榛名湖でワカサギの不漁が続いている問題で、二年ぶりに稚魚数十匹を確認したことが十八日、県の調査で明らかになった。
榛名湖漁協の野口正博組合長は「東日本大震災の年も最初は稚魚が確認できたが、突然いなくなった。原因はわかっておらず油断はできない」と注意深く見守っている。
榛名湖漁協は今春、ふ化数を増加させようと新たにビン型ふ化装置一台を導入した。四〜五月、この装置で卵を四千五百万粒、卵を貼り付けたシュロ枠を浮かべる従来の方法で二千万粒の計六千五百万粒についてふ化を試みた。ビン型装置は大部分のふ化に成功し、シュロ枠のふ化率は二割弱だったという。
県が成育状況を調べるため、五月にボートを使い湖面の八カ所を網ですいたところ、三カ所で数十匹の稚魚が確認できたという。
榛名湖のワカサギ釣りは、二〇一一年のシーズンに氷上釣りをして以来、福島第一原発事故に伴う放射性物質の検査に必要な数のワカサギが確保できず、秋のボート釣りも含め中止が続いている。(池田一成)
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