データ人為的操作か 府立医大の臨床試験問題
京都府立医科大による血圧降下剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験をめぐる問題で、投薬を受けた患者の血圧などのデータについて、医師が入力したデータと、実際の解析に使われたデータに食い違いがあることが同大学の調査で11日、分かった。データを人為的に操作した可能性があるという。
臨床試験は2004~09年に松原弘明元教授を中心に実施した。「データ解析に重大な誤りがある」などとして関連論文6本が全て撤回され、大学が調査を進めている。解析には、販売元のノバルティスファーマの社員が統計解析の専門家として関わっていた。
関係者によると、臨床試験の約3千人分のデータのうち約200人分について調べたところ、現場の医師が入力したデータは、患者のカルテの内容とおおむね合致したが、解析に用いたデータとは異なっていた。
臨床試験は、バルサルタンの血管保護作用などを検証する内容。大学は、薬に効果があるように不正にデータ操作がされていなかったか、さらに調べる。
【 2013年07月11日 15時10分 】