プロ野球のマツダオールスターゲーム2013は20日、神宮球場で第2戦を行い、全セが3―1で全パに逆転勝ちしたが、先発の菅野(巨人)は2回1失点とちょっぴりほろ苦い球宴デビューとなった。日本ハム・大谷との注目ルーキー対決は、いきなり二塁打を浴び“完敗”に終わった。それでも「楽しかった」と振り返った右腕の視線は、早くも来年の球宴へ。一段と進化を遂げた姿で夢舞台に戻ってくることを誓っていた。なおこの試合のMVPは新井貴(阪神)が選ばれた。
見せ場はいきなり訪れた。神宮球場に集った3万人の視線が、2人のルーキーに注がれる。菅野にとっては記念すべき球宴初マウンド。そこで初めて対戦したのが、日本ハムの“二刀流ルーキー”大谷だった。
大卒の上に1年間浪人した菅野は、同期ルーキーといっても大谷より5学年も年上。初舞台の緊張感に、負けられない重圧も加わって、プレーボールのコールがかかっても表情は普段以上に硬い。そして投じた2球目、150キロの直球が外角高目へ浮いた。これを大谷に中堅右に運ばれた。「すごくいい打撃だったと思う」と素直に相手を称えた菅野だが、二塁に滑り込む大谷の姿に目をやった瞬間だけは、少し悔しそうな顔を見せた。
さらに続く長谷川(ソフトバンク)にも中前打を許すと、内川(同)併殺打に打ち取る間に1点を失った。だがこれで崩れないところが、並みの新人ではない菅野の凄みだ。「2連打されてまずいとは思ったが、その後は落ち着いて純粋に勝負を楽しめた」と振り返ったように、続く中田は空振り三振。2回も3本の外野フライで3者凡退に斬ってマウンドを小川(ヤクルト)に譲った。
「あっという間に終わってしまった。できればもう少し投げたかった」。どんなときもクールなルーキーが、降板後は珍しく興奮冷めやらない様子だった。「必ずもう一度出たい」と早くも来年の球宴マウンドへ目を向けたのは、自分の力不足を感じたからでもある。
球宴前は「三振は狙いません」と話し、変化球で打たせて取ると宣言していた。その通り中田との対戦では初球こそ直球だったが、2、3球目はスライダー。最後はフォークで空を斬らせた。 それでも実際のマウンドで感じたのは、満足感とは程遠かったようだ。「たくさん変化球を投げたので中田は怒っていると思う。でも1点以上取られたくなかったので」と話しながら、菅野自身が残念そうだった。
「来年は全球直球でいける力を付けたい」と結んだ菅野。今年はグッとこらえた大人の投球で主役の座を高卒ルーキーたちに譲ったが、来年こそは“巨人のエース”としてパの強打者を力でねじ伏せる。
東京スポーツ新聞社が運営する携帯サイト「東スポ芸能」で、AKB48の研究生・峯岸みなみ(20)が連載コラム「AKB48峯岸みなみの研究生じろじろリポート(略称じろリポ)」を担当。昇格を目指す研究生たちの素顔を紹介します。