名古屋−アーセナル 前半、PKを決めるアーセナル・宮市(右)=豊田スタジアムで(佐伯友章撮影)
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名古屋グランパスとアーセナル(イングランド・プレミアリーグ)の国際親善試合が22日、豊田スタジアムで行われ、アーセナルが3−1で快勝した。アーセナルは前半から、名古屋市出身のFW宮市亮(20)のPKなどで圧倒。グランパスはFW矢野貴章のヘッドで1点を返すにとどまった。アーセナルは26日、埼玉スタジアムで浦和と対戦する。
迷いはなかった。自ら進んで「蹴らせて」とお願いしたPK。前半26分、ペナルティースポットのボールを宮市は思いっ切り、右足インステップで振り抜いた。
「(GKは)日本を代表する楢崎さん。僕が(高校時代に)練習参加させてもらったときから、すごいGKだった。あまりゴールは見ず、思いっ切り打ちました」
鋭いシュートはゴール左に突き刺さった。故郷の名古屋で、アーセナル初ゴールを決めた。
プレシーズンマッチだが、今季こそアーセナルでレギュラーを獲得しなければならない宮市にとっては、重要な一戦。目に見えた結果を残した。
昨季はアーセナルで1軍のメンバー入りができず、同じプレミアリーグのウィガンへ期限付き移籍。だが、秋に右足を痛め、3月に復帰したが、その復帰戦で再び右足首を負傷。靱帯(じんたい)の再建手術を受け、17日のベトナム戦で26分間プレーし、復帰したばかりだった。
昨年7月のプレシーズンマッチ、傑志(香港)戦以来2度目のアーセナルでの先発だった。うだるような暑さのなか、アーセナルは開始3分にFWジルーがやすやすと頭で先制。試合を有利にすると、宮市は果敢に攻め上がった。後半は疲れが出て「正直言って、まだ戻って来ていない。違うな、という感覚がある」と振り返ったが、45分間プレーできたことは前進だ。
「リョウはフィットネスが完全には戻っていないが、彼にとって特別な試合。この機会を逃してほしくなかった。体調が整えば素晴らしいプレーをしてくれる」とベンゲル監督は期待を込める。宮市は「がむしゃらにやらなきゃ。開幕までに調整します」と意気込んだ。チームは3−1で勝利。26日の浦和戦でのさらなる活躍が期待される。 (原田公樹)
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