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事件
【降圧剤データ操作】「飲み続けていいのか」 不安の患者に臨床現場は怒り
2013.7.13 01:03
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製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京)が販売する高血圧治療の降圧剤「ディオバン」(一般名・バルサルタン)の臨床研究で不正なデータ操作があったとした京都府立医大の調査結果を受け、田村憲久厚生労働相は12日、私的諮問機関として臨床研究の不正防止策を検討する委員会を近く設置することを決めた。日本の臨床研究の信頼性を揺るがす今回の事態。進展次第では、医療技術を世界に売り出そうとしている日本の成長戦略にも大きな影を落としそうだ。
独自調査に限界
高血圧症の患者は血管を流れる血液の圧力が高くなることで血管が傷み、脳卒中や心筋梗塞などの虚血性心疾患になりやすい。厚労省によると、国内の高血圧症の推定患者数は平成23年で約900万人。心臓病と脳卒中は日本人の死因の上位を占めている。
ディオバンは約100カ国で承認され、ピーク時には世界で6千億円以上の売り上げを記録するなど世界でも一般的な降圧剤。京都府立医大の松原弘明元教授(56)の患者3千人を対象にした臨床研究の論文は、ディオバンが降圧効果だけでなく、他の薬に比べ脳卒中や虚血性心疾患を45%減らせる効果がある-という画期的な内容だった。
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