東京電力福島第一原発事故で平穏な生活が奪われたとして、福島県から新潟、山形両県に避難した計約580人が23日、東電と国に総額約64億円の損害賠償を求める訴えを新潟地裁と山形地裁に起こした。新潟の弁護団によると、福島からの自主避難者が中心となった同様の訴訟は東京、千葉、名古屋、札幌の4地裁で計約130人が係争中。今回は一連の集団提訴で最大規模という。
訴えたのは、新潟に避難した101世帯354人と、山形に避難した62世帯227人。事故でふるさとや仕事を失い、健康不安も抱えているとして、東電と国に、1人当たり1100万円の慰謝料などを求めている。
東京地裁と千葉地裁ではすでに裁判が始まっており、国と東電側は請求棄却を求め、争う姿勢を示している。今回の提訴について東電は「訴訟に関することは回答を差し控える」との談話を出した。