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エコナに新たな有害物質の混入発覚 濃度は通常油の100倍、ドイツでは低減対策
03:22 09/01 2009
 
新たな有害物質が見つかった花王のエコナ。セール価格でも日清リセッタより100円高い

 

 


 花王の健康油エコナに新たな有害物質の混入が発覚した。「グリシドール脂肪酸エステル」という成分で、その健康リスクを重視したドイツ政府の連邦リスク評価研究所(BfR)は2009年3月より、できるだけ混入を低くする措置を実施済み。だが、エコナには同成分が、通常の植物精製油の約100倍も多く含まれている。消費者の健康より企業利益を優先する日本の食品安全委員会専門調査会は「さらに調査・検討が必要」とするにとどめ、結論が出るまでエコナは健康食品として販売が続けられる見通し。賢明な消費者は購入すべきではない。

【Digest】
◇普通の油の100倍混入しているエコナ
◇ドイツでは最悪ケースを想定したリスク評価で対策を実施
◇エコナの発ガンリスクは「危険、健康上躊躇すべき」レベル
◇食品安全委員会「とりあえず現状維持のまま資料収集」
◇せめて子どもに与えるのはやめておこう

◇普通の精製油の100倍混入しているエコナ
 この問題、8月24日に毎日新聞が「エコナオイル 安全性を調査 食安委」という記事にしているが、花王は大スポンサーだけに、他社は報じていない。
エコナオイル:安全性を調査 食品安全委
 食品安全委員会の専門調査会は24日、特定保健用食品「健康エコナクッキングオイル」(花王)などに含まれる可能性のグリシドール脂肪酸エステルの安全性を検討することを決めた。調査会は、エコナクッキングオイルなどジアシルグリセロール(DAG)を高濃度で含む食品の安全性を調べており、近く中間報告を出す。今回調べるエステルはDAGを主成分とする油に多量に含まれるとの報告がある。安全に関する情報も少なく、発がん性があるとされるグリシドールに体内で変わる可能性も否定できないという。花王は「安全性については問題ないと考えている」と話している。

8月24日の専門調査会に提出された追加資料。1ページ目に注目。
 マスコミがこの問題を報じること自体、極めて希なことなので評価したいが、この記事では事態の緊急性が全く伝わってこない。

 これまで、主成分であるDAG(ジアシルグリセロール)の発ガン促進作用の有無が審議されてきたわけだが、それに加えて新たに発ガンに係わる不純物が発見されたことになる。

 このグリシドール脂肪酸エステルの問題が最初に議題にあがったのが、7月22日の食品安全委員会・新開発食品/添加物合同専門調査会の会議だ。これまでエコナの主成分DAG(ジアシルグリセロール)の発がん促進作用を審議してきた部会だ。

 メーカーの花王からの資料が提出されたのだが、そのときは唐突な感もあり、それほどの緊張感は持たれなかった。

 花王の資料は非常にわかりにくく、他の成分の分析データについては他社製品も比較のため測定しているにもかかわらず、肝心のこの成分についてだけは何故か他社製品のデータが無く、エコナのデータだけを出しているのだ。

 つまり、エコナの含有量が桁違いに大きいという点がよく分からないように作成されていたわけである。

 その後、8月24日の会議で、専門委員の山崎壮、菅野純両氏の連名で資料が提出され、エコナには、通常の植物精製油の100倍もの濃度で混入している、ということがはっきりした。

 そもそもこのグリシトール脂肪酸エステルという物質は、天然の植物油には存在していない。油を精製・脱臭する過程で発生することが分かっている。

エコナは普通の植物精製油の100倍近い濃度(グリシトール換算値)
 この問題を2009年3月に最初に取り上げたドイツでは、様々な植物油を検査して、脱臭過程で0.1以下~2.9ppm程度(平均で0.8ppm グリシドール換算値)発生することを確認している。

(注)なぜか食品安全委員会で傍聴者に配られたドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の翻訳資料ではそれぞれの植物油のデータの部分だけ空白になっている(9ページ目の脚注1の部分)。意図的なものなのかは不明だが、原典にはきちんと掲載されている(2ページ目の脚注1の部分)。

 つまりドイツでは、0.8 ppm 程度(1kgの油の中に0.8mg程度)の量が問題になっているのだ。一方、エコナについて花王が出してきた数値は、同様にグリシドール換算値に直すと82ppmと、約100倍も多い桁違いに多い量なのだ。

◇ドイツでは最悪ケースを想定したリスク評価で対策を実施
 グリシドール脂肪酸エステルの有害性の根拠は、2000年に国際がん研究機関(IARC)によって、構成成分であるグリシドールを「ヒトに対して発ガン危険性あり(2A)」に分類されたことによる。

 エコナの主成分のDAGが、発ガンを促進するプロモーション作用が疑われているのに対して、グリシドールは、遺伝子を傷つけてガン細胞を発生させるという、より強力なイニシエーション作用であることが分かっている.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



8月24日の専門調査会で菅野委員が出した意見書。3ページ目に「早急な管理措」置」が必要とある

記者コメント
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