安倍自民が圧勝 ねじれ解消
第2次安倍内閣発足後、初の大型国政選挙となる第23回参院選は21日、投開票された。自民党が現行制度で過去最多の65議席を獲得する圧勝で、非改選議席を含め参院第1党へ復帰、堅調な公明党とともに参院過半数(122議席)を確保した。衆参両院の「ねじれ国会」は解消し、安倍晋三首相の政権基盤が強まる。経済政策「アベノミクス」への期待感が勝因とみられる。民主党は結党以来最低となる20議席割れの惨敗。日本維新の会、みんなの党も伸び悩んだ。共産党は改選議席を倍増、過去最多の8議席を得た。
与党は参院審議を主導できる安定多数(129議席)も実現した。憲法改正に前向きな自民党、日本維新の会、みんなの党の獲得議席は非改選と合わせ改憲発議に必要な3分の2に達しなかった。
首相は今後、成長戦略の具体化に取り組み、来年4月に予定する消費税増税の可否を今秋に最終判断する。首相は21日夜のNHK番組で、経済政策に関し「(景気回復を)実感あるものにしてほしいとの声に応えないといけない」と表明した。
自民党は計31の改選1人区で岩手、沖縄以外の29選挙区で勝利した。計16の複数区でも全選挙区でリードし、千葉、東京では2人が当選。公明党は4選挙区で全勝し、比例代表と合わせて改選10議席は維持した。
民主党は改選2人区の北海道、茨城、長野で当選する一方、1人区では全敗した。海江田万里代表は21日夜、続投に意欲を示したが、責任論が出る可能性もある。
昨年の衆院選で躍進した日本維新の会(改選数2)や、10年の前回参院選で10人が当選したみんなの党(同3)は、いずれも8議席。社民党は結党以来最低の1議席が確定。生活の党、みどりの風は議席を獲得できなかった。
選挙区の確定投票率は52・61%で、参院選としては過去3番目の低投票率。改選数は選挙区73、比例代表48の計121議席。選挙区271人、比例代表162人の計433人が立候補した。
1票の格差是正で定数「4増4減」が実施され、神奈川と大阪は改選数が3から4に、福島と岐阜は2から1になった。今回から公示後にインターネットを使った選挙運動が解禁された。