7月24日の欧州マーケットサマリー:株反落、米統計で上げ解消
7月24日(ブルームバーグ):欧州の為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はロンドン午後6時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3212 1.3186 ドル/円 99.72 99.67 ユーロ/円 131.75 131.42 株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 299.44 -.86 -.3% 英FT100 6,597.44 -25.73 -.4% 独DAX 8,314.23 -16.83 -.2% 仏CAC40 3,923.09 -16.83 -.4% 債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .14% +.04 独国債10年物 1.55% +.04 英国債10年物 2.31% +.05 商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,333.50 +6.50 +.49% 原油 北海ブレント 108.45 +.30 +.28%
◎欧州株:反落、米リッチモンド連銀の製造業景況指数が予想外の低下
23日の欧州株式 相場は反落。指標のストックス欧州600指数は日中に7週間ぶり高値を付けたが、下落に転じた。オランダの電話会社ロイヤルKPNやフランスのメディア企業ビベンディはそれぞれの資産売却計画が好感されたものの、米リッチモンド連銀が発表した7月の製造業景況指数が予想に反して低下したことが響いた。
スイスのポンプメーカー、スルザーは2008年10月以来の大幅安。通期利益率見通しの引き下げで売られた。KPNは約5カ月ぶり高値に上昇。ドイツの携帯電話事業をスペイン同業のテレフォニカに売却することで合意した。ビベンディは約8週間ぶりの大幅高。モロッコテレコム株53%の売却でエミレーツ・テレコミュニケーションズと交渉したことが明らかになった。
ストックス欧州600指数 は前日比0.3%下げて299.44。この日は0.5%上げる場面もあった。前日まではスイスの銀行最大手UBSやオランダのロイヤル・フィリップス・エレクトロニクスの増益決算を好感し、4営業日続伸していた。
PFAペンション(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、ウィトルド・バーク氏は「企業の合併・買収が材料視されるのは、市場が個々の企業に注目していることを示す完璧な例だ。週後半には欧州のマクロ経済指標に注目が戻るだろう」と指摘した。
24日にはユーロ圏の7月の総合景気指数が、25日にはドイツのIfo経済研究所がまとめる同月の独企業景況感指数が発表される。この日に米国で発表された7月の米リッチモンド連銀製造業景況指数はマイナス11と、前月のプラス7(改定値)から低下。ブルームバーグがまとめたエコノミストの調査中央値ではプラス9が予想されていた。
この日の西欧市場では18カ国中10カ国で主要株価指数が上昇した。
原題:European Stocks Retreat as U.S.Manufacturing Report Disappoints(抜粋)
◎欧州債:ドイツ債が1週間ぶり下落、中国不安が後退-英国債も安い
23日の欧州債市場では、ドイツ10年債が1週間ぶりに下落。中国政府が7%を下回る成長率を容認しないとの趣旨の報道が同国で相次いだことから中国経済の先行きに安心感が生じ、比較的安全な資産の需要が後退した。
ドイツ2年債利回りは2週間ぶり高水準に上昇。ユーロ圏の7月の消費者信頼感指数の予想以上の改善を受けた。同指数はマイナス17.4と、前月のマイナス18.8から上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト27人の調査中央値ではマイナス18.3が見込まれていた。スペインとイタリアの国債相場も下落。
ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フォンメイレン氏は中国からの報道を受け、「リスクセンチメントは全般的に良く支えられている」と指摘。加えて、欧州中央銀行(ECB)が供給した過剰流動性が減少するとの懸念で短期金利が上昇し、それに伴ってドイツ債利回りが上昇しているとも説明した。
ロンドン時間午後4時29分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.55%。19日には1.50%と、6月7日以来の低水準を付けていた。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)価格は0.325下げて99.535。2年債利回りは5bp上げて0.15%と、4日以来の高さに達する場面があった。
複数の中国メディアは、李克強首相率いる同国政府は7%成長を景気減速下で容認できる最低ラインと見なしていると報じ、必要な場合には当局が景気拡大を支えるため行動を起こす可能性が示唆された。李首相はこれまで、当局は成長と雇用が共に下限を下回らないようにすべきだとの認識を示してきたが、下限がどの水準かは明言していなかった。
イタリア10年債利回りは4bp上昇して4.35%。同年限のスペイン債利回りは6bp上げて4.67%。ポルトガル10年債は4日ぶりに値下がりし、利回りは2bp上昇の6.41%。前日は一時49bp下げて6.31%と、6月20日以来の低水準を付けていた。
安全資産の需要後退で英国債も値下がり。10年債利回りはここ2週間で最も上昇した。英住宅ローン承認件数が6月に前月比で増え、英景気の回復兆候と見なされたことも一因。
ロンドン時間午後5時現在、英10年債利回りは5bp上げて2.31%。5日以来の大幅上昇となった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.37下げて95.45。
原題:Bunds Decline as China Damps Safety Bid,Money Market Rates Rise(抜粋)原題:Gilts Decline on U.K. Mortgage Approvals, China’s GrowthPledge(抜粋)
更新日時: 2013/07/24 02:22 JST