G20 日本は財政の健全化が課題7月21日 4時24分
G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は、日本時間の20日夜、閉幕し、アメリカの金融緩和策が縮小されるという観測から、新興国の成長を支えてきた資金が流出するなど、金融市場の過度な変動を防ぐよう促す声明が発表されました。
一方、日本は財政の健全化を急ぐよう改めて求められました。
今回のG20は、高い成長を続けてきた新興国の景気が減速するなか、開かれました。
声明は、アメリカの金融緩和策が縮小されるという観測を背景に、金融市場が不安定になり、新興国から資金が流出するなどの影響が出ていることを踏まえ、「将来、金融政策を変更する際には慎重に調整するとともに、市場に対し明確な説明を続ける」として、市場の過度な変動を抑えるよう促しました。
一方、日本は、先進国で最悪の水準となっている財政の健全化を急ぐよう、改めて求められました。
これについて、麻生副総理兼財務大臣は「9月に開かれるG20サミットまでに、国際社会の期待に応えられるような中期財政計画を示せるよう、しっかり取り組みたい」と述べました。
そのうえで、消費税の引き上げについて、「経済はいい数字が出てきているので、消費税を上げる方向で予定どおりやりたい」と述べました。
中国の金利自由化「議題にならず」
G20の財務相・中央銀行総裁会議の議長国を務めたロシアのシルアノフ財務相は、20日、会議を終えて会見し、アメリカの金融政策の縮小が新興国の経済などに及ぼす影響をいかに抑えるかという点などを、集中的に討議したことを明らかにしました。
この中でシルアノフ財務相は、「会議では、主要国の金融政策が新興国と先進国の経済に影響を与えていることに関心が集まった。各国で情報交換をして、金融市場が急激な変動を起こさないよう努めることで一致した」と述べ、市場の安定のために各国で連携する考えを示しました。
また、銀行を介さない「シャドーバンキング」と言われる取り引きの拡大をきっかけに、金融制度の改革が国際的に注目される中国が、G20の会議直前に、企業向けの貸出金利の自由化を発表しました。
これについてシルアノフ財務相は、会議の議題にはならなかったとしたうえで、「中国国内の銀行の間の競争力が高まる。また、企業にとっても安く資金を借りることができるようになる。中国経済の減速を食い止めることにもつながり、よいことだ」と述べ、評価する考えを示しました。
また、G20の会議に出席した、IMF=国際通貨基金のラガルド専務理事は、20日、記者会見を行い、「金融政策を終了する際に世界の金融市場が不安定になるのを抑えるには、市場との対話が重要だ」と述べました。
そのうえで、アメリカなど大規模な金融緩和を進める先進国に対しては、「先進国の中央銀行は金融政策の方向性などについて明確に説明する必要がある」と述べ、さらに説明を尽くすよう促しました。
その一方で、新興国に対しても「市場の変動に対する備えが必要だ」と指摘し、資金流出による影響を最小限に抑えるために経済の成長力を高める構造改革などの一層の加速を促しました。
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