韓国の中学生「ストレスを感じると他人を殴りたい」

韓国の中学生「ストレスを感じると他人を殴りたい」

 韓国の小・中・高校生のうち、性格や感情に問題のある傾向が最も高いのは中学生であることが研究により明らかになった。これまで中学生は小学生や高校生に比べて校内暴力の発生割合が高く、また将来に希望が感じられないとする生徒も多かったが、今回の調査によってそのことがあらためて裏付けられた。

 教育部(省に相当)は慶熙大学のチ・ウンリム教授の研究チームに依頼し「人性(その人間が持つ性格や感情)指数」を測定するツールを新たに開発した。民間の研究機関などはすでにこの種の指数をいくつも開発しているが、韓国の児童・生徒に対象を絞って性格や感情などを総合的に調べる指数を政府レベルで開発するのは今回が初めてだ。このツールは道徳性(20項目)・社会性(23項目)・情緒(17項目)の3分野、計60の質問からなり、教育部は今年から全国の小・中・高校生を対象に、毎年同じ調査を続けることにした。

■中学生で性格に問題がある傾向が高いワケ

 チ教授の研究チームが今年5月、全国の小中高校に通う2782人の児童・生徒を対象にこの調査を行ったところ、小学生が4点満点の3.29点で最も高く(性格などが良好)、続いて高校生が3.16点、中学生が3.05点で最も低かった(性格などに問題)。研究チームによると、結果が3点以上であれば性格がポジティブで良好、3点以下であればネガティブで問題ありと判定できるという。今回の調査結果では中学生も決して問題が深刻というわけではなく、むしろ良好といえるかもしれないが、小学生と高校生ほど良くはなかった。

 例えば「怒りの感情が出たときに、他の人に当たりちらすのは悪いことだ」という項目では、小学生が3.42点で最も高く、中学生が3.20点で最も低かった。全60項目のうち、3点以下となった項目は小学生では4項目だったが、高校生は15項目、中学生は20項目もあった。

 チ教授は「中学生は思春期の真っただ中の時期で、社会に対する不満が高まり、精神的にも非常に不安定になる時期だ。また韓国の児童・生徒はストレスを発散する機会も少ない」「(今回の結果は)発達過程の特徴と、韓国の教育環境の双方に起因するものではないか」との見方を示した。

キム・ヨンジュ記者
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