7月19日の米国マーケットサマリー:株は続伸、選挙前に円は週間で下落
7月19日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3141 1.3109 ドル/円 100.33 100.43 ユーロ/円 131.84 131.65 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,543.89 -4.65 .0% S&P500種 1,692.09 +2.72 +.2% ナスダック総合指数 3,587.62 -23.66 -.7% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .29% -.01 米国債10年物 2.48% -.05 米国債30年物 3.56% -.07 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,294.00 +8.50 +.66% 原油先物 (ドル/バレル) 108.35 +.31 +.29%◎NY外国為替市場
19日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して下落。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて、緩和策の縮小が近く実施されるとの観測は遠のいた。
中国人民銀行(中央銀行)が国内銀行が設定できる貸出金利の下限を撤廃すると発表したことを受けて、ニュージーランド・ドルは上昇した。参院選を前に円は週間ベースでドルに対して下落。モスクワでは20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が始まった。バーナンキ議長は前日の上院銀行委員会公聴会で、9月に緩和縮小が開始されるのかどうか「判断するのは時期尚早だ」と述べた。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブローク氏(ニューヨーク在勤)は「ドルは全般的に軟調だ」と述べ、「米金融当局が漸進的に債券購入策を縮小させていくとの見通しから、長期的にはまだドル高傾向だ」と続けた。
ニューヨーク時間午後2時53分現在、ドルは対ユーロで0.2%安の1ユーロ=1.3136ドル。週間ベースでは0.5%安。ドルは対円で0.2%下げて1ドル= 100円28銭。週間ベースでは1.1%上昇。ユーロは対円でほぼ変わらずの1ユーロ=131円72銭。
◎米国株式市場米株式 相場は3日続伸。ゼネラル・エレクトリック(GE)の決算が予想を上回り、買いを促した。ただ、グーグルやマイクロソフト の決算は失望を誘った。S&P500種株価指数は週間で4週連続高となった。
GEが上昇し、工業株をけん引した。一方、マイクロソフトが大きく下げ、グーグルが下落するなどハイテク株は全般に安い。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比0.2%高の1692.09と最高値を更新した。一時は0.3%下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は4.80ドル下げて15543.74ドル。
バークレイズのウェルス部門(ロンドン)の株式ストラテジスト、ヘンク・ポッツ氏は「決算はまずまずの水準を維持している。勝ち組と負け組に分かれた。失望を誘うハイテク企業もあるが、長期的なトレンドになるとは必ずしも考えていない」と述べた。
◎米国債市場米国債相場は上昇。2週間の上昇としては過去11カ月間で最大となりそうだ。量的緩和の縮小が近いとの市場の懸念を連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が和らげたことが背景にある。
10年債利回り は今月早い段階でつけた年初来の高水準から低下。バーナンキ議長は18日、9月の縮小開始をめぐり「判断を下すのは時期尚早」だと述べた。17日には、資産購入について「事前に方針が決まっているわけでは決してない」と言明していた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月30-31日に会合を開催する。
CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「概して市場はバーナンキ議長のコメントに縛られる状況が続いていた。超低金利はさらに長期間続き、量的緩和は経済統計次第になる」と指摘。「供給面では大きな動きは予想していない。10年債利回りについては、しばらくは2.5%付近で推移するとみている」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時44分現在、10年債利回り は前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.49%。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は11/32上げて93 20/32。
10年債利回りは週初から10bp低下。先週 は16bp下げていた。2週間の低下幅としては昨年8月31日までの2週間以降で最大となる。今月8日には2.75%と、ほぼ2年ぶりの高水準を付けていた。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は続伸。週間では2週連続で上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が今週の議会証言で、金融緩和のペースを維持する考えを示唆したことが材料。
バーナンキ議長は18日の上院銀行委員会の公聴会で、9月に緩和縮小が開始されるのかどうか「判断するのは時期尚早だ」と述べた。金は2008年末から11年6月にかけて70%上昇した。連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を過去最低に維持し、2回の量的緩和で2兆3000億ドルの債券を買い入れたことが背景にある。
キトコ・メタルズのグローバル・トレーディング・ディレクター、ピーター・フグ氏はリポートで、「バーナンキ議長の発言は量的緩和の規模を少なくとも数週間前に考えられていたよりも、もう少し長く維持することを示唆しているとの声が多い」と指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.7%高の1オンス=1294ドルちょうどで終了。終値としては6月19日以来の高値となった。週間では1.3%上昇。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は週間ベースで4週連続高。米経済回復の兆しが好感された一方で、月間での上昇は行き過ぎだとの見方も出ている。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)はほぼ3年ぶりに北海ブレント原油より高くなった。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは18日、米国の格付け「AAA」について、見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。米国の原油在庫は12日までの3週間で2710万バレル減少。週間でのデータをまとめ始めた1982年以降で最大の減少となった。WTIの相対力指数(RSI、14日ベース)は価格下落の可能性を示唆する70を11営業日連続で上回っている。
トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「米経済環境の改善が市場を支え続けている」と指摘。「供給見通しはタイトになった。相場はやや先回りし過ぎている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比1セント(0.1%未満)高の1バレル=108.05ドルで終了。同限月は22日に最終取引を迎える。週間では2%、月間では12%の値上がり。
ロンドンのICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されるブレント原油9月限は63セント(0.6%)安の1バレル=108.07ドル。一時はWTI9月限を3セント下回り、2010年8月17日以来で初のディスカウントに転じた。
更新日時: 2013/07/20 05:59 JST