グランパスにとっても、ピクシーにとっても、今後のリーグ戦に向けてチームを磨き上げる機会になったはずだ。
グランパスが目指す姿が目の前にあった。ボールを速く動かして、相手をほんろうするスタイル。アーセナルには、機能美とも言える美しさがあった。ゴールに向かう選手がスピードを殺さず、1番いい位置でもらえるパスの精度がある。次のプレーを考えてボールを受け、ボールが動くたびにポジションを動かすきめ細かさ。ほんの少しの精度の差が大きな違いになって表れていた。
グランパスから見れば、ふだんは大事には至らないミスが、大きなミスに見える。Jリーグから世界のビッグクラブに尺度を変えると、違う課題が見える。新たな目標が設定できたのではないか。洗練されたスタイルを肌で感じたグランパスが研ぎ澄まされた状態で、今後のJ1を戦うことを期待したい。 (元日本代表、グランパスDF・米山篤志)
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