議院の廃止と首相公選制と地方分権を提案する。
「ヨーロッパにおける左右両極の過激派、民族派の出現と同じく、橋下はその支持を既成のメインストリームと代議制民主主義の不調に対する大衆的な不満から引き出している」とある日本の政治学者は語っている。
「彼は過度に単純化された、権威主義的な“回答もどき”pseudo-answer を提示するが、それは現実には何も問題を解決しない。
だが、既存の政治システムに対する大衆的不満のはけ口にはなる。」
市長のサッチャー型の社会政策への賛意には日本のタカ派の元首相小泉純一郎を思わせる点がある。
彼は紛争解決の手段としての武力行使を禁止している日本国憲法の改正手続きの簡易化を求めているが、彼の批判者たちは、それは中国との領土問題での摩擦において軍がより攻撃的なものになる道を開くものだと述べている。
福祉政策は、米国と英国の右派の後追いに過ぎない。
「もちろんわれわれはまったく生計を立てる能力がない人たちについては支援しなければならない」と彼は言う。
「だが、それ以外の人たちは、自分で何とかしてもらわねばならない。」
だが、政治学者はこの人物は官邸をめざすために自分のほんとうのねらいを隠しているとみている。
「彼はマーガレット・サッチャーでもないし、小泉純一郎でさえない。彼はさしたる主義主張のないポピュリストである。
彼はパワーゲームとして政治に接近している。
彼がめざしているのは支配することそれ自体である。」(The Guardian, 17July, 2012)
(文中の「日本の政治学者」は記事中では実名。興味がある方は原文を徴されたい)。
たしかにこのプレゼンテーションが適切であるなら、橋下現象は海外メディアが特に興味を持って取り上げたり、踏み込んだ分析をするようなトピックではない。
橋下徹は欧米でもよく見る「ポピュリスト」政治家の一人であるに過ぎない。
海外メディアのこの相対的な無関心と、国内メディアの熱狂の温度差に私はどうもひっかかるのである。
海外メディアが「切って棄てる」ような書き方を採用する理由は二つ考えられる。
ほんとうに維新の会のムーブメントが「よくある話」であるのか、海外のジャーナリストがこの現象を適切に語る文脈なり語彙なりを「まだ獲得していない」のか。
いずれかである私はこういう場合には、できるだけ知性の行使を要求する方の仮説を採択することにしている。
私の経験則は「『変なできごと』が『変』に見えるのは、それを語る適切な言葉を私たちがまだ持っていない場合がある」ということを教えている。
「変な現象」の「変さ」がそこにかかわる人たちの愚鈍さや邪悪さで説明できるケースは私たちが想像しているよりずっと少ないのである。
その上で、橋下徹と大阪維新の会のムーブメントは「前代未聞のものだ」という仮説を採択することにする。
別にしなくてもいいのだが、したことによって失われるのは私の時間だけである(私の話に付き合わされる読者の方々も時間を失うわけだが、それはご本人の神聖なる自由に属するので、私がとやかくいう筋のことではない)。

では、どういう点が「前代未聞」なのかというと、これが「経済のグローバル化を推進して、国民国家を解体しようとしている政治運動が外形的には愛国主義的な衣装をまとっている」という点である。
維新の会の政治綱領が、「手垢のついた新自由主義」であることは誰でもが認めている。
けれども、新自由主義はそれでも「選択と集中」によるトリクルダウンという「言い訳」を用意していた。
私たちに資源を集中せよ。
私たちがそれによって国際競争力を増し、ワールドマーケットで大金を儲ければ、一時的に「割を食っていた」貧乏人諸君もその余沢に浴することができる、というあれである。
だが、維新の会のグローバリズムはもう「余沢」についてはほとんど語らない。
「とりすぎのやつから剥ぎ取る」という話だけである。「剥ぎ取った分」がどこに行くのかということに、有権者たちはもはや興味を持っていない。
市長が着任して最初にやったことの一つは、大阪市営バスの運転手の賃金が高すぎるので、これを民間並に引き下げるということであった。
この政策に市民のほとんどは喝采を送った。
労働者たちが、同じ労働者の労働条件の引き下げに「ざまあみろ」という喝采を送るというのは、日本労働史上でおそらくはじめてのことである。
労働者というのは労働条件の向上のために「連帯する」ものだと思っていたが、それはもう違ってしまったのである。
現に市長の組合攻撃はすさまじい。
組合員というのは「非組織労働者」には与えられていない特権を享受している「ワルモノ」であるという物語に有権者もメディアも同意署名を与えた。

