山口5人殺害:不気味な張り紙残して男不明、住民不安な夜
毎日新聞 2013年07月22日 21時34分(最終更新 07月23日 01時58分)
亡くなったとみられる貞森さん夫婦は仲の良い夫婦として知られていた。誠さん(71)は周囲から「まこっちゃん」と呼ばれていた。誠さんはがんの闘病中だったといい、住民は「病気になる前は、畑でスイカをこしらえては、分けてくれた」。妻喜代子さん(72)についても「しっかりした奥さんじゃった。地区の世話役を務めていたこともあり、よく面倒をみてくれた」と悲しんでいた。
山本ミヤ子さん(79)は1人暮らしだが、市内に住む息子がよく遊びに来ていたという。毎週、住民とグラウンドゴルフを楽しんでおり、道具も「息子が買うてくれたんよ」と話していたという。21日の日曜に一緒にプレーしたばかりの住民は「10年ちょっと前にご主人を病気で亡くしたが、活発で気持ちが若い。元気やった」と声を落とした。
石村文人さん(80)もグラウンドゴルフ仲間で、21日は全員分の冷たいお茶を用意。「女がやるから」と言っても「ええ、ええ」とはにかんで毎回のように準備してきたという。
5人とも「恨みを買うような人ではない」と住民は口をそろえた。河村聡子さん(73)は市役所を退職後、よく畑に出ていた。明るく社交的で、よく人に声を掛けていたという。【蒲原明佳】