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2013年7月 8日 (月)

KAZUYA CHANNELは自民党の情報工作チャンネルか?

小泉政権の時から、自民党が、B層を懐柔するためにさまざまな情報戦略を駆使していた事は、皆様、既にご存知のことと思います。

TPPや道州制といった巨大な構造改革を控える現在も、自民党がB層を対象とした情報工作を広範囲に展開していないはずがありません。「安倍劇場」は今まさに私たちの周りで進行中であると言えるでしょう。

そんな中、安倍政権が誕生したのと時を同じくして、昨年の年末に突如としてYouTubeに現れたKAZUYA CHANNEL。毎日夜9時にさまざまな話題を取り上げた動画をアップしているのですが、中でも「保守」の視点に立った政治系の話題が多く、自民党や安倍政権を支持するメッセージ、民主党や韓国を批判するメッセージ、そして、どういうわけかチャンネル桜と共通するようなメッセージを視聴者に向けて発信しています。

しかし、調べれば調べるほど、このチャンネルは不自然さに満ちています。

KAZUYA CHANNELの公式ブログ(http://kazuyahkd.com)のプロフィールには、下のように自己紹介がなされています。

2012年に友人の結婚式のために初めて動画を制作した際に、動画制作の楽しみを覚え、YOUTUBEに動画投稿を始める。最初は今のような政治系の話題ではなかったが、投稿していくうちに動画の可能性に気づき「これは日本を変えるツールではないか?」と感じ政治系にシフトしていく。今では「日本を変えられる」と確信している。

まず第一に不自然な点は、KAZUYAさんが動画を投稿されて以来、動画の編集スタイルが全く変化していないという点です。使っている音楽も、日の丸を背景にしたカメラポジションも、動画の構成も全く変化していません。下がKAZUYA CHANNELのメイン・アカウント上にある一番古い動画であり、2012年12月30日に投稿されています。現在の動画の構成やスタイルと全く変わらない事がお分かりになると思います。

2012年に始めて動画編集を始めたということですが、動画作りを覚えたての初心者が動画作りを始めた場合、通常は試行錯誤しながら動画を作りますから、動画の様式や構成は自然に変化していくはずです。最初からがっちり動画の構成やスタイルが確立しており、しかもそれが半年間全く変化しないというのは考えられないことです。

比較のために例をあげると、下はYouTubeで有名なjetdaisukeさんの最初の投稿動画です。2006年2月27日に投稿されています。

下は、jetdaisukeさんの2006年2月27日の最初の投稿から、2006年10月30日まで、約8ヶ月の動画のリストです。さまざまな試行錯誤をされており、動画のスタイルが一様でないことは、サムネイルを見ただけでもお分かりになると思います。これが通常の個人のYouTuberの姿ではないでしょうか。

20130708_45701

ところがKAZUYA CHANNELはどうでしょうか。

20130708_45426

一番古い2012年12月30日の投稿以降、今日に至るまで、動画のスタイルが全く変化していないことは、サムネイルを見ただけでもわかります。

また、ブログのプロフィールには、投稿していく内に自然に政治系の話題を取り上げるようになったと書かれていますが、一番古い動画の背景に既に日の丸が掲げられていることから、「保守」系の政治系の話題に将来シフトしていく事は、最初からあらかじめ計画されていたのではないのでしょうか。

さらに、下の動画で、KAZUYAさんは、うっかり大切な秘密をもらしています。

KAZUYAさんは、原稿をしっかり作ってから撮影にのぞむと、撮影の裏話をお話されているのですが、一つの動画に800〜1000文字ぐらい、原稿用紙に換算すると平均して4.5枚ぐらいの原稿を用意するとお話されています。動画のコメント欄でつっこまれているのですが、通常の原稿用紙は400字ですから、平均して約2枚と答えるべきところでした。なぜKAZUYAさんは、原稿用紙一枚を200字と誤解したのでしょうか。

実はこれには想像される理由があり、通常シナリオの世界では、「ペラ」とよばれる200字の原稿用紙が使われています。

20130708_53216

(出展: http://plot2story.blog121.fc2.com/blog-entry-3.html)