それが自分たちの死刑執行書に署名したことかもしれないということに誰も気づいていない。
市営バスのケースは「同一労働では、最低賃金が標準賃金である」という文字通り「前代未聞のルール」に有権者たちが同意を与えたということを意味している。
このルールに大阪の有権者たちが同意した以上、これから後、彼らはすべての賃金交渉において、「同じ労働をもっと低い賃金で引き受けるものがいる」事例を雇用者側が示し得た場合には、最低賃金を呑む他ないのである。
だって、自分で「それがフェアネスというものだ」と言ったわけだから。
このルールの導入によって最も喜んでいるのはビジネスマンたちである。

すでに、「日本の労働者は人件費が高すぎる」という理由で生産拠点を海外に移し、国内の雇用を空洞化してきたグローバル企業のふるまいを日本人の過半は「それももっとも」と同意してきた(現に、大飯原発の再稼働を決断したとき、野田首相は「電力コストが高ければ、日本を捨てて国外に出て行くのは、企業家としては当然のふるまいである」として、グローバル企業の利益の擁護は原発の安全性に不安を抱く国民感情に優先するという「常識的な」決断を下した)。

それは、国内の雇用においても、「同一の能力であれば、いちばん人件費の安いものを雇う」というルールが一般則として適用されるということである。
ご存じの通り、現在、どの組織でも、非正規雇用労働者が溢れかえっている。正社員の他に、嘱託社員、派遣社員、アルバイトと雇用形態は識別しがたいほどに複雑に複線化した。
そのときに何が起きたか。仕事ぶりを外から見ていると、それが正社員かアルバイトか区別できないということが起きてきたのである。
場合によっては、正社員よりアルバイトの方が業務内容を熟知しており、適切な判断を下すというようなことさえ起き始めた。
そのときに何が起きたか。正社員と同じくらいに働くなら、「アルバイトの雇用条件を正社員並にせよ」という要求がなされたのではない。
逆である。
アルバイトと同じくらいの働きしかないなら「正社員なんか要らないじゃないか」という台詞が出てきたのである。
出てきて当然である。
雇用形態の複線化は論理の必然として、「同一労働の場合、それを最低の賃金で達成するものを標準とする」という「同一労働・最低賃金の法則」を導くということに私は導入時点では気づかなかった。
でも、今はわかる。
職場に業務内容が似ており、雇用条件の違う労働者を「ばらけた」かたちに配備しておくと、最終的に雇用条件は最低限まで引き下げることができる。
だから、経営者たちは非正規雇用の拡大に固執したのである。彼らのロジックは「日本のような高い人件費では、コスト削減の国際競争に勝てない」というものである。
日本の労働者の絶対的な貧困化はグローバル企業にとって「好ましいこと」なのである。もちろん、貧しい労働者は消費活動がきわめて消極的なので、日本国民のほとんどが下層に固定化された段階で内需は壊滅するが、とりあえずそれまでの間は人件費削減で浮いた分は企業の収益にカウントされる。
先のことは考えない、というのが資本主義の作法であり、国民国家の将来のことなど配慮しないというのがグローバル企業の常識であるから、それでよいのである。
前に国民戦略会議の「大学統廃合」について書いたときも述べたが、日本の財界人が国際競争に勝つために採用している最優先事項は「人件費を限りなく切り下げること」である。
低学歴低学力労働者を大量に作り出せば、場合によっては中国の労働者程度の時給まで国内の賃金を下げられるかもしれない。
人件費問題さえクリアーされるなら、国内で操業する方がずっと利益が大きい。労働者のモラルは高いし、社会的インフラは整備されているし、怪しげな党官僚が賄賂をせびることもないし、テロや内乱の不安もないし、中国の労働者の賃金が上がって、「もっと賃金のやすい国」めざしてプラントごと引っ越しをする移動コストも考えなくてよい。
