友里征耶「友里征耶の 世直し!“黒”グルメ案内」

癒着、ヨイショ、偽装・・・。なんでもありの“ブラック”な飲食業界を 友里征耶がめった斬り! 真のグルメ評論はここにあり!

友里征耶の 世直し!“黒”グルメ案内 vol.002

今号も1万字超えの力作! 関西大御所のヨイショ店をめった斬り!

発行日:2013年7月22日 18時

 
 

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友里征耶のメルマガを読まれる前に

 

 

「性格の悪い料理人の店にうまいものなし」

 

「再開発ビルでCPよい店は皆無」、「立地や内装の妙をウリにする店にまともな料理なし」、と並んで友里の店評価の根幹をなす定説であります。

 

料理人の性格(客のことを考えず己の利益だけを考えるなど)と食後感(CP感)の関連性について考察したのは世に友里征耶ただ一人。
そしてその性格の良し悪しに関係なく料理人や店関係者に癒着して生業を立てようと目論むマスコミ関係者たちの悪行にも大ナタを振るうのがこのメルマガの最重要課題であると友里は考えております。

 

友里征耶の目指すところは

 

金儲けだけを考える料理人や店経営者、そして、レストランに癒着し、客を釣るために実態と異なるヨイショ記事を書いて生業を立てようとする料理評論家やフードコラムニスト、フードライターのこの世からの駆逐

 

であります。

 

友里征耶のレストラン評価は副業の位置付けですから無理してお金を稼ぐ必要がありません。
普段の生活や好きな飲食は本業の稼ぎで十分。つまり飲食業界に何の気遣いもせず、しがらみのない真っ当な評価が出来ると自負しております。


店にとって不利になるシビアな評価を下して「出入り禁止」(出禁)になっても気にしない。
極端な話、すべての店から出入り禁止になったとしても生活にほとんど支障がない(好きな外食はできないでしょうが)のであります。そこのところが

 

店を怒らせて出禁になったら食べていけなくなる

 

この業界でしか稼げない料理評論家やフードコラムニスト、フードライターたちとの大きな違いであります。
飲食業界に配慮する立場で、一般客のための店評価ができるはずがありません。

 

このメルマガは、己の稼ぎのために飲食店に配慮せざるを得ない、いや生活していくためには店の宣伝に勤しむしかない料理評論家やフードコラムニスト、フードライターたちに疑問を抱く方、物事には表だけではなく“ウラ”があるということを理解できる方、検証精神を持ち続けたい方、そして真に真っ当な店を共に探したいと思われる方限定であります。

 

シビアな評価を悪口としか受け取ることができない方、耳当たりのよい言葉しか聞きたくない方、世はすべて性善説の前に成り立っていると信じる方にはオススメできません。

 

それではこれから友里征耶と真っ当な店を探していくことにしましょう。

 

友里征耶


 


目次*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
 

… 1. しがらみ皆無の店評価(連載)/【第二回】京夕け 善哉(きょうゆうけ よきかな/京都市中京区)


… 2. 友里征耶のメモ公開(連載)/【第二回】京夕け 善哉(きょうゆうけ よきかな/京都市中京区)


… 3. ここがヘンだよ 関西飲食業界(連載)/【第二回】関西は薄味、関東は濃い味の定説は本当か


… 4. 友里征耶が日本酒を語る(連載)/【第二回】講習会用の分厚いテキストが送られてきた


… 5. ヨイショ&癒着ストーキング(不定期)/【第二回】門上武司ストーキング「魏飯夷堂 北新地店」


… 6. 友里征耶のトホホ海外旅行記(連載)/【第二回】初海外出張でのトホホな夜遊び


… 7. 友里征耶Q&A(連載)

 

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1. しがらみ皆無の店評価(連載)
【第二回】京夕け 善哉(きょうゆうけ よきかな/京都市中京区)

 

今週取り上げる店も京都の和食店。第一回と同じく、京都在住のブロガーから

 

薄味の京料理

 

と紹介された店であります。


初回から2回も連続で京料理店(自称も含め)を取り上げた理由は何なのか。それはこの友里メルマガの注力コンテンツの一つ

「ここがヘンだよ 関西飲食業界」(連載)

で関西人(京都人も)の味の嗜好などについて述べる際の環境作りにしたいからであります。

 

前号の「高台寺 閑人」と同じく薄味の店と紹介されて馳せ参じた友里、「閑人」と違ってタクシーを降り店構えを見て、かなりの期待をしてしまった。
まずは店前から撮った写真をご覧ください。

