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【サッカー】

痛恨ドロー発進も 収穫は柿谷デビュー弾

2013年7月22日 紙面から

日本−中国 後半、ヘディングで2点目のゴールを決める柿谷(30)=ソウルW杯競技場で(共同)

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◇東アジア杯 日本3−3中国

 サッカー男子の日本代表は21日、ソウル・ワールドカップ(W杯)競技場で行われた東アジア・カップ初戦で中国と対戦し、3−3で引き分けた。日本は前半開始早々にPKを与えて先制点を奪われたが、失点に絡んだDF栗原勇蔵(29)=横浜M=が同点弾。後半に、この試合でA代表デビューを飾ったFW柿谷曜一朗(23)=C大阪=、工藤壮人(23)=柏=が連続ゴールを決めたが、終盤の2失点でまさかのドローに終わった。日本は25日に第2戦でオーストラリアと対戦する。

 日本代表デビューを飾った背番号「30」が価値ある代表初ゴールを決めた。1−1で迎えた後半14分、左サイドバックの槙野からの高速クロスに、柿谷は相手GKの前に飛び込んで頭で角度を変え、ゴールへ流し込んだ。貴重な勝ち越し点に、喜びを爆発させた。

 「オフサイドぎりぎりを狙っていた。大きい選手が多いので、ニアを狙った。オフサイドになるかならないかのところがFWにとっての勝負」

 公約通りの一発は、窮地から若い日本代表を落ち着かせた。開始早々の前半5分に失点し、国際Aマッチデビューが6人と経験不足のチームは浮足立った。苦しい状況下で、最前線に立つ柿谷は一振りを狙っていた。劣勢の前半18分、オフサイドにはなったものの、敵の逆を完全に突きフリーになった。

 このプレーが中国守備陣に恐怖心を与えた。視界から消え、急ターン、急カーブを繰り返す。敵のDFラインは下がり、中盤の選手にパスを受ける時間とスペースを創出した。司令塔の高萩を中心にパスワークが復活し、好機を演出した。前半33分に栗原のゴールで同点に追いつき、落ち着きを取り戻した。

 そして、後半16分には左サイドからのドリブル突破で3人を引きつけ、絶妙のスルーパスで工藤の代表初弾も生み出した。直前に女子の北朝鮮−韓国戦が行われ、荒れた悪条件のピッチでも、柿谷の技術は左右されなかった。敵に恐怖心を植え付け、得点もアシストも。前田やハーフナーとも違う1トップ像をピッチに描いた。

 だが、その一方で…。2点リードの後半19分には青山からのロングボールで抜け出し、GKと1対1となったものの、最後にボールタッチが乱れ、シュートすら打てなかった。中国にとどめを刺す絶好機を逃し、試合後は「あれを決められないのが、まだまだ自分の未熟なところ。優勝するためには勝たないといけない試合だった」と漏らした。勝負を分ける1点の重さ。若きストライカーには苦い教訓となったはずだ。 (占部哲也)

 

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