これは、プロのシナリオライターがKAZUYAさんの原稿を書いていることを意味しないでしょうか。自民党に委託された、どこかの広告代理店が個人のVloggerを見せかけて、KAZUYA CHANNELを運営しているとは推測できないでしょうか。

同じメッセージを発するにしても、チャンネル桜の水島総のように、こわそうな右翼のおじさんが、レイプだのとんちんかんなたとえ話を交えながら語りかけるよりは、普通の若者が、一般の話題と織り交ぜながら、しっかりと推敲された原稿を元に、さわやかな語り口で語りかけた方が、視聴者にはメッセージが浸透していきやすいはずです。

以上、私の目からみて不自然に思われる点を、あくまで私の推測を交えながら、指摘させていただきました。

皆様、どうぞ情報工作に安易に載せられないように、常に疑いの目をもち、注意深く周りを見回していただきたいと思います。

ほげほげさんという方が同じ趣旨の動画を作って問題提起してくださっています。




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TPP」カテゴリの記事

コメント

なるほど、WJF様のお考えはよくわかりました。
YouTubeの再生数の件も、私とリンク先の方の誤解ですね。
また、よしふる様の動画に異議を唱えるものでは勿論ありません。引き続き応援しています。

投稿: ちいほ | 2013年7月13日 (土) 01時33分

ちいほさん

よしふるさんが熱心に記事を動画にしてニコニコに投稿してくださっていますが、私は別にニコニコの人たちに宛てて記事を書いているわけではありません。しかし、一点、これまで安倍政権やTPPに関する記事を書く上で、心がけてきたことがあります。それは、わざと大げさな言葉づかいを使って、波風を立てるということです。「亡国の使徒水島総の妄言を斬る」とかこんな感じにやるんです。水島総が反応してチャンネル桜でWJFの記事を取り上げてくれたのは計画通りの展開でした。短期間で多くの人たちの注目を集める上ではこれはよい方法だったと思います。この点では、KAZUYAさんに関するよしふるさんの動画がニコニコで注目を集めていることはよいことだと思います。静かにおとなしく意見を展開するよりは、あえて波風を立てて目立った方が効率がよいのです。当然強い反発も生まれますが、その中から他の動画を見たり、ブログにやってきて記事を読んだり、気づいてくれる人も確実に現れます。ニコニコの政治カテゴリーは独特な言論空間であり、ネトサポとよばれる自民党のネット工作員がうようよしているので、基本的にニコニコの人たちの大多数の支持を得ることは無理だと思っています。自民党のネットメディア局長である平井卓也衆議院議員自身が、ニコニコで、野党の政治家をおとしめて、「安倍ぴょん、安倍ぴょん」と安倍晋三を持ち上げる書き込みをしているぐらいですから、他のネトサポの方たちの行動は推して知るべしです。彼らはよしふるさんの動画をかなりいやがっており、よしふるさんはニコニコの政治カテゴリーで大変有名になっていらっしゃいます。あと一回ぐらいKAZUYAネタを投下して、彼らをひっかきまわしたいと考えています。

(YouTubeの再生数は300あたりで一端とまりますので、ネイバーまとめの方の指摘は誤解であると思います。)

投稿: WJF | 2013年7月13日 (土) 01時05分

わだつみ様
私は何も強調していません。

WJF様
統一教会の問題が事実で批判すべきなのはわかりますが、そっちに話を広げたいわけではなく、そういう存在を扱ったことで陰謀論者のレッテルを貼られたりしているなかで、KAZUYAさんのような有名人について根拠の薄い内容を彼のフィールドでもあるニコニコ動画にぶつけたら動画内の反応のようになって当然ではないのかと。こっちの言い分が信用されなくなります。反対に、焼け太りでKAZUYAさんの過去の動画がランキングを埋め尽くしています。現時点では私はあくまで内容についての批判記事の方を支持します。