 

 

間口の狭いアプローチは

 

いかにも京都らしい

 

この段階で検証精神のない観光客やミーハー客はイチコロではないでしょうか。
昼も夜も料理のレベルは同じという話だったので昼にお邪魔したのですが、仕込みの問題でカウンターではなく座敷に通されたのは想定外でありました。でも主人と女将の2名だけの小さな店ですから仕方がないかもしれません。

 

5750円(夜でもあるらしい)、8050円、1万1500円の3コース制。最高値で1万チョイの価格設定でありますから、食材の質などに多くの期待を持つことは最初から諦めての訪問であります。
京都の飲食業界に詳しい連れは、

 

主人は「鳥居本」出身だから薄味ではないはず
※鳥居本…「祇園料理」を掲げる京都有数の歴史を持つ料亭

 

と言っておりました。それでも我々は最高値の1万1500円のコースを注文したのであります。

まずは海鼠腸(このわた)の茶碗蒸し。

 

 

大味好きの魯山人が好んだ海鼠腸が、初っぱなから出てきた段階で友里、この店は薄味ではないとの予想が確信に変わった瞬間でありました。出汁はいわゆる万人ウケするしっかりした濃い味で、このわたの後押しもあり塩気も強い。うま味と塩気のダブル攻撃であります。

 

八寸はこの価格帯だから仕方がないのか、ちょっと貧弱。

 

 

花山椒、百合根、モロコ(タレ付け焼き)、コゴミの胡麻和え、ホタルイカの黄身酢和えなど味は予想の範疇内。と言いますか

 

やっぱり味濃いツマミばかりではないか

 

これが正直な友里の感想。悪くはないですが、酒が進みすぎる品々でありました。

お椀のタネは蟹真丈とヨモギ真丈を合わせた菱餅もどきに白魚をのせたもの。

 

 

まずは吸い地を口に含んで

 

吸い地がかなり濃いんじゃないか

 

しかも味醂を使用しているかのように、かな~り甘く感じるんですね。これは鰹節ではないはずと連れが確認したら

 

マグロ節使用

 

とのことでありました。友里のイメージからすると、かなりかけ離れた「薄味」であります。

造りは鮪、鯛、ハリイカ(関東ではコウイカ、江戸前寿司ではスミイカ)、赤貝

 

 

こちらは予想に反してまずまずの質。特に鮪、

 

京都というか関西でまともなものに出合ったことはほとんどない

 

のですが、悪くはなかった。

そして友里が好きな炊き合わせの登場です。

 

 

イイダコ、筍、海老芋(この時期では珍しいかも)の3タネでありましたが、出汁の味は濃い(かな~り甘い)けど肝心の海老芋に味が染み込んではいなかった。

焼き物は若狭のグジ。

 

 

なんと唐墨まぶしであります。塩気とうま味を加えすぎの足し算調理と友里は考えます。


〆のご飯の前に出てきたのは、三宝柑の蒸し寿司と蛤の潮汁。

 

 

 

これまた万人ウケするもの。しかし潮汁は味濃い割に蛤の味をそれほど感じなかったのが残念。

そして〆は鯛飯であります。

 

 

驚いたことに、この鯛飯は友里にとって薄味と言いますか、鯛の強いインパクトを感じませんでした。

 

量は十分だし、食材の質も価格なりといいますか、東京基準ではかなりCPが良いと思われる店。
女将の接客も良かったのですが、友里の基準ではこれは薄味料理ではない。

 

CPが良い最近よくある味付け(早い話が濃い味)の京風料理

 

と紹介されていたら、友里の評価は違っていたかもしれません。

 

 

2.  友里征耶のメモ公開(連載)

【第二回】京夕け 善哉(きょうゆうけ よきかな/京都市中京区)

 

京都在住の○○さんが「御料理はやし(※友里が京都で最高評価している割烹)は薄味ではなく、これが薄味だ」
と紹介した2店の一つ。オープンして6年とか。

 

3/○○ 昼訪問
昼夜同じコース設定。
5750円、8050円、11500円の3タイプ。
昼は前日までの予約のみ。

 

間口の狭いアプローチは京都らしいか。
カウンターと個室があるのだが、昼は仕込みをやっているようで、希望しても個室となった。

 

主人と女将の2名だけ。
女将の接客は丁寧だった。

 

