統一球隠ぺい問題にからんで今後のコミッショナーの選出方法が注目される中、パ・リーグ内から「総選挙案」が飛び出した。10日のオーナー会議でも議題に上ったが、継続審議として持ち越しとなったこの問題。煮え切らない状況にパ・リーグ関係者は「ファンやマスコミも巻き込み、イベントとして盛り上げたらどうか」と“密室からの脱却”を訴えた。
次期コミッショナーの選出方法については、すぐに辞任する意思のない加藤良三コミッショナー(71)も「野球界が素晴らしい人を選んでもらうのはいいこと」と後任選びに協力姿勢を示している。とはいえ、オーナー会議の宮内義彦議長(77=オリックスオーナー)は「各球団で(候補者の)名前を持ち寄る、という話と選考委員会をセとパで立ち上げて持ってきてもらった方がいいという話があった。しかし、委員会を作ると1か月、2か月かかる。(候補者の)プライバシーの問題もあり、ややこしくなる。どういうふうに納得する形で選ぶか…、なかなか難しい」と頭を抱えている。各球団の思惑もあり、審議の長期化は避けられない状況だ。
しかし、このままではいずれにしても従来のように“密室”で決められることに変わりはない。そこで業を煮やしたパの関係者からこんな意見が飛び出した。「いっそのことAKBのように総選挙にしたらどうか。例えば投票の比率をファンが3割、選手を含む現役の球界関係者3割、選手OB2割、マスコミ2割にすればいい。あらかじめ候補者の了承を得て方向性(公約)を出してもらい、何人かをノミネートする。人気投票になっても一番オープンで公平でしょう。それにイベントとしてやればスポンサーもつく。エンターテインメントとして盛り上げていけばいい」
球界トップを決める話し合いをショーにしようという画期的な提案。この背景には球界の“権力構図”に対する反発もある。オーナー会議では、強力なスポンサーを後ろ盾にした巨人などの人気球団が発言力を持ち、主導権を握る。すでに巨人・渡辺恒雄球団会長(87)がソフトバンク・王貞治球団会長(73)の名前を何度も挙げるなど、またまた、その流れになりかねない状況もあり、肩身の狭い思いをしてきたパ・リーグ球団サイドが事態を危惧するのは当然だ。
前出の関係者は続ける。「日本の球界は企業スポンサーに支えられながらやってきた。悪いことではないが、それが結果、極めて密室の中で何でも決められる事態になっている。古い体質から脱却し、球界を変えていかないといけない。(不祥事の続いた)柔道界、相撲界のようにならないために“見える化”する必要がある」。“公約”を打ち出した候補者に投票し、結果を大会場で華々しく発表する。実現すれば、ペナントレース以外の楽しみとして、ファンの関心も集めるはずというわけだ。
もちろん、この実現には様々な高いハードルがあることだろう。だが、もはや、そんな意見まで出るほど、今までのコミッショナー選出方法に不満の声がパ・リーグを中心に球界内にも充満しているのは間違いない。ファンを含め、多くが“変わる”ことを期待している。
加藤コミッショナーの任期は来年の6月末。ドラスチックな改革が望まれるが…。

東京スポーツ新聞社が運営する携帯サイト「東スポ芸能」で、AKB48の研究生・峯岸みなみ(20)が連載コラム「AKB48峯岸みなみの研究生じろじろリポート(略称じろリポ)」を担当。昇格を目指す研究生たちの素顔を紹介します。