KAZUYAさんについての疑念はネイバーまとめに書いている方がいますね。アップ当日の好評価が再生数を上回ったことがあるとか(画像が本物かはわかりませんが。)WJF様の記事も紹介されています。
http://matome.naver.jp/odai/2137284155792686301
今、今日の動画を観てきました。301回再生に高評価は186でしたので確かに評価を押す人が多すぎる気がしますが、「チャンネル登録を」とアピールしていますし、更新されてからすぐチェックして高評価する熱心な支持者がいればアップ直後の再生数の多さは有り得ると思います。本来、疑わしいことがあっても人に簡単に工作員の疑いをかけることはしない方がいいのではと思います。自分にかえってくるからです。

投稿: ちいほ | 2013年7月12日 (金) 23時37分

身も蓋もないことを言うと、堂々と公明党と手を組んでる時点でどうかなと。個人的には公明党も統一教会も、ちいほ氏が強調される程の違いは無いと思います。

WFJ氏

現在、統一教会側が行っている擁護方法として「信仰の自由」を盾にしたものがあります。下の記事内のリンク先を見るだけでも結構相手の手の内が分かります。ご参考までに。
http://ja.wikipedia.org/wiki/統一教会信徒の拉致監禁問題

投稿: わだつみ | 2013年7月12日 (金) 07時09分

ちいほさん
この記事にも明記してあるとおり、KAZUYAさんの件は「あくまで私の推測」にすぎません。しかし、安倍晋三や自民党と統一教会の結びつきは、いくつもの具体的な事実によって明らかになっています。統一教会という日本に悪意を抱く韓国の反日カルト団体が熱心に支援する政治家や政党を、日本人が真正の保守政治家、また保守政党であるかのように信じて支持してきた異常さに、多くの方たちが気づいていただきたいと思います。統一教会が安倍を支援する理由は彼らがはっきりと語っています。かれらの「み旨」を安倍晋三が成就してくれるからです。

「安倍先生なくして私たちのみ旨は成就できません」
http://wondrousjapanforever.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-b554.html

「み旨」が成就する日
http://wondrousjapanforever.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-0e24.html

多くの嫌韓の日本人が、自民党を支持すれば韓国をやっつけてくれると無邪気に信じていますが、実際は、自民党の背後にいるのは韓国の反日カルトなわけです。ということは、この韓国の反日カルトは、日本人の嫌韓感情すら、彼らの韓国中心主義的な野望を実現するために利用しているということを意味します。というより日本人を手玉にとるためにこそ、わざと日本人の嫌韓感情を煽ってきたと言っても過言ではないでしょう。日本人は「韓国人の反日活動」→「日本人の嫌韓感感情爆発」→「熱狂的な自民党支持」→「韓国の反日カルトの『み旨』の成就」とうまいこと誘導されてきたわけです。

安倍や自民党の背後にいるのが韓国の反日カルトであり、実際に安倍政権が日本を破壊する政策を次から次へと打ち出してきているにも関わらず、「安倍信者」たちは、「あべぴょん、あべぴょん」と言って手を叩きながら、安倍の日本解体を応援しています。過去に自民党が莫大な対韓ODAで韓国を支援したり、宮沢談話や河野談話のような自虐的な談話を出してきたのも、自民党の背後に統一教会がいたことを考えれば、当然の話です。おかしいことをおかしいと口にする人が増えていかなければ、おかしいことはいつまでも改まらないと思います。

皆が「王様は立派な衣装を着ている」と信じているときに「王様は裸だ」と叫ぶ事は確かに最初は勇気がいりますが、本当のことを述べていれば理解者は広がって行くと信じています。実際に安倍政権のおかしさや危険性に気づく人々は最初は少数でしたが、今では増える一方です。

投稿: WJF | 2013年7月12日 (金) 01時23分

個人を対象とした記事として決め手に欠けると思います。ホワイトハウスへの請願を独立国としておかしいと反対した件や、安倍政権批判の件、WJF様が正論を展開されるたび、多くの自称保守は理解できずに反発しましたが、さらに統一教会を扱ったことで印象だけで同じ穴のムジナ扱いされ、この記事でダメ押しになってしまっています。WJF様はそういう損得勘定はされないのかも知れませんが、WJF様への巷の評価は酷いものです。本来なら、WJF様が広く支持されることが国益に繋がると私は考えています。その上で推測からなるこの記事の意義をしばらく考えてみましたが、私にはわかりませんでした。

