和田監督(右)から指導を受ける新井良【拡大】
球宴の華やかなお祭りムードとは対照的に、泥臭く汗を流した。気温30度の灼熱甲子園。ジリジリと身を焦がす太陽の下、新井良が居残り特打で復活への道筋を探った。
「1人ではずっとやっていること。いろいろとね。特別にどうこうはないですよ」
午後3時30分に全体練習が終了。それでも、打撃ゲージに残るシルエットがあった。打撃投手の山なりの遅球に対応する特別メニューが課された。前のめりになる体を必死に抗い、引きつけて引きつけて…一閃! これを繰り返すこと約15分。練習を終えた他の選手は、すでにクラブハウスに引き揚げている。静寂の中に、背番号32の荒い息づかいだけが響いた。
打撃練習後には、和田監督が汗だくとなった新井良に近寄り、身振り手振りで直接指導。指揮官は「下(半身)を使わないと、ゆるい球は打てない。腕が伸びるからボールとの距離がとれない。良太も頭ではわかっているんだけどね」と意図を説明。見守った水谷チーフ打撃コーチも「下を使わないかんからな」と繰り返した。