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【野中良祐、小宮山亮磨】「たいへんな迷惑、心配をかけたことをおわび申し上げる」。京都府立医大の調査委員会が、高血圧治療薬の効果を調べた論文に「データの不正操作があった」と認めたことを受け、吉川敏一学長は記者会見で深々と頭を下げた。自身の給与を返納する考えを明らかにし、「再発の防止と信頼の回復に努めていきたい」と語ったが、返納の期間や金額は未定とした。
会見には、吉川学長のほか、調査委員長の伏木信次副学長らが出席した。
「データ操作があった」との表現にとどまった報告書の内容に対し、報道陣から「改ざんではないのか」などと質問が集中した。
研究では販売元のノバルティス日本法人の元社員が統計解析を担当していたことが判明している。調査委はこの元社員に話を聴こうとノバルティスに協力を求めたが、すでに退職しているとして断られたという。
伏木副学長は「データ不正はあったと考えている」としながらも、だれがやったのか、故意にやったのか調べようがないとし、「大学の調査では限界があるので、この報告を最後にする」と語った。