今回のネット選挙では、「投票先カミングアウト」が見られて面白かったですね。
「投票先カミングアウト」がもたらすクチコミ効果
今回の選挙は、ネット上で自分が誰に投票するか公開する「投票カミングアウト」が多く行われた。これはネット選挙解禁の、地味な成果だと言える。これまでのタブーが、「アリ」になった瞬間である。傍観者から、選ぶ責任を引き受ける姿勢への、静かな転換。
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) July 20, 2013
かくいうぼくも鈴木寛さんへ一票を投じることを表明してみました(残念ながら落ちてしまいましたが…引きつづき応援です)。
こうした第三者によるカミングアウトは、「政治家本人が有権者へ発信する」よりも、投票への意思決定に与える影響が大きそうな気がします。食べログと同じ「ユーザーのクチコミ」の原理です。
これまでの選挙においては、法的な意味でも、慣習的な意味でも、「○○に投票しました」とカミングアウトすることは一般的ではありませんでした。今回法的な制約が外されたので、今後はこうしたカミングアウトが広がっていくのでしょう。
その意味では、食べログ的な「政治家レビューサイト」なんかもニーズが出てきそうです。ポリタスをリリースしたばかりの津田さんあたりが考えていそうですね。
ただ、日本の文化においては、なぜか政治について語ることが憚られるのも事実です。宗教についてなぜか語ることができないことと、構造が似ていますね(「宗教」という語られぬ巨大な「差別」—「宗教リテラシー教育」の必要性)。
政治についてはタブー視せず、どんどん個々人の考えを語るべき、議論すべきだとぼくは考えています。政治を語ることによって誰から嫌われることもあるでしょうけれど、まぁ、自分の信念に即して生きる方が気持ちがいいですから、それは仕方ないこととして諦めましょう。
自分の政治的選択は隠し通すのが一般的でしたが、これからはむしろ、ツイートやブログで公言することが増えていくのかもしれません。少なくともぼくは、個人としての政治的選択をこのブログで発信していく予定です。
ネット選挙解禁は、こうした面でも人々の行動、態度のあり方を変えているとも言えますね。みなさんも次回の選挙においては、ぜひ自分の選択とその理由について表明してみてください。
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