主人は鳥居本の出だとか。連れ曰く

「この店出身なら薄味ではない」とのこと。

最高値の11500円コースを選択した。

 

1、海鼠腸の茶碗蒸し
これが出てきた瞬間、薄味の店ではないと判断した。
しっかりした出汁で、海鼠腸の後押しで塩気も強かった。

 

2、八寸
花山葵 ユリネ モロコ(タレの付け焼き) コゴミのゴマ和え ホタルイカの黄身酢和え
なんだ、味濃いつまみばかりではないか。
悪くはないけど、酒が進みすぎる味濃い品々

 

3、お椀
タネは菱餅風(蟹真丈とヨモギ真丈を合わせた)に白魚乗せ
吸い地は濃いぞ。しかも味醂がかなり入っているような甘さ。
昆布だけの甘みでないだけではなく、鰹節ではないと判断して女将に聞いたら

マグロ節使用

との事だった。
昆布と節が強すぎる、バランスから言っても濃い味。

 

4、造り
マグロ 鯛 ハリイカ 赤貝
まずまず。マグロも京都にしては悪くはない。

 

5、炊き合わせ
イイダコ タケノコ 海老芋
海老芋は味が入っていない 出汁は濃いけど 甘味も強い

京都人はいくら甘くても濃いとは感じないようだ、
出汁も昆布、味醂、節ともにかなり強い主張。
うま味を出しすぎている。

海鼠腸や唐墨を使うことからもうなずける

 

6、若狭のグジ 唐墨まぶし
塩気とうま味を唐墨で補っているのか。
グジ自体は悪くはないけど、焼き方も良かった

 

7、三宝柑の蒸し寿司と潮汁

ハマグリの潮汁との事だったが、味濃いけど肝心のハマグリの出汁は出ていなかった。

 

8、鯛飯
この飯でお腹いっぱいというか、量が充分すぎるよう逆転となった。
しかし鯛の味があまりしなかった。これが薄味か。
鍋底は焦げ過ぎで、薫香のような臭いがあって好みではなかった。

 

赤出汁、香の物とこれまた味は濃かった。

 

東京人と京都人で「濃さ」の判断基準が違うのか。
それとも○○さんや柏井壽さんが単に味音痴なのか。

 

サービス料はないようで、お酒を飲まないと11,500x2で
23000円ジャスト

 


3. ここがヘンだよ 関西飲食業界(連載)
【第二回】関西は薄味、関東は濃い味の定説は本当か

 

巷でよく言われている上述の定説。確かに関西は薄口醤油を使用しますからお椀の吸い地や炊き合わせなどの出汁の色は透明に近く薄い。でも実際の味わいはどうでしょうか。
実際は薄口醤油の方が塩分は強いとも言われておりますし、料理の味付けの濃い・薄いは出汁だけで決まるものではありません。

 

世では食の神様みたいに言われている京都生まれの魯山人、ウイキペディアでは美食家との肩書きもありますが、本当に味がわかった人物なのか。彼の大好物で有名なのが「海鼠子」。一説にはいっぺんに3桶もぺろりと食べたと言われておりますが、友里に言わせると

 

ただの濃い味好き

 

ではないか。元々そんなに好きなものではないのですが、海鼠子はせいぜい酒のツマミに一口二口食するものではないか。口いっぱいに頬張ってしまっては

 

舌の味蕾細胞が麻痺

 

してしまいます。それでは友里は何が言いたいのか。

 

魯山人を代表する京都人、いや関西人の実態は濃い味好き

 

であります。

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コメント 〜友里征耶「友里征耶の 世直し!“黒”グルメ案内」vol.002〜
著者プロフィール

友里征耶

本業(機械商社経営者)を持ちながら、夜な夜な都内の有名店に出没。覆面・自腹をモットーに、公正なレストラン評論を行う。レストランと癒着し消費者を騙す評論家・マスコミがはばかる現状に疑問を持ち繰り広げる“辛口”グルメ案内によって、しばしば炎上も。著書に「グルメの嘘」(新潮新書)、「絶品レストラン」(鉄人社)などがある。

マガジン詳細

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覆面・自腹調査、出禁上等の“ガチンコ”グルメ評論家・友里征耶が“しがらみ皆無”のレストランガイドを行います。同時に“和食の頂点”京都を中心とした関西食文化の考察、ブラックなワイン界の実態を暴露、そして初めて謙虚に(?)日本酒を学ぶコーナーなど、コンテンツ満載でお届けします。真のグルメ案内が読めるのはここだけです!

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