ライフ【家庭医が教える病気のはなし】(14)効果捏造の論文で降圧薬宣伝+(2/2ページ)(2013.7.16 08:05

  • [PR]

ライフ

  • メッセ
  • 印刷

【家庭医が教える病気のはなし】
(14)効果捏造の論文で降圧薬宣伝

2013.7.16 08:05 (2/2ページ)

 この2つの論文結果を使って大々的な宣伝が行われ、ディオバンは最も使われる降圧薬の地位を獲得したわけです。これが本当であれば問題ありません。値段が高くても40%も合併症が少ないのであれば、まずこの薬から使おうというのは当然でしょう。しかし、「アンジオテンシン受容体拮抗薬が他の降圧薬より効果が高い」という報告はこの2つの研究以外にほとんどなく、他の報告は「効果がほぼ同じ」という結果です。

 そこへ、この2つの論文の捏造(ねつぞう)疑惑が持ち上がりました。このうちの一つは論文自体が取り下げとなり、著者は大学教授の立場を辞任。大学は「明らかなデータ操作があった」とする調査結果を公表した。

 日本において最も使われている高血圧の薬の宣伝に使われた論文は捏造が明らかになり、多くの患者さんが値段が高いだけで他の薬と効果が変わらない薬を飲まされ続けていたという大事件です。しばらくはこの問題について取り上げていきたいと思います。(武蔵国分寺公園クリニック院長 名郷直樹)

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital