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2013年07月22日
Grassland / mickeyvdo
2013年7月17日、青海省と甘粛省の境界部で、漢人が雇ったマフィア約100人がチベット人の村を襲撃。17人が負傷する事件が起きた。
青海省(アムド)と甘粛省の省境地域。現代においても省境がチベット人居住区と漢人居住区の境というケースも多く、土地を巡る民族同士の争いが起きることもあるという。今回起きた事件もそうした民族衝突の一つだ。ダラムサラ在住のアリ・ギュルメが報告している。
17日、アリ・ギュルメの故郷でもある青海省海北チベット族自治州ドラ県アリ・ダクカル村(མདོ་ལ་རྫོང་གི་ཨ་རིག་བྲག་དཀར་སྡེ་བ་、海北州祁连县峨堡镇白石崖村)で、チベット人30人が100人ものマフィア(黒帮打手)に襲撃される事件が起きた。マフィアは釘をつけた棍棒や刃物を手にして襲いかかってきた。マフィアを雇ったのは隣村隣村である甘粛省メンリ県ツォメン村(民乐县南丰乡炒面庄村)の漢人たち。近隣の街に出向き、1人1000元(約1万6500円)の報酬で100人超を雇ったという。
チベット人30人のうちどうにか逃げた10人は無事だったが、残された20人のうち17人が負傷、うち3人が重体となった。ダクカル村の村長ラプテンは手足全てを折られ、サムドゥプとショオタンは頭と足に重傷を負い甘粛省タンエ市の大きな病院に搬送されたが、現在生命の危険もある重体という。さらにアリ・ギュルメによると、漢人たちはチベット人の家畜を持ち去ったともコメントしている。