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【社会】

調布の小5アレルギー死亡事故 再発防止へ報告書

2013年7月23日 13時55分

 東京都調布市の市立小学校で昨年十二月、食物アレルギーのある五年生の女子児童が給食後に死亡した事故で市検討委員会は二十三日、再発防止策に向けた報告書を長友貴樹市長に提出した。これを受け女児の両親は談話を発表。この中で、事故につながった女児の「おかわり」は、クラスで目標としていた、給食の食べ残しをしない「完食記録」に貢献したかったからだと、同級生が新盆の際に泣きながら教えてくれたことを明らかにした。

 調布市の検討委が二十三日、示した報告書では、現在の小学校の給食室はアレルギー対応食を作る環境が整っていないとして、給食室にアレルギー児童対応の調理・配膳専用スペースの設置を促す。

 また、教職員が児童のアレルギー事故の際、アレルギーショック緩和薬のエピペン注射をためらうことなく使用できるよう促すため「責任は市教委が負う」と明記した。さらに、同級生の目を事故防止に活用するため、食物アレルギー教育を授業に取り入れる。

 報告書を受け、記者会見した調布市の長友貴樹市長は「内容を精査し、成果に結び付けるべく全力で取り組む覚悟。食物アレルギー事故が二度と繰り返されることがないよう、国にも大きな声で要望していく」と話した。

◆調布市検討委の報告書主な対策

▽教職員が緊急時に児童に行うエピペン注射は市教委が責任を負う

▽事故防止に同級生の目を活用するため、全校児童にアレルギー授業を実施。互いに認め、助け合う力を育成

▽小学校給食室にアレルギー対応食の調理・配膳専用スペースを設置

▽食物アレルギーのある児童は当面、おかわりを禁止

▽重篤な食物アレルギーの原因となるピーナツとそばを献立から削除

▽全小中学校に食物アレルギー問題に対処する常設委員会の設置を義務づける

▽各校にPHSを配備し、提携病院の専門医と緊急時にホットラインをつなぐ

▽アレルギー児童向けの特別食と一般食のトレーや食器の色分けを徹底

(東京新聞)

 

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