◇全英OP<最終日>
▽21日▽ミュアフィールド・リンクス(7192ヤード、パー71)▽曇り 気温18度、北東の風6メートル▽賞金総額525万ポンド(約7億9000万円)、優勝94万5000ポンド(1億4200万円)▽出場84人
【ガレーン(英)青山卓司】最終日が行われ、3日目を終え首位と6打差11位の松山英樹(21)=東北福祉大=は2バーディー、1ボギーの1アンダーをマークし、通算2オーバーで6位に入った。松山は6月の全米オープンに次いで、日本人で初めて2戦連続のメジャー10位以内を果たした。近年は10位以内が翌年大会の出場資格の一つとなっており、2014年の出場権を得られる可能性が高い。片山晋呉(40)は通算10オーバーで44位。優勝したのはフィル・ミケルソン(43)=米国=で、メジャー通算5勝目、全英は初優勝。
最終18番、満員の観衆の前で打ったバーディーパットが、カップの手前で失速した。ほんのわずかに届かずパー。松山の全英オープン初挑戦は通算2オーバーの6位で終わった。
「充実感も自信も少しはつきましたけど、悔しさの方が大きいです。上が伸びていないのは分かっていた。17番と18番でバーディーを取っていればプレーオフのチャンスも出てくるかなって思っていた。やはり課題はパットですね」
ホールアウト後、ミックスゾーンで報道陣に囲まれた松山は、低い声で悔しそうに話した。
目標はどこまでも優勝だった。最後まであきらめずに首位を追った。この日もショットが絶好調。ティーショットをことごとくフェアウエーに置いて、パーオンに成功する。パーオンできなかったホールは18ホール中、わずかに3ホール。パーオン率83%は、最終ラウンドに限れば1位。4日間を通しては76%という高い数字を維持し、79%のヘンリック・ステンソンに次いで2位だ。いかに堅実なゴルフがこの難易度の高いコースでできているかが分かる。
一方で、その15ホールでバーディーが取れたのが2ホールだけ。4日間を通して、バーディーパットがもう少し入れば、少なくとも優勝争いには入っていけた。
「パットのタッチは合っていた。それよりも3日目までのつまらない3パットのミスがなければ優勝できた」。日本人史上初の2試合連続のメジャートップ10も、21歳の若武者にとっては悔しいだけ。初出場の全英で優勝を本気で狙っていたのだ。
前日(第3日)は遅延プレーのペナルティーで1罰打を取られた。本人は「切り替えました。今朝、もう忘れてました」と言うが、あの悔しさを簡単に忘れられるわけがない。それでも、これが逆に松山の知名度を上げる結果にもなった。この日、松山への声援は3日目までより明らかに多かった。「マツヤマ!」。現地からの声援に、松山は笑顔で手を振って応えた。
他の日本人選手が太刀打ちできなかった硬いフェアウエーも、速いグリーンも、強く吹く風も、この男には関係なかった。優勝したミケルソンを上回るショットの正確性は、世界で通用することを十分に証明した。次戦はカナダオープン。もちろん狙いは優勝であり、来季の米ツアーのメンバー入りだ。
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