投稿: ちいほ | 2013年7月11日 (木) 22時28分

この記事を動画にして、ニコニコ動画に投稿しました。

KAZUYA CHANNELは自民党の情報工作チャンネルか
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21317379

他にもほぼ出来上がっている記事動画がありますが、今日はもう休みます。明日は午前中から投稿していけると思います。

投稿: よしふる | 2013年7月 9日 (火) 23時01分

数年前の事ですが、民主党は日本軍がいかに悪い事をしたかを描いた「赤い」漫画とか、精神世界の本でも洗脳本複数、阿修羅という政治板では民団と思われる大量の工作員で小沢スレを大量voteで異常にランキング上げなど、目に見える範囲だけでもあからさまな工作をしていました。

自民党は昔から2chにネトウヨ扇動部隊の投入、ブログとかtwitterとか好きな議員が多いので、youtubeに目を付けたとしても不思議ではないですね。

まあこの手の人達は、多くのマスメディアを駆使して、手を変え、品を変えては、数々の誘導工作をしてきた事は明白な既成事実ですから、まず工作有りきで考える、いや、考える「べき」でしょう。

彼は「功労者」として数年後に自民党の公認を付けてもらい、政治家になる約束でも取り付けてもらってるんじゃないでしょうかねぇ。

あと、だれか有力な政治家のご子息さんじゃないでしょうか(例:Kくし子とか)とも思います。だとしたら最近の若い人ではあまりしない顔出し、フォーマル系衣装も後々のイメージを考えての事でしょう。

投稿: ppp | 2013年7月 9日 (火) 21時52分

あくまでも推測として読みました。
「原稿用紙を200字で計算」の指摘、面白いですね。

私がこういうものを見るときに、注意するポイントは、

1.何か違和感はないか
2.誰にメリットがあるか
3.何を言っていないか

という点です。この場合、

1.中立・自然体を装いながら、実は偏っていて、芝居がかっている
2.安倍自民にメリットがある。正当化し、支持に誘導している
3.安倍自民の問題を殆ど追究していない。転嫁したり逸らしている

という感じでしょうか。

*

KAZUYAさんの動画は、以前、見たことがありました。
・交渉参加承認と自民党のウソと国民の無責任
 http://www.youtube.com/watch?v=qZa5DCy_FTg

これを見ると、タイトル通りの指摘を写真付きでしており、
割としっかりした人なのかな、と思っていました。

それが最近、ch桜や自称保守の詐術をなぞるような言説に
なってきているとしたら残念です。
先の動画も、中立性と信用の担保を得るためのものだった?

とするとシナリオライターさんは上手いですね。
※これももちろん推察です。誤解であれば申し訳ない。

投稿: きいろ | 2013年7月 9日 (火) 21時30分

今朝方RandomYokoさんにツイッターにて、長文の反論を受けていた様ですね。彼女もツイッターではなくここのブログへ書き込んだ方が確実だと思うのですが、ツイッターという自分のフィールドで戦いたかったのでしょうか?彼女のツイートについての突っ込み所は多すぎて、今ここでの批判は止めておきます。

投稿: 瓢箪山 | 2013年7月 9日 (火) 17時22分

物事の取っ掛りを言う必要があるとき、「友人の結婚式でさあ」という文句よく聞きませんか?「どこで聞いたの?」、「なんでそんなこと思いついたの?」等に対して、何らかの理由で物事の発端は隠したいときに。実生活の中よりも、映画やテレビの登場人物のセリフとして聞く場合が多いかもしれません。脚本家が面倒臭がって...

まあ、こんな所に突っ込んでもしょうがないなんですが。

投稿: わだつみ | 2013年7月 8日 (月) 06時05分

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