実際に、「焼き畑農業的」に生産拠点を移してみたが、このやり方が予測したほどに安定的な利益をもたらさず、むしろコストとリスクを増やすことに資本家たちも気づいてきたのである。
できることなら、日本にいたい。
そこで、日本の経営者たちは「こんなに人件費が高くては生産拠点を国外に移すしかない」という言葉をことあるごとにメディアを通じて「国内向けに」アナウンスすることにした。
これは別に「そのうち移転しますので、みなさん心の準備をしていてくださいね」と事前に親切に告知しているわけではない。
そうではなくて、「国内にいてほしければ、人件費を下げろ」と言っているのである。
政治家も官僚もビジネスマンも大学人も、みんなそれを聴いて「わかりました」と頷いて、「どうやったら人件費が安くなるか?」という問いへの最適解を求めて知恵を絞り始めた。
とりあえずやってみて効果があったのは:
(1)学力が低い若者を大量に作り出し、「自分のような能力の人間には高い賃金は要求できない」という自己評価を植え込む。
(2)同一労働に雇用条件の違う労働者を配備して、「こんな安い給料で同じ仕事をしている人間がいる」という既成事実を作り出し、「同一労働なら最低賃金」のルールを受け入れさせる
(3)製造コストや人件費コストが上がりそうになると、「では国内の製造拠点を海外に移します。それで雇用が失われ、地域が『シャッター商店街』化し、法人税収入が失われても、それはコスト負担を企業におしつけたあなたたち日本国民の責任です」というロジックで脅しにかかる
やってみたら、全部成功した。
大阪維新の会はまさにこのグローバル企業と政官が国策的に推し進めている「国内労働者の絶対的窮乏化」路線そのものを政治綱領の前面に掲げたという点で「前代未聞の政治運動」なのである。
「これから『反撃のできないセクター』から順番に、国民の既得権を奪い、そのつどの最低賃金で働いてもらいます」という彼らの政策に国民自身が拍手を送った。
たしかに、この制度改革は「グレート・リセット」というのに相応しいであろう。なにしろ18世紀の市民革命から以後の労働運動の成果そのものを否定しているからである。維新の会が権力を掌握すれば、体制が「変わる」という点については、間違いなく変わる。
それは私が保証してあげる。
ただ、その「変化」は労働者の絶対的窮乏化と「グローバル企業」の収益の増大と彼らのいわゆる「国際競争力」の向上に資するものであることは告げておかなければならない。
この労働者の組織的連帯を破壊してゆく過程で、「愛国主義」が功利的に利用されているのだが、なんだか書いているうちにぐったり疲れちゃったので、今日はここまで。
「愛国主義はどうして国民的統合の解体に役に立つのか」については、前に書いたものがあるから、それを参照されたし。

http://blog.tatsuru.com/2007/06/20_1056.php
http://blog.tatsuru.com/2008/03/30_1850.php

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(大阪教育大学教授の山田正行さんからのご寄稿を掲載させて頂きます)

 「リバティおおさかの灯を消すな全国ネット」設立集会が開催された。
リバティ大阪 (2)
 そこでの発言や所感を述べる。

1)ヒトラーは武器で戦ったが、チャップリンが芸術で戦った。橋下・維新の会は権力とお金をもってリバティ大阪を閉じさせようとするが、私たちは市民の力で闘う。

2)4月20日、橋下市長は松井知事と大阪人権博物館(リバティおおさか)を視察し、「子どもが夢や希望を抱ける内容となっていない」と見なし、補助金を打ち切ると表明したが、人種差別と闘ったキング牧師は何を見据えて「私には夢がある」と訴えたのだ!?

