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【大リーグ】

黒田、今季自己最速154キロで9勝目 日本人初の4年連続2桁勝利に王手

2013年7月22日 紙面から

◇ヤンキース5−2レッドソックス

 日本のサイ・ヤング賞候補2人が、後半戦も上々のスタートを切った。ヤンキースの黒田博樹投手(38)は20日(日本時間21日)、敵地でのレッドソックス戦に先発。7イニング5安打2失点で9勝目(6敗)を挙げた。マリナーズの岩隈久志投手(32)も敵地でのアストロズ戦で7イニングを7安打2失点でまとめ、同じく9勝目(4敗)。防御率を2・99と再び2点台に戻した。これで黒田は日本人初の4年連続2桁勝利に王手をかけ、岩隈も早くも昨季の勝利数に並んだ。ともにチームの大黒柱に君臨する2人が、後半も勝ち星を重ねていく。

 38歳とは思えぬタフネスぶりだった。最高気温36度。過酷な条件の中、黒田が7回に今季自己最速の96マイル(約154キロ)をマークした。「ストレート系のボールはいっていたので、何とか持ちこたえられた。最後は壊れてもいいくらいの気持ちで投げました」。後半戦初登板で、貫禄の9勝目。チームにも後半初勝利をもたらし、ベテランは会心の笑みを浮かべた。

 我慢が実った。レ軍の先発も防御率2点台のラッキー。序盤から予想通りの投手戦が展開されたが、これまでも打線の援護に恵まれなかった右腕は動じない。「いろんな経験をしてるんでね。粘り強く投げたいなと思ってた」。5回2死二、三塁のピンチでは自らの暴投で失点の危機を招いたが、素早く本塁ベースカバーに走って先取点を阻止。「体に染みこませてやっていることが形になった」と胸を張った。

 7回の失点で前々回の登板から続いていた連続無失点イニングは18でストップ。それでも、今季13度目のクオリティースタート(6イニング以上自責3以下)と相変わらずの安定感を見せた。これで日本人初となる4年連続2桁勝利にも王手。衰え知らずの38歳にジラルディ監督も「(16勝した)去年よりもいいかもしれない」と感嘆の声を上げる。

 「(2桁勝利は)一生懸命やった結果がそうなればいいかな。成長? 38歳でそう言われても」。当の本人は周囲の声に苦笑しきり。だが、過去3度投げて0勝1敗、防御率5・21と苦手にしていたフェンウェイパークもこれで克服した。「後半に入って、ちょっと流れが変わったかな。もっと大胆にやりたいことをやれそう」。好投しても報われないことが多かった前半戦から一転、波に乗れそうな後半戦初白星。心身ともにタフな右腕が、首位追撃の原動力となる。 (ボストン穐村賢)

 

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