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【家庭医が教える病気のはなし】(14)効果捏造の論文で降圧薬宣伝
2013.7.16 08:05
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高血圧の薬にはさまざまな種類があり、値段は高いものから安いものまでいろいろだということをお示ししました。高い薬ほど日常生活に与える影響は大きいでしょう。安い薬を選べばその影響を小さくできます。その安くなった分でちょっとリッチな外食だって可能になるかもしれません。今日も続きのお話です。
しかし、この値段の違いはいったい何で決まっているのでしょうか。端的に言えば、薬の値段は古いか新しいかで決まっています。最も古い利尿薬が最も安く、最も新しいアンジオテンシン受容体拮抗(きっこう)薬が最も高いのです。脳卒中などの予防効果でいうと、値段はほとんど関係ありません。どの薬もほぼ同じ効果であることが多くの研究で示されています。効果が同じなら安い薬を選ぶのが当然でしょう。
しかし、現実は違います。高血圧の薬で断トツによく使われているのが、最も値段が高いアンジオテンシン受容体拮抗薬で、最初に使われる薬の50%以上を占めるという報告があります。これはどういうことでしょうか。
これには日本人を対象にした2つの研究論文が影響しています。この2つの論文では、高血圧患者を対象に、一方はアンジオテンシン受容体拮抗薬の一つであるディオバンという薬を、もう一方にはそれ以外の薬を投与して合併症の発生を比較しているのですが、どちらの研究もディオバンのグループで合併症が40~50%少ないというのです。
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