3)「疾風に勁草を知る」(後漢書・王覇伝)というが、人権はもういらない、平和はもういらない、戦争ができる国にしようという「大阪ハシズム」の暴風に、市民の勁(つよさ)を知らしめよう。

4)飲食業に勤める女性と不倫をして、コスプレで欲望を発散させ、それを隠してきた橋下市長こそ、リバティ大阪に通って人権について学ばなければならない。

5)しばらく前から反転攻勢の兆しがあったが、さらに勢いづいたと感じた。
                                 7月21日
(以上、山田正行さんのご寄稿)

(以下、毎日新聞からの転載)
大阪人権博物館:リバティおおさか支援、「全国ネット」結成集会
毎日新聞 2012年07月22日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/area/news/20120722ddn041040007000c.html


 大阪府市が来年度から補助金の打ち切り方針を示している大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)について、存続を求める「リバティおおさかの灯を消すな全国ネット」の結成集会が21日、同博物館で開かれ、約270人が参加した。反貧困運動活動家で元内閣府参与の湯浅誠さんが講演、組坂繁之部落解放同盟中央本部委員長も「全国的な支援体制を組む」と決意表明した。


 同博物館は1985年開館。部落差別問題やアイヌ、沖縄など幅広い人権・差別問題の展示をしている。集会で湯浅さんは「今や人権が既得権益と批判されかねない時代だ」と危機感を示した。性的マイノリティー団体、G−FRONT関西の塩安九十九さんは「リバティは性的マイノリティーについて、肯定的なメッセージを出すほぼ唯一の公的施設」と語り、大阪HIV薬害訴訟原告団の花井十伍代表も博物館の重要性を訴えた。


 同ネットは今後、署名活動や博物館を支えるカンパ活動などをする。

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「暗い現実直視して」湯浅氏 補助金廃止で橋下市長に反論
SponichiAnex 2012年7月21日 18:08
http://bit.ly/MO7LAj


 大阪府・市による補助金打ち切り表明で存続の危機にある大阪人権博物館(通称リバティおおさか)を守ろうと、全国ネットワークの設立集会が21日、同館で開かれ、「反貧困ネットワーク」の湯浅誠事務局長らが講演した。


 集会には市民や有識者ら約300人が出席。橋下徹市長が「展示内容が暗く子どもが夢を持てない」と発言していることに対し、湯浅氏は「展示内容を明るくすると、暗い現実が消えるのか。そうではないなら、暗い現実を直視しないといけない」と反論。その上で「直視するのは勇気がいるが、そういった問題に出合うきっかけをつくる場は重要だ」と述べた。


 大阪HIV薬害訴訟原告団の花井十伍代表は「人権は未完成だが普遍的で最も価値がある概念。それを可視化しようとするのがリバティおおさかであり、世界に誇れるものだ」と訴えた。


 同館は被差別部落や在日韓国・朝鮮人のほか、アイヌ民族、沖縄、薬害エイズ、ハンセン病、水俣病など近現代のさまざまな人権問題を扱い、約3万点の史料を所蔵。運営費の8割以上を占める府市の補助金は2013年度に打ち切られる見込み。
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市民活動プロジェクト「AIBO」が発足
http://www.aibofund.net/


おもしろい社会をカタチするプロジェクト
AIBO-Action Incubation Box Osaka

Support Us ご支援下さい

aibo

“おもろい社会”ってなんでしょう? 

 

 誰もが「参加している」、そう感じられる社会だと、AIBOは思います。

 

 でも社会を見渡すと、物事が自分と関係のないところでどんどん進んでいく、そんな感じしますよね。「また税金上がりそう…」「生活が苦しいけどこれって自己責任?」「投票行っても変わらへんなぁ」…。

 

 「何かしたい」と思っても、何をどうしていいかわからへん…そんな気持ちがカタチ(Action)につながる。AIBOには、そのための道具がいっぱい詰まっています。

 

 ひとりでは難しくても、AIBOの道具箱(Box)を使えば、カタチに、Actionに、きっとつながるでしょう。ぜひ、AIBOを活用してください!   

 

 AIBOはあなたの思いつきを応援します。

 

 7月10日(火)、AIBOがオープンします。「Open」「Fair」「Incubation」などをキーワードに、誰もが気軽に集えるスペースをつくりました。ぜひ、お気軽にお越しください。

 

■住所

〒530-0054 大阪市北区南森町2-3-37 昭和南森町ビル4F

■オープン時間

平日…12:00〜21:00 土日祝…10:00〜21:00

火曜…休み


 

詳細なアクセスはこちら

 

 7月13日(金)13:00より、関西大学文学部学術講演会の模様を、AIBOのUstreamチャンネルにてネット中継いたします。

 

 メディア・アクティビストの津田大介氏と社会運動家の湯浅誠氏の初対談です。「自分で動く 社会を動かす」と題して、それぞれのジャンルで活躍する2人のアクティビストが語り合います。奮ってご視聴ください。

 

関西大学文学部学術講演会

初対談 湯浅誠×津田大介「自分で動く 社会を動かす」

 

■日時2012年7月6日(金)13:00〜

■会場:関西大学千里山キャンパス第1学舎1号館千里ホールA

■配信チャンネル AIBO Channnel


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生活保護の扶養義務 運用厳格化を危惧 申請抑制、餓死・孤立死招く
中日新聞 2012年5月31日
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2012053102000156.html


 高所得のお笑いタレントが民法の扶養義務を果たさず、母親が生活保護を受給していると指摘された問題を受け、厚生労働省は、扶養が困難な理由を証明する義務を親族に課すなど、運用を厳格化する方針を打ち出した。当事者や支援者らからは「生活保護から住民を遠ざけ、餓死や孤立死を増やしかねない」と懸念の声が上がっている。 (稲田雅文)


 「悪いイメージで報道されるたびに、受給者への差別や偏見が広がらないかと不安を感じます」。精神疾患があって働けず、生活保護を受給する千葉県の三十代女性は、制度への逆風に眉をひそめる。


 病気の悪化で仕事を辞めた。次の仕事が見つからないまま貯金が尽き、自治体の福祉事務所に駆け込んだ。職員は状況を詳しく聞いた後「若いから仕事はある。頑張って」と言うだけで、申請手続きをしてくれなかった。支援団体に相談し、後日、同行してもらうとすんなり申請できた。


 扶養できる親族がいる場合、生活保護よりも扶養が優先される。申請時に親族のことを詳しく聞かれた女性は、親族との関係が悪いことを説明した上で生活保護を認められた。女性は「いろいろな家族のかたちがある。連絡を取りたくない人もいる」と訴える。


 生活保護を申請しようとしても女性のように断られるケースは多い。反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんは「扶養義務の運用が強化されると、申請を抑制する動きが強くなる恐れがある」と懸念する。


 湯浅さんは、暴力団関係者による生活保護の不正受給事件が表面化し、旧厚生省から支給を適正に決定するよう求める通知が出た一九八一年と、今の状況が「非常に似ている」と指摘。「行政が申請を受け付けなくなり、八七年には、札幌市白石区で生活保護の相談をしていた母子家庭の母親が餓死した事件が起きている」と警鐘を鳴らす。


 市民団体の笹島診療所(名古屋市)で生活保護申請の支援をしている藤井克彦さんは「現在でも、生活保護の申請時に扶養できる親族がいないか十分照会をしているはず」と厚労省の方針に疑問を投げかけ、「必要なのはケースワーカーの増員ではないか」と語る。


 受給者に家庭訪問などをして生活状況をチェックする自治体のケースワーカーは一人で八十世帯を担当するのが適正。実際には受給者増で、政令指定都市を中心に百世帯以上を担当するところも多く、収入の確認や就労支援などきめ細かな対応ができていない。


 弁護士らでつくる生活保護問題対策全国会議は緊急声明を発表。厚労省による厳格化の方針は、DV被害者や虐待経験者も少なくない生活困窮者に申請の抑制を招くとし「生活保護制度が置かれている客観的な状況、受給者の実態に目を向け、冷静に議論すべきだ」と呼び掛けた。


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ブログ「『教育基本条例』について考えよう」から、下記の記事について、同ブログ管理者のご承諾を得て、転載させていただきます。
http://shapla-birdy.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-633c.html


(以下、転載)
2012年2月8日 (水)
ソウル市長と大阪市長の子育て・教育政策比較 ~子育てするならどっち?


