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福島第1・高濃度汚染地下水 東電、海洋流出認める

 福島第1原発の井戸水から高濃度放射性物質が検出された問題で、東京電力は22日、敷地の汚染地下水が海に流出したことを初めて認めた。「原発の港湾口付近の海水は数値が低く、汚染は原発近くの一部の範囲にとどまる」としている。
 東電によると、敷地内の地下水の水位と海水の潮位を調べた結果、地下水と海水の間に水の行き来があることを示す連動が見られ、汚染地下水の海洋流出が裏付けられた。
 井戸は地下水の汚染状況を地上からのぞく観測用で、海側に設けられている。1カ月前から高濃度放射性物質の検出が相次ぎ、8日には1リットル当たり最大の63万ベクレル(法定基準の約10倍)のトリチウムが出た。
 原子力委員会は10日に「地下水の海洋への拡散が疑われる」と海洋流出の疑いを指摘したが、東電は「海水の数値に有意な変動が見られない」と否定していた。
 海洋流出を一転して認めたことで、東電の姿勢の信頼性がさらに下がり、地元市町村や漁業関係者の反発を招くのは必至だ。漁再開に影響が出る可能性もある。
 東電は対策として1、2号機間の護岸で行っている地下水流出防止工事の範囲を拡大するとしている。
 東電本店で記者会見した尾野昌之原子力・立地本部長代理は「発電所から汚染水を外に出さないことを目標にしたが、漏えいが分かり、申し訳ない」と謝罪した。


2013年07月23日火曜日


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