  反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏が記事「興味深い新市長のあいさつ」(毎日新聞2月11日)で見事に対比して書いた2人の新市長(朴元淳ソウル市長と橋下徹大阪市長)について、私も「教育・子育て・若者支援政策」を中心に対比表にまとめてみた。朴元淳氏の政策については、先に紹介した記事と「朴元淳ソウル市長の公約(脇田試訳)」http://mayor.seoul.go.kr/promiseをもとにし、橋下徹市長については府知事時代の政策や大阪府教育基本条例案・市長就任後の府市統合本部での政策案も参考に作成した。

朴元淳ソウル市長




■競争と差別を越えて創造的人材を育てる

 

・教育格差解消および教育福祉拡大のための条例制定

 

教育費を家計負担3%以内に緩和目標

 

・放課後学校充実支援拡大

 

・学習権条例制定(学生の諸権利保障)

 

・文化芸術教育支援

 

・子どもや青少年は市内すべての文化施設は無料

 

■公教育の革新を通した私教育の解消推進

 

・入試中心教育環境改善を主導する公立型革新学校

 

・江南・北の差別ない教育環境改善のための支援拡大

 

・学習支援センター設置

 

・青少年の自律的利用が可能な青少年複合施設運営

 

■地域社会と共にする町の学校作り

 

■大学生授業料負担緩和

 

・ソウル市立大授業料半額化

 

・ソウル市学資金利子支援条例制定

 

・出産後から大学授業料準備の長期貯蓄に利子支援

 

・大学生住居支援

 

■創造的で持続可能な良い就職作り

 

・創造的青年ベンチャー企業育成

 

・公共・社会サービス就職のための社会投資基金造成

 

■非正規職の正規職化

 

・公共部門の非正規職を正規職に転換推進

 

■労働尊重の社会定着を通した労使関係安定企画

 

◎「福祉は最高収益の投資」勝者が独占し多数が不幸になる現象は公正な社会ではない。



橋下徹大阪市長


 

■国際競争に対応できる競争力の高い人材を育てる

 

・小中一貫の「スーパー特進校」の設置

 

・府立高校1校に「グローバルコース」設置

 

■公教育への「市場原理」の導入

 

・3年連続定員割れ高校は再編整備の対象とする

 

・民間人校長の積極的登用

 

・小中学校への「学校選択制」導入

 

・統一学力テストの実施(中学校内申の絶対評価)

 

・教員評価を厳格化し、不適格教員の排除

 

■私教育助成

 

・私立高校「授業料無償化」(年収制限あり)

 

■中学校給食

 

・選択制給食を段階実施(弁当のデリバリー方式)

 

■中学校の教室へのエアコン導入

 

■西成特区構想

 

・就学援助世帯に月1万円の塾クーポン券

 

・転入者への市民税優遇

 

・私立小中学校授業料助成

 

■子育て支援

 

・乳幼児医療費助成(対象を0~15歳に拡大)

 

・待機児童解消の取り組み

 

・妊婦健康調査

 

■大阪府立大・市立大経営統合へ

 

・教育学部の設置?

 

◎「大阪都構想」で東アジアでの競争に勝ち、人・モノ・金を集める。

 




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湯浅誠講演会(非戦の市民講座第14回)は、7月7日(日)堺市総合福祉会館6F大ホールで開かれました。主催者が準備した350部があっと言う間になくなってしまい、急きょ40部増し刷り。「異なる意見を持つ人とのコミュニケーション」について、湯浅さんがたっぷり語りました。講演60分、質問へのコメントが50分です。猛暑の中参加くださった方に感謝申し上げます。会場に来られなかった方は、こちらからも画像がご覧いただけます。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/89259
湯浅誠講演会 001
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